唐の経済政策とは? わかりやすく解説

唐の経済政策

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/07 15:34 UTC 版)

中国の経済史」の記事における「唐の経済政策」の解説

619年に隋が滅びその後100年比較穏やかな発展続き玄宗治世においては既に隋文帝期の経済水準回復させていた。しかし安史の乱により状況一変した7年2カ月に及ぶ戦乱黄河下流域大損害をもたらした。それに対し江南などが受けた被害軽微なものであり、南方経済相対的に発展したその結果中国古代経済中心は完全に南に遷り始めた一方でそれと同時に江南8道と四川において、華北大規模な戦乱その他の影響により、農業手工業生産発展遂げた江南での農業に関しては、『四時纂要』のような農業書が出現し肥料導入農具品種農薬改良進歩起こった唐代都市商品経済黎明期にあった長安雍州京兆府)、洛陽洛州河南府)、魏州貝州済州宋州睢陽)、楚州蘇州幽州范陽)、揚州江都広陵城)、成都益州成都府)、広州晋陽并州太原府)などが地域商業中心となっていった。唐の国内交通路世界的にも十分発達したもので、陸路長安中心として全国繋がり水路洛陽中心として大運河通して繋がっていた。唐に駅站は1463箇所あったとされ、内訳は陸駅が1297、水駅166だったという。商人らは堰坊に商品保管し、そこに利益蓄えた交通充実していたため、唐中期になると官僚一族職人は南遷し、長江流域商業都市発展は更に加速した国家財政江南依るようになり、「揚一益二」と言われていたが、江南最大の都市である江南東道蘇州繁栄揚州洛陽超え長安に次ぐものであり、また華南唯一の高等の州とされた雄州には天下一と言われる郡があり、「当今国用多出江南江南諸州、最為大。」とも呼ばれたその他にも、杭州湖州などが大きく発展した蘇州揚州などの商業都市では坊市制が崩壊し夜市出現し始めた。 唐は世界で初め手形用いた国家とされる飛銭唐代確立され手形システムであり、交子会子中国語版)・交鈔などのルーツとなった。これは藩鎮管轄外への銅銭流出を防ぐ禁銭政策を採ったことにより、飛銭用いて長安洛陽にある銅銭の手形を交換することが盛んになった。こうして唐の大都市中には堰坊と飛銭出現した。堰坊は寄付により成り立っていたが、唐末期黄巣の乱藩鎮抗争により、その数は減少し開元期の繁栄取り戻すことはなかった:113唐代には、海外貿易栄えた8世紀後半には広州からマラッカ海峡通ってインド洋出てセイロン島ペルシャ湾アデン湾紅海への航路開けた。また新羅日本との航路も活発となり、唐の海上交通範囲新大陸発見前の世界の殆どを占めていた。ユダヤ人ペルシャ人アラブ人といった中東商人らは中国訪れ沿岸部交州広州泉州明州寧波)・揚州などの港は船が頻繁に通るようになり、外国貿易重要な拠点となった。更に外国貿易盛んになると、唐は市舶司呼ばれる特別な官庁設け、そこで徴税した。外国貿易の数は更に増し成長し続けたまた、中唐頃になると華南経済的地位向上したとされている。 唐末から北宋にかけて、荘園栄えていたが、大半地主自営農場であり、荘園経営方式統一されたものではなかった。使役するのも、奴隷労働者小作人佃戸)など様々であった宋代に至ると、奴隷用い農場少なくなり、小作人佃戸)を用い農場漸増した。北宋末期には雇用制の大農場も減少し佃戸制が一般化した。 唐の後期には、官僚地主土地次々と没収し均田制崩壊した。そのため都市部に代わって地方の田や住宅などが拡充した。嶺南東道節度使の韋宙の「江陸別業」では、7000穀物の山が出来た記されている。またこの頃は、宋之問田山荘、王維の輞口荘などが有名な荘園となっており、江南軍使の建雄は、毗陵にあった別荘には使用人誠が何度も往復したとある。また高宗時代には、王方翼が僻地の田を数十頃(数百ha開拓し、屋を作って竹や木を植えたとある玄宗の詔には、「王公百官富豪之家比置荘田恣行吞併」とある。安史の乱後、均田制は完全に崩れ荘園経済は更に発達した。陸贄は「今制度弛紊,疆理隳壊,恣人相呑,無復畔限,富者兼地数万畝,貧者無容足之居」と述べた唐代には僧侶大土地を所有しており、袁州の斉覚寺の僧は荘田常駐し、その蓄えは非常に多かったとされる。また少林寺柏谷荘を持ちその大きさ40頃(200ha以上)以上に及んだとされる。また吐蕃滅んだ後、その地の宗派領土分割し政教合一よりより多く荘園生んだともされる

※この「唐の経済政策」の解説は、「中国の経済史」の解説の一部です。
「唐の経済政策」を含む「中国の経済史」の記事については、「中国の経済史」の概要を参照ください。

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