『人民憲章』とは? わかりやすく解説

『人民憲章』

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/03 08:18 UTC 版)

チャーティズム」の記事における「『人民憲章』」の解説

一方ロバート・オウエンは、様々な職種職人達を糾合して労働組合組織化手伝っていた。1834年には労働組合大連合(英語版)を発足させた。各地ストライキ支援し続けたが、その多く資本家によるロックアウト挫折していく。やがて、「大連合」の足並み乱れ始め戦闘的なストライキ試み組合指導者階級協調協同組合主義模索するオウエン立場隔たっていく。かくして大連合」は崩壊してオウエン主義後退生じるが、この間隙のなかで選挙法改正運動において次なる運動チャーティスト運動-が急激に浮上していく。 1836年恐慌際し、ヘザリントンとラヴェットをはじめとするロンドン指導者たちは6月6日集会開いたロンドン労働者協会英語版)(以下LWMAと略記) を設立した執行部声明出し、「イギリスには21歳上の男子が602いるうち、84万人にしか選挙権与えられていない」ことを指摘した。「将来奴隷制」(苦汗制度現代的にワーキング・プア)の根っこ存在していた腐敗した議会による支配構造合法的に断ち切って平等な社会実現させることを目標に、志ある人々結集呼びかけた。1837年5月31日6月7日にLWMAと急進派議員協議をし、綱領起草し議会提出することを誓約した。ラヴェットが草案書き著名な急進主義であったローバックとフランシス・プレイス手を入れたものを採択して1838年5月8日人民憲章 - 庶民院におけるグレート・ブリテンおよびアイルランド人々正しい代表を規定する法案』が発表された。憲章の六項目は以下のような内容である。 成人男子選挙権 秘密投票 毎年選ばれる一年任期議会 議員対す財産資格廃止 議員への歳費支給 十年ごとの国勢調査により調整される平等選挙1838年バーミンガム集会開催され各地代表団がこれに参加した。同集会では『人民憲章』を統一綱領改革運動結集する方法検討された。「国民資金」の名で寄付募って活動資金調達すること、そして、「国民請願」と呼ばれる署名運動推進し代表団選出して『人民憲章』を署名とともに議会提出しようとした。この大会チャーティスト運動正式な幕開けとなった。 『人民憲章』とその壮大な理想は、多く共感者を集めたチャーティスト弁士ジョゼフ・レイナー・スティーブンス(英語版) は社会の本来あるべき理想を以下のように語り、『人民憲章』獲得によってこれらの理想実現され労働者の「幸福」が成就されるであろう人々約束した。 「普通選挙問題は、日常生活上の問題である。普通選挙とは、国内労働者良い上着を着、快適な家を持ち食卓には良い食事を、健康を維持できる範囲仕事をし、人生恩恵十分に受けるに足る賃金を、仕事報酬として有する権利をもつことである。普通選挙によって、知識を頭に、原理を心に、気力良心に、力を右手にもち、労働者雇用主堂々と対立できるようになり、労働者工場にいるときでも、野原行った時のように自由な気分でいるのを見たい。」 かくして運動盛り上がり見せ各地運動家たちは各地集会選挙実施し54名の評議員選出し1839年2月4日代表者は「ジェネラル・コンベンション」(以下コンベンション略記)なる会合ロンドン開催した。これは単なる幹部会ではなくフランス革命の「国民公会」を模して招集されたもので、多くチャーティスト指導者にとっては「評議会であった。最も有力な指導者であったファーガス・オコーナー(英語版)は庶民院代わる唯一の代表機関人民議会」として位置づけていた。コンベンション庶民院革命脅威説き庶民院譲歩試みようとした。『人民憲章』の法制化要求する国民請願」を敢行する決議した。しかし、運動内部派閥形成されていた。

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