主な改造内容
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/01 23:30 UTC 版)
「国鉄413系・717系電車」の記事における「主な改造内容」の解説
新製車体は既に地方都市圏向けに製造されていた417系・713系と設計思想を同一とする以下の構造である。 客用扉は1,300 mm幅ステップ付両開扉を片側2ヶ所に設置し、デッキを省略。 戸袋部分のガラスは熱線吸収ガラスとしカーテンを省略。 座席は客用扉付近は他系列の廃車発生品を改造したロングシート 他は種車の窓側肘掛を撤去した上で流用するボックスシートとしたセミクロスシート配置 荷棚も種車から再用しているためロングシート部のつり手の取付方法が従来の近郊形と異なる。 運転室は415系500番台を基本とした貫通形高運転台構造だが客室との仕切窓を大型化。 戸閉回路は417系同様に編成中の任意運転台から操作が可能な自動・半自動切替式。 台車中心間距離は717系200番台・900番台を除き、先頭車も含めて417系同様の13,800 mm。 床厚さを種車の70 mmから25 mm薄い45 mmとした結果、床面高さも種車のレール面上1,225 mmから713系同様の1,200 mmに変更 九州地区向け717系200・900番台を除き寒冷地向きとした以下の対策を施工。 ロングシート客用扉寄にアクリル防風板が付いた袖仕切りを設置。 Mc車・M'車の1・4位側に115系(1000番台)と同じ主電動機冷却風を取り入れる簡易形雪切室を設置。 一方でコスト低減の観点から、機器類は種車からCS15系主制御装置などの電気部品やDT32・TR69系台車など再用のほか、検修予備部品や他系列の廃車発生品を流用する反面、一部部品は新品を使用するなど省力化も図られた。 主変圧器は、413系及び717系0・100番台では絶縁油に毒性の強いPCB(ポリ塩化ビフェニル)を使用するTM14形主変圧器が搭載されていたため、改造時にシリコーン油を使用するTM20形への交換が施工され、商用電源周波数50 / 60 Hz両用車となった。 3両編成を組成する413系及び717系0・100番台では、本系列化時に種車での電動発電機(MG)が制御電動車(Mc)搭載補助電源用20 kVAと制御車(Tc)搭載冷房電源用110 kVAの分散方式から、制御車搭載MG1基への集約化が実施された。 電動車ユニットの種車が451・471系の場合は、性能統一の観点から主電動機を定格出力100 kWのMT46形から、定格出力120 kWのMT54形への交換も同時施工した。 ただし、1988年(昭和63年)2月改造のクモハ413・モハ412-8は、部品需給の都合からMT46形搭載で落成し、1991年(平成3年)7月30日に松任工場でMT54形への交換を施工。 また、サービス向上の観点から、冷房装置ならびに車体側面にサボ受けだけでなく電動式行先表示器を搭載した。 冷房装置はベースとなった417系では準備工事で落成。後に全車AU75形集中式冷房装置を搭載したが、本系列は九州地区向け717系200・900番台を除き廃車発生品のAU13E形分散式冷房装置・AU72形集中式冷房装置の再利用により冷房車で落成した。ただし前者は急行形時代から1基増設の6基とし、能力増大を実施。後者は室内側のダクトを一体化した平天井構造に変更された。 側面行先表示器を落成時から搭載したのは仙台地区向け717系0・100番台のみで、他地区向けはクモハ717・716-207を除き準備工事とされた。 結果としてラッシュ時の乗降性を高め、当該区間の近郊輸送に対する改善が図られた。
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