修学旅行先
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/11 06:50 UTC 版)
小学校 地元から比較的近い観光地への旅行が主流である。たとえば南関東ならば日光・那須・箱根・伊豆・新潟県・長野県などが多く、南東北や北関東、中部地方東部などからは東京や神奈川県(横浜・鎌倉・江ノ島)などに行く場合が多い。近畿地方や中京圏ならば奈良・京都・大阪・伊勢志摩・南紀が多い。集団での入浴を目的として温泉のある地域を選ぶ場合も多い。また、西日本・南日本では平和学習の一環として広島・長崎・沖縄へ行く場合も少なくない。 中学校 北海道の学校は道内の主要都市(主に札幌や函館)や、東北地方や中京圏の学校は首都圏へ、首都圏や中部地方東部、中国・四国地方の学校は近畿地方へ、西日本の学校は東日本へ行く場合が多い。 修学旅行での主な見学地としては、首都圏及び関東方面では、日光、皇居前広場・国会議事堂・羽田空港(以上1970年代)、東京ドームシティや東京ディズニーリゾートなどのテーマパーク、東京タワー・横浜みなとみらい21・東京スカイツリーなどのランドマーク、東京証券取引所・日本銀行本店といった日本の政治・経済・文化を象徴するスポットが多い。 関西では京都・奈良の法隆寺・東大寺・興福寺・薬師寺・清水寺・金閣寺・平等院・三十三間堂・京都御所・奈良公園などの仏閣や歴史的建築物が挙げられる。また、近年ではユニバーサル・スタジオ・ジャパンの開業に伴い大阪へ、あるいは防災学習を目的として阪神・淡路大震災の被災地である神戸へ行く学校も増えている。 私学では近年、航空機を利用して北海道や沖縄に行くケースも多い。北海道方面では、開拓初期の歴史的建造物(札幌市時計台、北海道庁赤レンガ庁舎、北海道大学構内など)やさっぽろテレビ塔、小樽運河、函館の元町地区、五稜郭、富良野・美瑛のラベンダー畑などが多い。 一方、物見遊山ではなく字義通り「学を修める」活動を主目的として、旅行先でフィールドワークや地域調査、取材活動等を行いレポートにまとめる活動をしている学校(筑波大学附属中学校や愛知教育大学附属岡崎中学校など)もあり、伝統ある形態が現在も受け継がれているところもある。 日本修学旅行会調べ:修学旅行先は、2019年度は1位京都、2位奈良、3位東京、4位大阪、5位千葉、6位沖縄、7位広島、8位神奈川、9位長崎、10位福岡、2020年度は1位京都、2位奈良・山梨、4位長野、5位北海道・三重、7位栃木、8位静岡、9位岩手、10位兵庫・長崎であった。 高等学校 公立・私立を問わず東京や近畿が長く主流だったが、近年は、自然体験や太平洋戦争の追体験を目的として、北海道・広島・長崎・沖縄などを旅行先として選択する学校が多い。また、四国や九州など雪のほとんど降らない地方では、体験学習としてスキー教室を実施している学校もある。 1990年代以降、日本国内だけではなく、ハワイ、アメリカ西海岸、英国、韓国、台湾などの日本国外への修学旅行も増えている。特に私立では、国外への修学旅行を学校の宣伝材料としている場合も多い。公立でも地理的に朝鮮半島に近い北部九州や山口県の学校では、韓国に行く学校も多い。 神社仏閣などは、特定の宗教に対する特別扱いではないかという意見もあることから、そういった場所を選択する学校は減少傾向にある。しかし、歴史を学ぶ目的や観光で訪れることが本当に特定宗教の特別扱いになるのかという点では反対意見もある。 中学校以上では、小グループによる官庁や出版社・新聞社、テレビ局などへの見学も行われるようになっており、それらを職場として理解する進路学習を目的とする場合が多い。また一部の高校では進学先理解のために大学や研究施設を見学先とする例もある。これらは主に大都市圏外の学校が大都市圏を見学先とする場合に多いが、逆に大都市圏の学校においては、農業などの大都市圏外の産業・社会・文化に理解を深めるために、遠隔地(たとえば東京周辺の学校において、東北地方北部などへ)の農業体験を行う例も存在する。 国際的な博覧会の開催年に修学旅行が実施される場合、その観覧がメインとなることも多い(1970年の大阪万博、1985年のつくば科学万博、2005年の愛・地球博など)。その場合、サブの見学地として会場周辺地域の観光地・産業施設などが充てられることも多い。 東日本大震災のような大規模災害が発生した後に、その被害・復興状況などを学習・体験するため被災地へ赴く学校もある(福岡県立修猷館高等学校)。 日本修学旅行会調べ:修学旅行先は、2019年度は1位沖縄、2位大阪、3位京都、4位東京、5位奈良、6位千葉、7位北海道、8位兵庫・長崎、10位福岡、2020年度は1位長崎、2位沖縄、3位広島、4位大阪、5位北海道・兵庫、7位福岡、8位京都、9位熊本、10位鹿児島であった。
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