マイケルのパート
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/21 00:46 UTC 版)
「ゴッドファーザー PART II」の記事における「マイケルのパート」の解説
1958年。父ヴィトーの跡目を継ぎ、ニューヨーク五大ファミリーのドンたちの暗殺によって裏社会の強力な権力を得たマイケル・コルレオーネは、ネバダ州に本拠を移していた。タホ湖の湖岸にある邸宅では息子アンソニーの初聖体式を祝う盛大なパーティーが開かれており、組織の古参ピーター・クレメンザ亡き後に、彼のニューヨーク(NY)の縄張りを継承したフランク・ペンタンジェリも来ている。ペンタンジェリはNYの縄張りを巡って同じくクレメンザからその一部を譲り受けたと主張するロサト兄弟と対立しており、その解決をマイケルに頼む。しかし、ロサト兄弟の後見にはユダヤ系マフィアの大物でヴィトーの盟友であったハイマン・ロスがおり、事を荒立てたくないマイケルは我慢するように言う。その晩、マイケルは妻のケイと共に就寝中のところを、寝室の窓の外から銃撃を受ける。 犯人の正体はわからないが、身近な者が関わっていること、またNYの件と関係があると見たマイケルは、本拠を義兄弟で組織の弁護士であるトム・ヘイゲンに任せ、マイアミにいるロスの邸宅に赴く。マイケルは父の代から続くファミリーとロスとの長年の協力関係を強調した上で、自分を襲撃させた犯人はペンタンジェリだと告げ、彼を粛清することで合意する。次にその足でブルックリンに赴いたマイケルはペンタンジェリと会見し、事件の黒幕はロスだとわかっていると告げた上で、彼を油断させるためにロサト兄弟と会談して欲しいと依頼する。マイケルの希望に従い、ペンタンジェリはロサト兄弟との会談場所に赴くが、兄弟に裏切られてガロットで首を絞められる。争いの音を聞き現場に駆けつけた警察によってペンタンジェリは助かるが、自分はマイケルに裏切られたと考える(ただし、表向きペンタンジェリの生死は不明となる)。 1958年末、マイケルはロスの誕生日パーティーが開かれるキューバのハバナへ向かい、多くの者たちと共にロスと会見する。その頃キューバではアメリカの支援を受けるバティスタ政権とカストロ率いる反政府ゲリラによる紛争が起きており、マフィア達は反政府ゲリラが勝ち、キューバ利権が失われることを危惧していた。遅れてマイケルの兄フレドがハバナへと到着し、マイケルはフレドに自分を殺そうとしているのはロスで、間もなく暗殺することを伝える。マイケルとロスは改めて会見し、マイケルはペンタンジェリを襲撃したのは誰か問い詰めるが、ロスは動じることもなく、逆に自身が目をかけていたモー・グリーンを殺し、その利権を奪い去ったマイケルを非難する。また、マイケルはフレドの失言によって、彼がロスの内通者だったと知り、激怒する。 マイケルは手下にロスとその側近ジョニー・オラの暗殺を命じ、オラは殺されたがロスは発作を起こして病院に運ばれ、辛くも暗殺の手を逃れる。さらに1959年の新年パーティーの最中、政府高官が反政府ゲリラが政府軍に勝利したことを出席者達に知らせ、一転して場はパニックに陥る。マイケルも他の多くの客と同様にハバナから離脱しようとするが、同行することを拒否したフレドは一人で逃走する。タホ湖の邸宅に戻ってきたマイケルはトムから報告を受け、ロスはキューバを脱してマイアミで静養中であること、フレドはおそらくNYに潜伏していることを伝える。さらにケイが流産したことを教えられ、マイケルはショックを受ける。 ロスの差し金により、連邦議会上院で組織犯罪に対する特別委員会が開かれることとなり、表向き実業家となっているマイケルが告発される。委員会側ではマイケルに裏切られたと勘違いし、組織の内幕をよく知るペンタンジェリが告発の証人になろうとしていた。マイケルは公聴会にて五大ファミリー暗殺などの厳しい質疑を受け窮地に立たされるも、トムと相談し、弱みを握るギアリー上院議員の反対演説などで巻き返していく。そしてペンタンジェリの証言日、マイケルはペンタンジェリの兄をシチリアから呼び寄せ、人質にしていることを暗黙に示し、土壇場でペンタンジェリは証言することを拒否する。 一方、マイケルはケイから子供を連れて出て行くと伝えられる。突然の出来事に驚き狼狽するマイケルに対し、ケイはもはや裏社会のドンとして非情な手段でのし上がるマイケルについていけなくなったこと、さらに流産の真相が堕胎であったことも明かす。激怒したマイケルはケイを殴りつけ、子供は渡さないと言い放つ。結局、マイケルは子供たちの親権は自分に残したままケイと離婚し、彼女を冷たく家から追い出す。 家族のために行動しているのに、次々と家族を失っていく事態にマイケルは母に、父はなぜ家族を守れたのかと問う。その母も間もなくして亡くなり、その葬儀には疎遠になっていた妹コニーやフレドも参席する。コニーと和解したマイケルは、彼女の願いでフレドの帰参も許す。そして互いに抱き合うが、マイケルはフレドの頬にキスをしながら腹心のアル・ネリに意味深長な目線を投げる(死の口づけ)。 窮地を脱したマイケルは今回の出来事についてすべて精算することをトムに告げる。まずトムは、連邦政府に保護され刑務所で特別待遇を受けるペンタンジェリに面会に行き、残された家族を守るためには自殺が最善だと仄めかす。その言に従いペンタンジェリは浴室で手首を切り自殺する。次にイスラエルへの亡命を企てるも失敗しアメリカに戻ってきたロスは、空港にて記者に変装したロッコに射殺される(また、ロッコはその場で射殺される)。最後に、アル・ネリと共にボートで湖に出ていたフレドは、釣りの前の祈りの最中に彼に射殺される。湖畔に響く銃声を聞くマイケルは、一人、1941年の父の誕生日に兄弟たちが集まった時のことを思い浮かべる。日本との戦争が始まり、マイケルは兄弟に軍に志願したことを打ち明け、長兄ソニーが反発する中、フレドだけはその選択を支持する。 抗争に勝利するも家族の大半を失ったマイケルが庭で虚ろな表情を浮かべるシーンで映画は終わる。
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