奈良美智による展覧会
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「吉野町煉瓦倉庫」の記事における「奈良美智による展覧会」の解説
青森県弘前市出身の美術作家・奈良美智による展覧会が、2002年(平成14年)、2005年(平成17年)、2006年(平成18年)に同倉庫で3度開催された。展覧会の会場として使用されることになったのは、奈良美智の画集を見た当時の倉庫所有者からの申し出がきっかけであった。2000年(平成12年)に初めて倉庫の内部を訪れた奈良美智は、ファンサイト「HAPPY HOUR」に、内部空間から受けた印象について興奮ぎみに綴っている。 個展を開催するために非営利の実行委員会が組織され、ボランティアが募集された。展示設備の整った美術館とは異なる、倉庫が会場として活用されるにあたり、まずは建物内部のリノベーションが必要であった。1回目の「I DON'T MIND, IF YOU FORGET ME.」は、倉庫のリノベーションから展覧会の運営まで、延べ3,500人ものボランティアスタッフにより実行された。人口約17万人の街に約6万人もの観客がこの展覧会を訪れるという、前代未聞の成功を収めることとなった。この実行委員会メンバーを中心に、2003年(平成15年)にNPO法人harappaが結成され、2005年(平成17年)春には「From the Depth of My Drawer」2006年(平成18年)夏には「YOSHITOMO NARA + graf A to Z」を開催し、みたび大きな成功を収めている。「YOSHITOMO NARA + graf A to Z」では、倉庫内部に廃材を利用して作られた44個の小屋が立ち並び、それぞれ「奈良小屋」「アーチハウス」「アフガン小屋」「ニュー八角堂」などと名付けられ、来場者は架空の街の中を回遊するように展覧会を楽しむことができた。過去2回の展覧会の際、倉庫の2階部分は会場としては使用されなかったが、同展で初めて活用され、奈良美智の《Puff Marshie》などが展示された。開催にあたって倉庫に掲げられた巨大なポスターの画像には、本展のために描かれ、出品作中でもっとも大規模のペインティング《The little star dweller》が用いられた。 開催の翌年には、同展に関わった方との思い出を残すため、展覧会の収益金により奈良美智によって制作された立体作品《A to Z Memorial Dog》が弘前市に寄贈され、10月21日に煉瓦倉庫に隣接する土淵川吉野町緑地公園に設置された。2015年(平成27年)に行われた修復後、作品は倉庫内部の一角で展示されていたが、改修工事に伴い、展示を一時休止している。 奈良美智展 弘前「I DON'T MIND, IF YOU FORGET ME.」奈良美智「From the Depth of My Drawer」弘前展「YOSHITOMO NARA + graf A to Z」主催 「奈良美智展 弘前」実行委員会 「奈良美智展 弘前」実行委員会、NPO 法人harappa A to Z 実行委員会 会期 2002年(平成14年)8月4日(日)~9月29日(日) 2005年(平成17年)4月16日(土)~5月22日(日) 2006年(平成18年)7月29日(土)~10月22日(日) 来場者数 58,724人 20,019人 77,343人 ボランティア参加者数 469人 260人 910人 出品作家 奈良美智 奈良美智 奈良美智、graf、川内倫子、杉戸洋、三沢厚彦、ヤノベケンジ、米田知子、アンクリット・アシャチャリヤーソーポン、スッティー・クッナーウィチャーヤノン、マイ・ホフスタッド・グネス、松本大洋、ジェイムズ・マクニュー 主な関連イベント オープニングイベント 「ROCK'N' ROLL GYPSIE NIGHT」出演:LIVE TI-KI TIKI BAM BooooS、DJ 奈良美智、ゲストDJ齋藤奈緒子 レクチャーシリーズ第1回 松井みどり(美術評論家))「幻の山や街 ―奈良美智の夢の生成」第2回 児島やよい(アート・コーディネーター/ライター) 「児島やよいさんと語ろう!! 奈良美智の世界」第3回 岩井康賴(美術家/弘前大学教育学部教授)第4回 立木祥一郎(キュレイター)「偶然の空間 ―奈良美智展が示す未来」 上映会『ロッタちゃん はじめてのおつかい』(監督:ヨハンナ・ハルド/制作年:1993) 『MI・TA・RI!』(監督:原將人/制作年:2002) 会期終了後(10月15日・16日)こどもワークショップ成果展『We won't forget you. ぼく・わたしの中の奈良美智』 レクチャーシリーズ第1回 土崎正彦(白土舎オーナー)・岩井康頼 「奈良美智の世界〜若き才能との出会い〜」 第2回 原久子(インデペンデント・キュレーター)「大阪ではじまった話」第3回 齋藤奈緒子(音楽ライター)、齋藤浩(JOYPOPS代表) 「奈良美智が出会った音楽たち」 写真展「I NEVER FORGET YOU.~From the Depth of My Drawer 弘前展の記憶~」 (5月17日〜22日 )撮影:永野雅子 「A-nightで行こう!」出演:LIVE bloodthirsty butchers, DJ 奈良美智 「Midnight A to Z」 夜間開館トーク:奈良美智×中野裕通「ものづくりについて」スライドショー:永野雅子「Document of Nara + graf」DJイベント:「Party Night」 出演/奈良美智、Doggone、タカイチヤングフード&ドリンク:「A to Z屋台村」 「Z-night鳴る!」 「Radio A to Z」(アップルウェーブ) 「ならねぷたコンテスト」 「『NARA/奈良美智との旅の記録』完成直前特別試写会」 レクチャーシリーズ「AtoZまで」奈良美智、豊嶋秀樹「kunoichi AtoZ 活動報告」原久子(アートプロデューサー)、宮村周子(ライター)、児島やよい(アートコーディネーター)、今香(米子市美術館 学芸員)「AtoZ 迷子たちの街」立木祥一郎(AtoZ実行委員会キュレーター)「私の彫刻表現」三沢厚彦(AtoZゲストアーティスト)「奈良さんとの11年」小山登美夫「AtoZの闖入者 トラやんとは」ヤノベケンジ(AtoZゲストアーティスト)「AtoZを追いかけて」坂部康二(東北新社 映像ディレクター)「AtoZこの街が生み出すもの」天野太郎(横浜美術館 学芸員)「AtoZから」奈良美智、豊嶋秀樹
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