ライラック(リラ)の花言葉
日本ではライラックは「紫丁香花(ムラサキハシドイ)」とも呼ばれる。その名の通り、ライラックは青みがかった淡い紫色のイメージで想起される。なお「ライラック(lilac)」という名も、中東あたりの言語で「青い」「青みがかった」という意味の「lilak」を語源とするとされている。
ライラック(リラ)の花言葉の由来
ライラック全般に共通する花言葉は「友情」「青春の思い出」「謙虚」「純潔」である。若者の青春や初めての恋、そして長年の親友、などを連想させる言葉が多い。ライラックの葉の形がハートに見えることや、フランスにおいてライラック(「白いリラ」と呼ばれる)が青春の象徴とされていること、などの要因が花言葉のイメージに結びついていると考えられる。
ライラック(リラ)の英語の花言葉
英語圏におけるライラックの花言葉は「誇り」や「美」などである。#ライラック(Lilac)全般の花言葉
「pride(誇り、自尊心)」「beauty(美、美しさ)」
#紫色のライラック(Purple Lilac)の花言葉
「first love(初めての恋)」「first emotions of love(恋のめばえ)」
#白色のライラック(White Lilac)の花言葉
「youthful innocence(若者の純潔・純真)」
ライラック(リラ)の色別の花言葉の解説
ライラックの花言葉は、花の色によって細かく違っている。#「紫色のライラック」の花言葉の由来
紫のライラックは「初めての恋」「恋のめばえ」といった、初々しくもロマンティックな花言葉が与えられている。ライラックの葉がハートの形に似ていることがその由来となっている。紫はライラックを代表する色であるため、西洋の人々がライラックに対して、基本的に恋愛のイメージを持っていることが伺える。
#「白色のライラック」の花言葉の由来
白いライラックは「無邪気」「青春の喜び」「若者の純潔・純真」といった、フレッシュ感や純粋さを思い起こさせる花言葉を持っている。けがれのない、白く小さな花が密集して爽やかに咲いている様子が、純真な心を想起させるからというのが由来。フランスでは、白いリラ(ライラック)は青春のシンボルとされている。
#「ピンク色のライラック」の花言葉の由来
ピンクのライラックは「思い出」という花言葉を持っている。ピンク色の華やかなライラックが豊かに咲き誇っている様子が、たくさんの女性が集まって、思い出話に花を咲かせている姿を連想させることが由来とされている。『エスタースターレ』や『ティンカーベル』といった品種が有名で、これらは長年にわたる友人同士が、その友情の証として贈りあうことが多い。
#「赤色のライラック」の花言葉の由来
赤のライラックは「愛のめばえ」という花言葉が与えられている。ここまでに解説してきた紫・白・ピンク色のライラックの花言葉に比べると、少し大人っぽいイメージの花言葉であるが、その由来ははっきりしていない。しかし、燃えるような色をした花弁が密集し、ゴージャスに咲き乱れる赤いライラックは、「愛のめばえ」を体現していると言って過言ではない。スタンダードな紫のライラックと比べると、情熱的な印象は強いと言える。
#その他のライラックの花言葉
色ではないが、八重のライラックは「控えめで優しい女性」という花言葉を持つ。また、野生種のライラックは「謙遜」「謙虚」という花言葉が与えられている。
ライラック(リラ)の花の数における花言葉やジンクスの解説
薔薇やひまわり、百合などは、花の本数が違えば花言葉の意味も変わってくるが、ライラックは花(房)の数によって花言葉が変化するといったならわしは存在しない。しかし、花弁の数においては次の様な言い伝えがあり、昔からヨーロッパでは「恋のおまじない」として親しまれている。ライラックの花弁というのは通常4枚であるが、ごくまれに5枚の花弁を持つものが見つかることがある。このような珍しいライラックは「ラッキーライラック」と称されている。ラッキーライラックを見つけた者は、愛する人と永遠に幸せに暮らすことができる。しかし、家族や友人など、自分以外の人にラッキーライラックを見つけたことを知られてしまうとその効果がなくなってしまう。そのため、ラッキーライラックを見つけたら誰にも知られずに、こっそり花を飲み込んでしまうのが良いのだとされている。
ライラック(リラ)の怖い花言葉や不吉なイメージとは
ライラックの花言葉は「初めての恋」や「青春の喜び」、「友情」など、そのほとんどがポジティブなイメージのものばかりであり、怖い意味の花言葉というものは存在しない。しかし、その反面、イギリスの一部地域では、ライラックに関するネガティブなジンクスが存在する。そのジンクスとは、次のようなものである。
・白いライラックを身につけた女性は、生涯結婚指輪をはめることはできない(結婚できない)。
・フィアンセにライラックの一房を贈るということは、婚約破棄を意味する。
・紫のライラックは縁起が悪いので、家の中に持ち込んではならない(もし持ち込んでしまった場合は、目立たない場所に置いておく必要がある)。
このように、白いライラックは未婚の象徴であったり、紫のライラックは「婚約を破棄する花」「縁起の悪い花」という意味合いを持っている。
上記のような不吉な言い伝え、ジンクスが存在する背景には、イギリスの一部地域に伝わる昔話が大きく影響しているだろう。それはこのような話だ。古い時代のイギリスで、庶民の娘が貴族階級の青年と出会い、身分違いの恋に落ちてしまった。そして、ついには婚約したものの、貴族の青年は都会の女性へ心変わりしてしまい、婚約は破棄されてしまう。これが初恋だった娘は心を深く傷つけられ、自ら命を断つことに。亡くなった娘の墓前に、友達は紫のライラックを供えた。するとその翌日、供えた紫のライラックは色が変わっており、白いライラックになっていた。
こうしたエピソードがあるイギリスでは、「初めての恋」や「無邪気」、「青春」など、喜びや輝きに溢れているライラックの花言葉が、どこか虚しいものに感じられるという人もいるだろう。エピソードの最後にあった、花の色の移ろいと同じように、人の心も容易く移り変わってしまうものなのだという教訓とも受け取ることができる悲しい話である。
また、ライラックの代表的な色である「紫」は、イギリス人にとっては昔から「悲しみ(涙)を表現する色」として根強く認識されていた。そのため、紫色のものを家の中に持ち込まないようにしたり、身につけないようにするという風習が元々あるのだという説もある。こういった風習が土台にあり、その上さらに先程の昔話も合わされば、イギリス人にとってはライラックがあまり良くないものとして考えられるのも当然かもしれない。
イギリス以外の国ではそのような言い伝えは存在しないため、上記のようなイギリスの一部地域におけるネガティブなジンクスは、日本などではあまり気にする必要はないと思われる。しかし、イギリス人にライラックを贈りたい場合は、風習や伝承などによって不吉なジンクスが存在することを尊重し、花の色や贈る形式などをよく検討した方が良いだろう。
※ 花言葉の内容は諸説あります。
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