プロ解禁
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2016年6月1日、臨時総会を開き、リオデジャネイロオリンピックからプロボクサーの参加を認める決定を下した。リオで実施される28競技の中で、プロ選手の参加を認めていなかったのはボクシングだけであった。 2016年9月30日、リオデジャネイロオリンピックのボクシング競技において、一部の試合の前に審判会議でどちらの選手が勝つべきかが指示されていたなど、不正に試合結果を操作する仕組みが存在したことを独立調査チームが発表した。報告書では、レフェリーや採点担当のジャッジを管轄する委員会が不正を主導したと指摘。リオオリンピックの出場枠を争う予選は「腐敗と操作のための練習場だった」とし「不正の種は何年も前、少なくとも2000年以降のオリンピックからまかれていた」と断じた。この調査結果により、八百長・買収疑惑で36人の関係者やレフェリーが資格停止となった。 2017年11月20日、2006年からAIBA会長を務めていたが、多数のAIBA理事から財務不正や不正経理など規約違反をしているとの申し立てを受け、調査のため暫定的に資格停止となっていたAIBA会長の呉経国(ウー・チンクォ)が辞任を表明した。 2017年12月、IOCはAIBAの組織運営に、財政、ガバナンス、倫理および審判の分野における深刻な問題があるとして監視を開始。 2018年11月30日、米財務省から麻薬売買などを手掛けるロシア系国際犯罪組織の関係者と指摘されるガフール・ラヒモフが前月にAIBAの新会長に選出されたことに加え、AIBAの組織運営に依然として懸念が残されているとして、IOCは、東京オリンピックへ向けた、AIBAと東京五輪組織委員会の接触、チケット販売、テスト大会の計画や競技スケジュールの最終決定を凍結するよう命じ、調査結果によってはAIBAの「(国際競技団体としての)認可を取り消す可能性」も示唆した。 2019年3月23日、ガフール・ラヒモフがAIBA会長からの辞任を表明した。 2019年3月29日、ロシア・ボクシング連盟の事務局長を務めるウマル・クレムレフがAIBAが抱えている1600万ドル(約17億7000万円)の負債を肩代わりすると表明した。
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プロ解禁
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「2016年リオデジャネイロオリンピックのボクシング競技」の記事における「プロ解禁」の解説
2016年6月1日、国際ボクシング協会 (AIBA) は、臨時総会で賛成88票、反対0票、棄権4票という圧倒的な支持でプロ選手のオリンピック参加解禁を決定した。リオオリンピックで実施される28競技のうちプロ選手の参加を認めていないのはボクシングだけという事情もあり、「オリンピックにトップ選手を出場させてこそ、本当の戦いが見られる」というAIBAの呉経国会長の主張が受け入れられた形になった。しかしプロ側はこの決定に大きな反発を見せた。大物プロモーターのボブ・アラムはプロとアマが対戦すれば「冗談じゃないくらいの大けがにつながる」と実力差のある対戦によって事故が起こることを危惧し、「狂気の沙汰だ」と批判をした。またアラムは、リオオリンピック本番の2カ月前の6月にプロ解禁が決定したことを問題視し「あいつら狂っているんじゃないのか」と憤慨、「AIBAは競技のすべてを牛耳りたいんだ。プロボクシングが大金を生むことに気づいたのだろう」と背景に大金を稼ぐプロを招くことによって、そのおこぼれにあずかりたいという考えがあると指摘し、AIBAはアマに留まるべきだと懸念を示した。プロ選手からも、「オリンピックボクシングはアマチュアのためのもので、アマチュアが目指すことのできる最高峰だ。そこで突然ウラジミール・クリチコのようなプロの世界王者で経験豊富な選手が、18歳の10戦しか試合をしたことのない選手と対戦するのかい」(レノックス・ルイス)、「五輪のボクシングを金儲けのための場に変えるためのものだ」(マイク・タイソン)、「アマチュアとプロを戦わせるべきでない。フェアな戦いではないからだ。ヘッドギアの廃止は大きな間違いだ。ボクシングはより安全であるべきで商業主義のために彼らにダメージを負わせるな」(ラリー・ホームズ)、「プロ対アマはボクサーの紛れもない犯罪行為だ。若くて優秀なアマチュアボクサーの命とキャリアを危険に晒すことになる」(フリオ・セサール・チャベス)、「プロボクサーがオリンピック参加を認められることはおかしい。(プロとアマは)2つの異なるスポーツで、バドミントンの選手がテニスをするようなものだ。私がアマの選手だった頃よりAIBAはどんどん悪くなっている。信じがたいね。」(カール・フランプトン)など続々と反対の声が上がった。またプロの世界王座認定団体、国際ボクシング連盟(IBF)は、プロとアマによる試合には安全面にリスクがあり、プロボクサーのリオオリンピック出場はスポーツマンシップに反する行為であるとし、認定する王者が出場した場合、タイトルを剥奪すること及び王者でない選手が出場した場合は1年間ランキングから外すことを発表、世界ボクシング評議会(WBC)も同様の措置を取ることを発表した。
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