外国の関与とは? わかりやすく解説

外国の関与

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 08:11 UTC 版)

ターリバーン」の記事における「外国の関与」の解説

ターリバーンは、軍事面および資金面パキスタン軍諜報機関であるISI軍統合情報局)を通してCIA支援受けていた。特にISI長官務めたハミド・グル(英語版)と深く関わりアメリカ支援絶った以後も、ISIから援助もらっていたという。アメリカ国際連合にハミド・グルのテロリスト指定迫った際はパキスタン友好国中華人民共和国拒否権行使している。 パキスタン軍にとり、敵対するインドとの対抗上、アフガニスタン親パキスタン政権据え、「戦略的な深み」を得ることは死活的な課題であった。そして「親パキスタン政権」とは、民族的にアフガニスタンパキスタンまたがって存在するパシュトゥン人主体政権あり、かつ、パシュトゥン民族独立運動につながることを阻止する必要から、イスラム主義信奉する勢力なければならなかったという。このためそうした要件満たすターリバーンパキスタン全面的な支援得て支配地域拡大していった。アフガニスタンパキスタン傀儡政権成立することは、中央アジアにおける貿易アフガニスタン経由パイプライン独占するという思惑、またインドとのカシミール紛争利用するイスラム過激派パキスタン国外で匿うという目論みにも好都合であった1997年ターリバーン軍がマザーリシャリーフ攻略失敗し、その主力一挙に喪失してからはISIはより直接的な関与深めた2000年第二次タロカン攻略戦ではパキスタン正規軍少なくとも二個旅団以上及び航空機パイロットターリバーン軍を偽装して戦闘加入したとされている。このため2000年12月にはコフィー・アナン国連事務総長パキスタン非難する事態となったまた、1990年代半ばにはサウジアラビア総合情報庁パキスタン通じてターリバーン資金援助行っており、アフガニスタン安定化対すターリバーンへの期待高かったまた、強力で安定的な政権中央アジア安定化につながるとして、アメリカ合衆国支持得ていた時期もあった。当時アメリカユノカル社が中央アジア石油・天然ガスアフガニスタン経由したパイプラインインド洋輸送することを計画していたが、これはロシアイラン避けルート取っており、米国政府としては好都合であり、このパイプライン建設計画支持した。このパイプライン計画実現のためにはアフガニスタン安定前提条件であり、米国ターリバーンによるアフガニスタン支配関心示したアメリカ合衆国議会関係者アメリカ合衆国国務省関係者和平仲介行おうとしたが、和平成立しなかった。 1996年9月ターリバーン首都カーブル制圧しナジブラ大統領処刑した際、アメリカ国務省報道官ターリバーン行為非難せず、むしろターリバーンによる安定化への期待を示すなどアメリカ政府ターリバーン寄り姿勢示したターリバーンによる首都カーブル制圧後、ターリバーンによる人権侵害、特に女性扱い世界注目するようになり、米国ターリバーンへの姿勢変化させていった1997年11月にはマデレーン・オルブライト国務長官ターリバーン人権侵害批判し米国ターリバーンへの反対姿勢明確にした。1998年8月ケニアタンザニアアメリカ大使館爆破テロ事件発生すると、アメリカ人権問題以上にテロ観点からターリバーンへの敵対姿勢強めていった。 1999年12月カシミール独立目指すイスラム過激派によりインド航空機がハイジャックされアフガニスタンターリバーン本拠地だったカンダハル着陸しハイジャックされ飛行機乗客乗員155人を人質立てこもる事件があった(インディアン航空814便ハイジャック事件)。その際に、ムタワッキル外相などターリバーン政権幹部仲介により、インド当局獄中にいるイスラム過激派カシミール独立派)の幹部3人を釈放する代わりに乗員155人が解放された。国際的に孤立深めるタリバン政権が、テロリスト釈放引き換えとはいえ周辺国連携して人質解放尽力したことで、日本国内でも、国際社会ターリバーン政権イスラム原理主義勢力として単純に敵視するのではなく歩み寄り行ってもよいのではないかとする論調があった。また、これにはイスラム過激派支援集団みなされていたタリバーン側の国際社会での汚名返上思惑もあった。

※この「外国の関与」の解説は、「ターリバーン」の解説の一部です。
「外国の関与」を含む「ターリバーン」の記事については、「ターリバーン」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「外国の関与」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「外国の関与」の関連用語

外国の関与のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



外国の関与のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのターリバーン (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS