ゲームプレイの概念
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/21 15:00 UTC 版)
「メトロイドヴァニア」の記事における「ゲームプレイの概念」の解説
「メトロイドヴァニア」という言葉は、一般的には個別の部屋や区域がある、大規模で相互に接続された単一のマップを特徴とするプラットフォーマーゲームを指すことが最も多い。最初からすべての場所に入れるわけではなく、武器や鍵などのアイテムを入手したり、新たなキャラクターの能力を得て、行く手を阻む障害物を取り除く必要がある場合が多い。このアイテムはボスキャラクターが守っていることが多く、ゲーム中にストーリー性のあるチャレンジが用意されている。マップは直線的ではなく、ゲーム中に何度も縦断しなければならないことが多い。弱いモンスターはレベルの別の場所に生息しており、プレイヤーがその部屋に戻ったときに再登場し、倒すことで体力や弾薬、経験値を得ることができる。 大規模なゲームでは通常、セーブポイントが設置されていたり、マップ上の離れた場所にある特定の部屋の間を素早く移動できる機能があったりして、ゲームの後半で面倒な引き返しをしなくても済むようになっている。また、新たな能力を手に入れることで、移動時間を短縮する近道ができたり、キャラクターの能力を向上させるための秘密を発見したりすることができる。例えば、2段ジャンプや壁ジャンプの能力を手に入れれば機動力が増し、小さな物体に変身する能力を手に入れれば狭い通路をすり抜けられるようになる。このように、広いワールドマップを探索し、時間をかけてプレイヤーキャラクターの能力を高めていくことに重点を置いたジャンルである。そのため、メトロイドヴァニアは「プラットフォームアドベンチャーゲーム」と呼ばれることもある。 メトロイドヴァニアは、ゲームのレベルやマップが2次元の横スクロールになっていて、プレイヤーキャラクターがレベル内を左右上下に移動するものが一般的である。これらのゲームは通常、2次元グラフィックスを使用してレンダリングされるが、前述の『Shadow Complex』や『メトロイド ドレッド』のように、3Dグラフィックスエンジンを使用するがプレイヤーの動きを2次元に限定した2.5Dレンダリングのゲームも含まれる。メトロイドヴァニアの探索とキャラクター育成のコンセプトは、他のジャンルにも応用できるが、これらのゲームは通常メトロイドヴァニアには分類されない。例えば、『メトロイドプライム』3部作は、『メトロイド』と同じスタイルの探索プレイをベースにした一人称視点のアドベンチャーである。『DARK SOULS』は三人称視点のアクションロールプレイングゲームであるが、メトロイドヴァニアとは異なり、「soft lock[訳語疑問点]」と呼ばれる障害物が登場する。soft lockとは、プレイヤーキャラクターがゲームを始めたばかりの頃は、倒すのが難しいが不可能ではなく、経験や能力が上がるにつれて倒すのが容易になる、ボスキャラクターの形をした障害物のことである。また、三人称視点のアクションゲーム『バットマン:アーカム(英語版)』シリーズでも、バットマンが新しいガジェットを集めて新しいエリアにアクセスするという、メトロイドヴァニアと同様のコンセプトが用いられている。2017年に発売された『Prey(英語版)』は、一人称視点の没入型シム(英語版)として開発されたが、メトロイドヴァニアのレベルデザインのコンセプトを用いて、プレイヤーが追加の道具や能力を得ながら環境を何度も踏破することを求めている。 五十嵐は、自身がこのジャンルで重要な要素だと信じていることを説明した。具体的には、「探索性を重視しつつも、ゲームの大筋に沿ったマップをデザインすること」、「プレイヤーがゲーム内のどの位置にいるのかを常に把握できるようにすること」などである。こういったことは、ゲーム全体の世界観を表現した視覚的テーマ、ゲームの重要なポイントとなる視覚上特徴的なマイルストーン、全体的なマップとプレイヤーのステータス情報画面、マップ内を素早く移動する手段によって実現できる。PolygonのRuss Frushtickは、最近のメトロイドヴァニアの多くが、これらの特質を備えているだけでなく、必ずしもカットシーンや会話に頼ることなく、世界の環境を通じて物語を語る手段を見つけていることを観察した。 2007年にParish、Sharkley、WiredのChris Kohlerの3人が1UP.comで行ったビデオディスカッションでは、『ドラキュラII 呪いの封印』(1987年)、『ドラゴンスレイヤーIV ドラスレファミリー』(1987年)、『高橋名人の冒険島IV』(1994年)など、メトロイドヴァニアに関連する要素を持ちながら、真のメトロイドヴァニアとは言えない古いゲームについて議論した。このようなゲームは、2Dプラットフォームのゲーム性やパワーアップに基づく進行システムを備えているものの、当時のゲーム業界ではまだ洗練されていなかったレベルデザインが不十分であり、『呪いの封印』の暗号のようなヒントに代表されるように、次にどこに行けばいいのかをプレイヤーに伝える情報がほとんどないことが原因であるとしている。また、ゲームが2Dから3Dに移行したことで、3Dゲームではメトロイドヴァニアの一面が見えなくなり、メトロイドヴァニアの本来の意味が薄れてしまったという点でも、3人の意見は一致していた。
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