伊園犯罪研究所および関係者
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/30 03:50 UTC 版)
「多重人格探偵サイコ」の記事における「伊園犯罪研究所および関係者」の解説
久保田 拓也(くぼた たくや) 本編前半の主人公「雨宮一彦/西園伸二」の肉体。多重人格者。 戸籍上の名前は「小林洋介」。この名は幼い頃、雨宮診療所で大量殺人事件が起こった時、救出される際に小林洋介と名乗った(小林洋介の人格と入れ替わった)ためである。研究機関「ガクソ(学窓会)」が雨宮診療所において「プログラム人格」に関する人体実験を行っていた際に実験体として使用された人物である。 物語の途中でジャンボ機ハイジャック事件に巻き込まれ、ガクソの工作員によって射殺された。 なお、劇中で久保田拓也の人格が発現したことは一度もない。 ガクソの実験のサンプルだという証拠である、バーコードの付いた左目の持ち主の一人。小林 洋介(こばやし ようすけ) 久保田拓也の主人格。警視庁捜査一課11係の刑事。自分が多重人格者であることに気づいていない。 恋人の千鶴子が猟奇殺人犯の島津寿によって両手両足を切断され、復讐のために彼を追うが、島津に自分が千鶴子の生命維持装置を切ったことを知られ、感情の爆発と共に人格が消滅し、「雨宮一彦」の人格が発現した。 雨宮 一彦(あまみや かずひこ) 本作の主人公。「小林洋介」消滅後の主人格。戸籍名・小林洋介として警視庁で猟奇殺人犯のプロファイリングに従事。 連続バラバラ殺人事件の捜査過程で犯人・島津寿に恋人の千鶴子が襲われ両手両足を切断されたショックで小林の人格が消滅したことにより発現した。 過去の記憶が無い。極めて理性的で冷静な性格で、無表情であることが多い。 別人格である西園伸二による島津寿殺害の罪を被って刑務所で服役。出所後は、そのプロファイリング能力に目をつけた伊園磨知に雇われ「伊園犯罪研究所」に勤めることになる。 その正体は、20年前の雨宮診療所で「ガクソ」により作られたプログラム人格。作られた目的はルーシー・モノストーンの再現であった。 他人へ人格を転移することができ、ジャンボ機ハイジャック事件の際、伊園美和が西園伸二から雨宮一彦の人格を奪い取る。その後、自分の身体の身を案じた伊園美和が西園弖虎に転移させた。西園弖虎に転移してからは主人格である西園伸二の裏に隠され、ほとんど発現することがなくなる。ガクソが最も重要視する存在。 西園 伸二(にしぞの しんじ) 久保田拓也(小林洋介)に内在する別人格。任意に出現できる。 小林洋介の恋人・千鶴子を襲い両手両足を切断した猟奇殺人犯・島津寿と対峙した際に発現した。 凶悪な人格で、頻繁に雨宮一彦の人格と入れ替わり、独自の行動をとる。 雨宮一彦が発現する前は、元の主人格である小林洋介を巧みに利用して、「多重人格探偵」として何でも屋まがいなことや、犯罪者になる欲望を持つ人間に犯罪者になるよう"背中を押す"仕事を生業としていた。 プログラム人格・雨宮一彦が作られた際に偶発的に覚醒した人格である。そのため、雨宮一彦の人格がないと存在を保つことができない。自分が生きるために必要な人格である雨宮一彦の人格を取り戻すため西園弖虎と対峙するが、その最中、ガクソの工作員に撃たれた久保田拓也の死と共に消滅。 西園 弖虎(にしぞの てとら) 本編後半の主人公。「ガクソ」が作り出した殺人マシンの少年。ガクソにより作られた第2世代の実験サンプル。 左目の眼球に「LUC-Y」のシリアルコードがある。凶悪な西園伸二の人格を有し、自らの人格を他人に転移することができる人格転移などの特殊な能力を持つ。 ガクソに命を握られ、操られていた時期もあったが、自らの意志で行動するようになり、ガクソに造反、敵対関係となる。雨宮一彦の人格を伊園美和から預かり、各方面から狙われるようになる。 ガクソが生み出した「ルーシー・モノストーン」のスペアであった。西園伸二(にしぞの しんじ) 最終的な西園弖虎の主人格。 鬼干潟龍夫が西園弖虎を覚醒させようとした際に発現した人格。殺人マシン。 久保田拓也が内包している西園伸二の人格とは別人格であるが、記憶を共有している描写があり、詳細は不明。 雨宮 一彦(あまみや かずひこ) 久保田拓也の肉体から伊園美和経由で転移された。西園弖虎の中で発現しないようにされていたが、最終的には西園弖虎(西園伸二)と共存することとなった。 伊園 磨知(いその まち) 精神科医。自分が雨宮一彦であると主張する小林洋介の治療を担当していた。 科捜研でプロファイリングの研究に従事していたが、雨宮のプロファイリング能力を見出し、雨宮の出所に合わせる形で警察を退職して私設の犯罪研究所を開設、雨宮を研究員として受け入れる。精神科だけでなく法医学の単位も持つ。 実は、ガクソが雨宮一彦の監視役として作ったプログラム人格であった。 ガクソのメンバーである別人格“伊園若女”に主人格を奪われるも、脳内に自我が僅かに残っており、西園弖虎と伊園美和の手によって解放される。その後、伊園若女の人格を葬るため、身体のコントロールを取り戻し、自死した。伊園 若女(いその わかな) 磨知の中に潜む別人格。ルーシー・モノストーンの娘。ガクソのメンバー。 磨知に気付かれずに任意に出現できる。主人格として覚醒した後、雨宮一彦の人格を巡り西園弖虎と対立することになる。物語終盤、伊園若女もまた本当の人格ではないことが明らかになった。 伊園・アリワン・美和(いその・アリワン・みわ) 磨知の異母妹。女子高生。右目の眼球に「LUC-XX」のシリアルコードがある。 実はガクソが生み出したルーシー・モノストーンの片割れ「XX」で、ルーシー・モノストーンの魂を復元するために必要なデータの半分を持つサンプル。擬似人格を植え込んで他人を操る特殊な能力を持つ。 ガクソの意図に反して雨宮一彦の人格と自身の人格を補完するためジャンボ機ハイジャック事件を起こすが、雨宮一彦の人格を西園弖虎に転移させた後、植物状態となる。 No.11にて伊園若女の指示の元、ロリータ℃の人格を手にしている。また、No.6では、眠っている状態の伊園美和にロリータ℃へ語りかける声が聞こえている。 物語終盤、植物状態の伊園美和の人格を西園弖虎が自身に転移させ、肉体を殺害。西園弖虎と行動を共にする。伊園若女と対峙し、戦いの中で人格は消滅した。 伊園若女のスペア。 笹山 徹(ささやま とおる) 警視庁捜査一課11係(猟奇犯専門)の係長の刑事で小林洋介の上司。 小林洋介(雨宮一彦)の服役後も、雨宮一彦のことを心配して何かと伊園犯罪研究所に顔を出していた。物語当初はふざけた行動が目立っていたが、ガクソの陰謀に足を踏み入れたことで、西園弖虎の中に隠された雨宮一彦の代わりに事件の真実を突きとめる大きな役割を担うことになる。 常に脇役に位置し、誰も救えず何も変えれず、しかしそれゆえに常に生き残り真実を見つめ続ける宿命を背負っている。 「多重人格探偵サイコ」を始めとする「笹山徹サーガ」の重要人物。 渡久地 菊夫(とぐち きくお) フリーのジャーナリストでありカメラマン。左目に眼帯をしている。 雨宮たちの周りに起きる事件を嗅ぎ回っている。ガクソと繋がりがあり、ガクソの指示で雨宮一彦を監視していた。自身の病気や恩人である桐生勇吾の失落、全一による尻尾切りなどで不満が積もり自暴自棄になり、過剰な自己顕示欲から都庁ジャックを決行し、無差別大量殺人を犯すが、全一に銃で撃たれて死亡。 左目にはバーコードが付いていたが、戦場カメラマン時代、海外の戦地で目をくり抜かれる。 仔池 続(こいけ しょく) ガクソから離反した男性。ルーシー・モノストーンの甥。 他人の視覚情報を書き換えることができ、鬼頭日明を装い日本に入国。清水義秋の手引きで伊園磨知と合流し、伊園犯罪研究所の職員となる。 その目的は、西園弖虎の中にある雨宮一彦を自身に取り込むことで完全なるルーシー・モノストーンになることであった。 伊園犯罪研究所を襲撃に来た西園弖虎から雨宮一彦を取り込むも、それはフェイクの作られた人格であり、西園弖虎に射殺される。
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