セスナ 206
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セスナ 206(Cessna 206)は、セスナ社が開発した6座席の単発プロペラ軽飛行機。
本項では、系列機であるセスナ 205とセスナ 207についても解説する。
概要


セスナ 205
セスナ 205は、セスナ C210に固定式降着装置を取り付けキャビンを6座席としたモデルで、当初はモデル 210-5と呼ばれていた。愛称はスーパースカイワゴン(Super Skywagon)。1962年1月15日に初飛行し、同年8月に機体の引き渡しが開始されたが、あまり人気を得ることができず、早々に改良型のセスナ 206に生産が切り替えられた。生産数は576機。
セスナ 206
1964年に登場したセスナ 206は、205のエンジンを強化し、尾翼やフラップの大型化、貨物ドアの追加などの改良を行ったモデルである。その後しばらくは汎用型のU206シリーズと旅客型のP206シリーズに分けられて生産され、前者は205と同様スーパースカイワゴンと呼ばれたが、後者はスーパースカイレーン(Super Skylane)という別の愛称が与えられた。
1971年に登場したU206Fからはステーショネア(Stationair)と愛称が変更され、少しずつ改良が加えられて現在も生産が続いている。生産数は6,500機以上。
セスナ 207
セスナ 207は、206の胴体を延長して7座席としたモデルで、1968年5月11日に初飛行した。愛称は当初スカイワゴン(Skywagon)だったが、後にステーショネア7に変更されている。1980年には8座席としたステーショネア8も登場している。1985年に生産終了。
派生型
- 206シリーズ
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- 206
- 205の改良型。エンジンをIO-520-A(285hp)に強化し、尾翼やフラップなどを改良。275機生産。
- U206
- U206シリーズ最初のモデル。162機生産。
- P206
- P206シリーズ最初のモデル。貨物ドアがなく、豪華な機内内装、先端が尖ったスピナー、スパッツ付きの車輪などが装備された。160機生産。
- U206A/P206A
- 改良型。U206Aは219機、P206Aは146機生産。ターボチャージャー付きTSIO-520-Cエンジン(285hp)搭載モデルはTU206A/TP206Aと呼ばれる。
- U206B/P206B
- 新設計の計器盤を採用。U206Bは258機、P206Bは113機生産。TSIO-520-Cエンジン搭載モデルはTU206B/TP206Bと呼ばれる。
- U206C/P206C
- 細部に改修が加えられた。U206CのみエンジンをIO-520-F(300hp)に変更。U206Cは319機、P206Cは100機生産。TSIO-520-Cエンジン搭載モデルはTU206C/TP206Cと呼ばれる。
- U206D/P206D
- U206C/P206Cからの変更点はほとんどなし。TSIO-520-Cエンジン搭載モデルはTU206D/TP206Dと呼ばれる。
- U206E/P206E
- 機首が下がったような形状になったが、P206EはP206Dと同じ形状が残されている。U206Eは243機、P206Eは44機生産。TSIO-520-Cエンジン搭載モデルはTU206E/TP206Eと呼ばれる。
- U206F ステーショネア
- 三翅プロペラの採用、主翼にキャンバー付き前縁の取り付け、着陸灯の設置、手荷物室の拡大などの改良が施された。1,820機生産。TSIO-520-Cエンジン搭載モデルはTU206F ターボ・ステーショネア(Turbo Stationair)と呼ばれる。
- U206G ステーショネア6
- 3,499機生産。コンチネンタル製TSIO-520-Mエンジン搭載モデルはTU206G ターボ・ステーショネア6と呼ばれる。
- 206H ステーショネア
- 現在生産中。エンジンをライカミング製IO-540-AC1A5(300hp)に変更。ターボチャージャー付きTIO-540-AJ1Aエンジン(310hp)搭載モデルはT206H ターボ・ステーショネアと呼ばれる。
- 207シリーズ
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- 207 スカイワゴン
- 206Dを元に胴体を延長した7座席型。362機生産。ターボチャージャー付きTSIO-520-Gエンジン(300hp)搭載モデルはT207 ターボ・スカイワゴン(Turbo Skywagon)と呼ばれる。
- 207A スカイワゴン/ステーショネア7
- より大直径のプロペラを採用。426機生産。ターボチャージャー付きTSIO-520-Mエンジン(310hp)搭載モデルはT207A ターボ・スカイワゴン/ターボ・ステーショネア7と呼ばれる。8座席型はステーショネア8/ターボ・ステーショネア8と区別される。
採用国(軍用)
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アルゼンチン
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ボリビア
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コロンビア
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チリ
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ジブチ
- 2024年時点で、ジブチ空軍が1機のU206Gを保有[1]。
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ドミニカ共和国
- 2024年時点で、ドミニカ共和国空軍が1機のセスナ206、1機のセスナ207を保有[2]。
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エクアドル
- 2024年時点で、エクアドル陸軍が1機のセスナ206を保有[3]。
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ガイアナ
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インド
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イスラエル
- 第100飛行隊で運用された。
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マダガスカル
- 2023年時点で、マダガスカル空軍が5機のセスナ206を保有[4]。
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メキシコ
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マレーシア
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パラグアイ
- 2024年時点で、パラグアイ空軍が2機のU206 ステーショネアを保有[5]。
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ペルー
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フィリピン
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スリナム
- スリナム国軍がU206を運用[6]。退役済み[7]。
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ウルグアイ
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ベネズエラ
諸元(U206G ステーショネア6)

- 全長:8.61 m
- 全幅:10.92 m
- 全高:2.83 m
- 翼面積:16.16 m2
- 空虚重量:860 kg
- 最大離陸重量:1,633 kg
- エンジン:コンチネンタル IO-520-F 水平6気筒ピストンエンジン(300hp) × 1
- 最大速度:290 km/h=M0.24(海面高度)
- 巡航速度:272 km/h=M0.22(高度6,500 ft)
- 実用上昇限度:4,510 m
- 航続距離:1,667 km
- 乗客:最大5名
- 乗員:1名
脚注
参考文献
- The International Institute for Strategic Studies (IISS) (2004-10-01) (英語). The Military Balance 2004-2005. Routledge. ISBN 0-19-856622-0
- The International Institute for Strategic Studies (IISS) (2024) (英語). The Military Balance 2024. Routledge. ISBN 978-1-032-78004-7
- 分冊百科「週刊 ワールド・エアクラフト」No.92 2001年 デアゴスティーニ社
外部リンク
セスナ 206
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1964年に登場したセスナ 206は、205のエンジンを強化し、尾翼やフラップの大型化、貨物ドアの追加などの改良を行ったモデルである。その後しばらくは汎用型のU206シリーズと旅客型のP206シリーズに分けられて生産され、前者は205と同様スーパースカイワゴンと呼ばれたが、後者はスーパースカイレーン(Super Skylane)という別の愛称が与えられた。 1971年に登場したU206Fからはステーショネア(Stationair)と愛称が変更され、少しずつ改良が加えられて現在も生産が続いている。生産数は6,500機以上。
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「セスナ 206」の例文・使い方・用例・文例
- 単一エンジンのセスナでは山脈を越えるのは不可能だ。
- セスナという小型飛行機
- ご注文番号はBXD-201206012254です。
- 議案は賛成 206 票反対 178 票で通過した.
- 中国を統治した王朝で(紀元前206年から西暦220年の大部分)、国境を広げ、官僚制度を作り出した
- 最初の中央帝政を確立し、万里の長城の多くを建設した中国の王朝(紀元前246年から紀元前206年までの)
- この副本は43万2000分の1の縮尺で,北海道(縦161センチ,横178センチ),東北地方から近畿地方(縦250センチ,横163センチ),中国地方から九州地方(縦206センチ,横162センチ)を扱った3枚で構成されている。
- 例えば,その部分には秦(しん)代(前221年~前206年)や漢(かん)代(前202年~後220年)に建造されたものが含まれる。
- オバマ氏は26州とコロンビア特別区で勝利を収め,選挙人332人を獲得した。一方,ロムニー氏は24州で勝利し,選挙人206人を獲得した。
- しかし,選挙人の数では,オバマ大統領が332人を獲得したのに対し,ロムニー氏は206人だった。
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