フリー‐クライミング【free climbing】
フリークライミング
概要
傾斜が緩ければ足だけでも登れますが、傾斜が増してくると、手を使わないと登ることは困難になります。ロッククライミングは、足だけではなく手も使い急峻な岩を登るスポーツです。 岩の凹凸を直接手足で保持して登ることをフリークライミングといい、クライミングの根元的なスタイルです(それに対し、人為的支点に体重をあずけて登ることをエイドクライミングといいます)。墜落時の安全確保のためにロープを使用することもありますが、人工的な手段を使わないことが前提ですので、自分の身体能力を駆使して登るほかありません。
ロッククライミングの対象は、そのスケールや自然条件によっていくつかのカテゴリーに分かれています。比較的規模の小さな岩場を登ることを“クラッグ(崖の意味)クライミング”といいます。小さい岩場では、大きな岩壁や山岳でのクライミングとは異なり、いかに急峻で手がかりに乏しくともフリークライミングで登るのが普通です。フリークライミングは本来スタイルを表す言葉ですが、日本の場合はやや他国とは異なる歴史的事情により、このクラッグクライミングを指してフリークライミングと呼んでいます。
フリークライミングの中でも、一般的には5m程度までの高さの岩をロープを使わずに登ることを“ボルダリング”と呼び、最近特に人気が高まっています。
フリークライミングは、日本では登山の一部門という認識がありましたが、1980年代後半以降、強固な確保支点の導入により安全性が高まったことと、それにともない“スポーツクライミング”と呼ばれるスタイルが普及した結果、登山とは一線を画したスポーツとしての色彩が強くなってきました。90年代以降は屋内に人工壁を設置した“クライミングジム”が各地に開設され、手軽に楽しめるようにもなりました。
競技種目
競技としてのクライミングは、国際的にはUIAA(国際山岳連盟)の一部門であるICC(国際競技クライミング評議会)がそのルールを定めています。
競技種目は、到達高度(距離)を競う『ディフィカルティ』、スピードを競う『スピード』、5m程度までの壁を使って複数のルート(プロブレム)を登り、完登したプロブレム数を競う『ボルダー』の3つがあります。通常これらの競技はすべて人工壁で行ないます。人工壁以外では公認された国際大会は実施できません。
『ディフィカルティ』は下からの安全確保を受けて、クライミングロープをルート中の支点に通しながら登る“リード”というスタイルで行ないます。与えられた時間内で、最終的に保持したホールド(手がかり)の高さで成績を決定します(通常は力尽きて墜落した時点で保持していたホールドとなります)。
『スピード』では上方から安全確保される“トップロープ”で、2本のルートの合計タイムを競います。予選は全選手が順番に登りますが、決勝では2名ずつ組になっての勝ち抜きトーナメントになります。
『ボルダー』ではロープは使用せず、落下した場合に衝撃を吸収するためのマットを下に敷きます。4~8本のプロブレムをそれぞれ与えられた時間内にいくつ登れたかを競います。登りきれない場合も一定の高さに達することができればそれがポイントになります。また、登りきるまでに要したトライ数もカウントされ、同じ完登数であればトライ数の少ない人が上位となります。
クライミングの競技化の始まりは旧ソ連で、現在のスピード競技の原型となるものが1950年代から開催されていました。その後、80年代にフランス、イタリアなどでディフィカルティ競技が実施されるようになり、さらに90年代後半に、ボルダー競技の国際ルールが規定され現在に至っています。
フリークライミング
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/20 22:59 UTC 版)
フリークライミングとは、岩登りの内、安全のため確保用具は使用するが、それに頼ることをせず、自己の技術と体力で岩を登るものを指す。[要出典] 登りきった結果、確保用具を使用しないで登ったのと同じなので「フリー」の名が付く。
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- ^ PATAGONIAによる倉上慶大の紹介
- ^ CLIMBING-NET「清水裕登、備中の”空” 5.14bを完登」
- ^ CLIMBING-NET「杉野保、城ヶ崎で事故死」
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- ^ 吉田和正、肺ガンで死去
- ^ ソレイユクライミングクラブ、吉田智音 成果まとめ
- ^ CLIMBERS、渡辺数馬の紹介(岩場をメインに、ルートセッターとしても活動)
- ^ “大場 美和”. 株式会社スポーツビズ. 2023年1月3日閲覧。
- ^ TARZAN「クライマー・野中生萌が語る“外岩ボルダリング”の魅力」
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フリークライミング
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/03 07:59 UTC 版)
「エル・キャピタン (ヨセミテ)」の記事における「フリークライミング」の解説
2018年、アレックス・オノルドが、命綱も安全装置も使わないフリークライミングで登頂に成功。
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フリークライミング
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/16 05:51 UTC 版)
「アルパイン・クライミング」の記事における「フリークライミング」の解説
近年では、登る手段の基本はフリークライミングである。積雪期は「アイゼン手袋」の状態で登られることが多い。
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フリークライミング
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/04 02:18 UTC 版)
1986年 Golden Beaver(5.12c) アリゾナ マウントレモン【リードで初登】 1988年 Stingray(5.13d) ジョシュア・ツリー【初登】 1988年 Grand Illusion(5.13b/c) レイクタホ【レッドポイントでの初登】 Star Wars Crack(5.13a) レイクタホ【初登】※Star Wall Crackという名前が正しいという説もある。 Crimson Cringe(5.12b) ヨセミテ Hang Dog Flyer(5.12c) ヨセミテ Tales of Power(5.12b) ヨセミテ Cosmic Debris(5.13b) ヨセミテ 1984年 Sphinx Crack(5.13b) コロラドスプリングス
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フリークライミング
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/02 03:03 UTC 版)
インドアクライミング用の、人工的な手掛かりを設定した壁面も人工岩や擬岩と呼ぶことがある。これは見た目のリアルさは求められておらず、用途・機能的には上記と全く異なる。
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