優等列車(特急・急行、長距離)用旅客車
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/11 22:17 UTC 版)
「旅客車」の記事における「優等列車(特急・急行、長距離)用旅客車」の解説
詳細は「特急形車両」および「急行形車両」を参照 優等列車(特急)用旅客車の一例、JR西日本683系の普通車車内 優等列車(急行)用旅客車の一例、日本国有鉄道12系の車内 優等列車(特急・急行)用旅客車は、長距離を運行し主要駅のみに停車するような、特急や急行列車に用いるための旅客車である。日本国有鉄道(国鉄)では特急用と急行用では接客設備に格差をつけていたが、1970年代に急行用に分類される車両の製作を終了したため、1970年代後期以降は急行列車にも特急用車両が充当される事例が増加した。 優等列車(特急・急行)用旅客車では、長時間を車内で過ごす旅客のために内装の快適さに意が用いられており、また鉄道事業者の看板ともなる列車であるため外観の意匠にも配慮がなされているのが通常である。 通常、固定式クロスシートや回転式クロスシートなど、進行方向またはその逆方向を向いて座ることのできる座席が用いられる。背もたれを倒すことのできるリクライニングシートも新しい車両を中心に多く見られる。なお、立席での乗車は通常想定されない。個室を設けていることもある。 日本や北アメリカ、アジアでは、座席を回転させることで常に列車の進行方向を向いて座ることのできる回転リクライニングシートが広く普及している。これに対してヨーロッパでは、進行方向を向くことにそれほど拘りがなく、常に一方向を向いている座席が採用されている国が多い。これは座席を回転させるために座席そのものの座り心地を犠牲にすることを嫌ったからではないかと分析されている。しかしそのヨーロッパでも高速化や航空機との競争により乗車時間が短縮されてくると共に、回転式の座席が増えつつある。座席の方向が固定された車両を含む列車の終着駅での折り返しには、かつてはデルタ線を利用して列車ごと方向転換する方法も見られたが、手間が掛かることもあり廃れている。 車内にはトイレや洗面所といった長時間の乗車を想定した設備が設けられる。食堂車やラウンジといったサービス設備を持っていることもある。荷物の多い、あるいは大型の荷物を持ち込む旅客のために、荷物を置くスペースが特別に設けられていることもある。旅客の乗降は頻繁ではないので、ドアの数は少なく、1両の片側あたり1箇所から2箇所程度で、その幅も狭い。空調設備が完備されており、窓は居住性を高める目的で固定されており、開けられないものが多い。 夜行で運転される旅客列車も多くは特急・急行用旅客車を用いており、この場合寝台車も連結されることがある。
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