優等列車向けの車内設備を持つもの
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/30 15:06 UTC 版)
「急行形車両」の記事における「優等列車向けの車内設備を持つもの」の解説
専用の車内設備を持つ車両はJRの快速列車との対抗上、JRの近郊形車両に近い装備を持っている車両がほとんどであるが、料金不要であることから一般車両のカテゴリに括られる場合もある。 「特急形車両#料金不要特急専用車両」も参照 <近畿日本鉄道> 運用上の差違として明確に分けられているものとしては、大手私鉄のうち路線延長が長く、都市圏輸送・観光輸送に特化した列車を運行している近畿日本鉄道の場合、特急用車両と団体用車両を除く車両(料金不要列車に充当される車両)は一般車両にカテゴライズしているが、大阪・名古屋線系統において長距離急行列車には原則としてトイレ付き車両を専属で充当しており、そのうち、1000位が「5」の車両は標準軌急行用クロスシート車と位置付けており、急行列車専用の車内設備を持つ車両として、特急用車両と通勤用車両の中間に位置する5200系を急行用車両と位置付けている。5200系登場以前は4扉ボックスシートの2600系・2610系・2680系電車を長距離急行専用車両としていたが、5200系登場後はロングシートに改造され、改造後もトイレが設置されていることから現在でも長距離急行系列車に充当される。この他にもデュアルシート車(L/Cカー)である2610系・2800系・5800系・5820系も実質上の急行用車両とされるが、こちらは通勤形車両の一種として解釈されている。他にはトイレ付きのチョッパ制御車両の1400系統を急行用車両として位置付けている。 <京阪電気鉄道> 2+1配列の3扉転換セミクロスシート車として製造された3000系(2代目)が中之島駅 - 出町柳駅間を結ぶ快速急行・通勤快急に平日本線系統の約70%と、土・休日の全便で運用されているため、同形式は「快速急行用車両」としてタイプ2に位置づけられ、「コンフォート・サルーン」と呼称されていた。しかし2011年5月28日のダイヤ改正で快速急行の運行が大幅に削減され、現在では料金不要の特急を主体とした運用に変更されている(2020年度以降6号車をプレミアムカーに差し替える予定)。 <西日本鉄道> 3扉転換セミクロスシート車の3000形が日中の急行運用の大半に就いているため、実質的な急行用車両であったが、2扉転換セミクロス車の8000形で運転される特急を補完する立場にある点からも、2011年のダイヤ改正以前の京阪と類似した運用方針がとられていたが、実際の運用ではラッシュ時には普通運用に就く場合もあり、その後も特急車であった8000形を置き換えたことから現在では特急から普通に至るまで種別を制限することなく運用している。なお、西鉄では本形式を通勤車両に分類している。それ以前は元特急車である2000形が実質的な急行専用車となっていた。なお、初代特急車である1000形は、当初急行専用車として登場し、急行の特急格上げによって特急車となった経緯がある。 <名古屋鉄道> 名古屋本線の全区間並行する東海道本線への対抗策として、同線の特別料金不要の特急に相当する高速(現在は消滅)・急行用に1986年から1989年にかけ、2ドアセミクロスシートの5300・5700系が投入された。1990年代前半までは、この2形式および、1975年までは着席通勤と優等列車への運用に視野に入れて伝統的に転換クロスシート車が導入され、登場後しばらくは特急で使用され、後続車の増備につれて高速や急行にも多用され、次第に広汎に運用されるようになっていた。2ドア転換クロスシートの5500系・7000系・7500系・7700系が同社における実質的な急行形車両といえた。しかし、その後は、2ドアセミクロスシートの車両は造られず、本線系統向けの一般車両は3代目3300系など、3ドアの通勤形車両のみを製造するようになったこと、これら3ドア通勤形車両の大量増備により、2ドア車のうち、経年の高い車両の置き換えが進んだ結果、本線系統の一般用では3ドア車が主流となり、それらは急行にも普通にも幅広く使用されていること、2ドアであるが故にラッシュ輸送に不向きであることなどの理由により、現在ではこれら2ドア車が普通列車に使われる事も多くなり、また平日日中には名鉄名古屋駅 - 河和線・知多新線方面の全車一般車特急の運用が中心となっており、種別を問わず広汎に運用されている。なお、名鉄では料金不要車両は一般車と呼称している。 近鉄5200系 京阪3000系(2代目・登場時) 西鉄3000形 名鉄5700系
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