中小企業診断士 中小企業診断士の概要

中小企業診断士

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/09 09:33 UTC 版)

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中小企業診断士
英名 Registered Management Consultant
実施国 日本
資格種類 経済産業省登録制度
分野 経営・労務
等級・称号 中小企業診断士
根拠法令 中小企業支援法
ウィキプロジェクト 資格
ウィキポータル 資格
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制度の特徴

「中小企業支援法」に基づく国家資格[1]、もしくは国家登録資格[2]である。近年は資格認定試験ではなく、登録養成機関の認定履修方式による登録資格者が増加傾向にある(登録養成機関による認定者も1次試験は通過している必要がある)[3]

根拠法である「中小企業支援法」には、業務独占資格(資格がなければ業務を行ってはならない)とする規定はないが、「中小企業支援事業の実施に関する基準を定める省令」において経営の診断又は経営に関する助言を行うものとして中小企業診断士を指定しており[4]、政府および地方自治体が行う経営診断業務を行うものを登録する制度という位置づけになっている。また、中小企業指導法時代はあくまでも公的な診断業務を担うものという位置づけのみであったが、中小企業支援法として改正されたあとは、位置づけに変化が見られ、一定以上の能力を持つ民間コンサルタントを認定する制度という意味合いが強くなっている[5]

一方、法律上は名称独占資格(資格がなければ名称を使用してはならない)とする規定もないが、一般的には名称独占資格に準じる扱いを受ける場合が多い[6] 。これは法律上の規定がなくても国家登録資格である以上、経済産業省への登録を完了すれば、中小企業診断士の資格名称が担保されることからくるものと思われる。中小企業庁のウェブサイト内でも「中小企業診断士の登録を消除されたものは同資格を名乗ったり、名刺履歴書に記載することができなくなる」という趣旨の記述がある[7]

中小企業診断士の業務等

業務概要

前述のように経済産業省令で中小企業支援事業における経営診断又は助言を担うものとして規定されていることもあり、中小企業基盤整備機構商工会議所、都道府県等の中小企業に対する専門家派遣や経営相談、及びそれら中小企業支援機関のプロジェクトマネージャーの募集などには中小企業診断士が条件となっている場合がある。また、これら公的機関からの受注が仕事の柱になっている中小企業診断士も存在する。また、産業廃棄物処理業診断(産業廃棄物処理業者の許可申請に必要となる財務診断)における経理的基礎を有さないと判断する際の診断書の作成は、環境省の通達により中小企業診断士が行うことがほとんどであると考えられる。

位置づけとしては、国や地方自治体、商工会議所の実施する中小企業への経営支援を担う専門家としての側面と民間のコンサルタントとしての2つの側面を持つが、公的な仕事を中心とする診断士と民間業務を中心とする診断士に二極化する傾向があり、公的業務の割合が高い診断士4割程度、民間業務の割合が高い診断士が5割程度、両者半々等が1割程度となっている[8]

なお、社団法人中小企業診断協会が2005年9月に行った調査によると、中小企業診断士の業務内容の日数は、「経営指導」が27.5%、「講演・教育訓練業務」が21.94%、「診断業務」が19.69%、「調査・研究業務」が12.84%、「執筆業務」が11.56%となっている。

コンサルティング等の各種業務は中小企業診断士でなくとも行うことができる。しかし、診断士登録者には、国や都道府県等が設置する中小企業支援機関に専門家として登録の上で前述の公的な経営支援業務に加われること、経営コンサルタントとしての信用力が向上すること、中小企業診断士のネットワークを活用できることなどのメリットが存在する。

独立開業者の割合

中小企業診断士として独立している者の割合は27.6%(2005年12月時点)、登録者のうちの7割以上は独立開業を行わず、企業内にとどまる「企業内診断士」となっており、弁護士、税理士、不動産鑑定士などの他の士業と比較して独立開業する者の割合が低いのが現状である。また、定年退職まで企業内で勤務し、退職後に独立する「年金診断士」と呼ばれる者もいる。

これらの理由としては、中小企業診断士の試験内容が経営マーケティング全般におよび、ビジネスパーソンとしての資質向上に直結するため、自己啓発を目的とした登録者が多いこと、また業務の性質上、独立に際しては、相応の実践的スキルが必要になることなどが考えられる。前述した中小企業診断協会の調査でも、中小企業診断士の登録をした動機のトップは「経営全般の勉強等自己啓発、スキルアップを図ることができるから」となっている。また、「企業内診断士」が独立開業を行わない(独立開業を予定していない)理由として経済的不安とともに現在の能力不足が上位に入っている。
これらに続く理由として現在の職場に満足していることや、現在に比べて年収が低下することがあげられている。これは、中小企業診断士登録者は大企業勤務者も多く、独立した場合に年収が下がるケースが多いことも原因の一つである。

また実務上、税務相談・法律相談を受けることが多いが「企業内診断士」は銀行・信用金庫などの組織に所属する者が多いため、法律上のリスクがある場合は所属組織の顧問士業者に業務を委託することができるが、「独立開業者」の場合、実務上他の士業者の法律を侵さずに活動するためには、各士業者との連携をできる関係を構築する必要がある。

中小企業診断士の収入

前述の中小企業診断協会が行った調査によると、コンサルタント業務の稼働日数が100日以上の独立診断士の年収のボリュームゾーンは「501万円から800万円以内」(対象者の19.6%)となっている。なお、「3,001万円以上」を除いた平均は739.3万円である(コンサルティング関連業務のみの年収で他士業兼業者の書類作成・提出代行業務等は含まれない)。




  1. ^ 中小企業診断協会 中小企業診断士って何 (PDF)
  2. ^ 国が直接、または特別の法律により設立した民間法人(特別民間法人)に委託して試験認定する資格ではなく、登録資格と呼称される。
  3. ^ 費用的に高額になるため、すでに頭打ちとも言える。
  4. ^ 中小企業支援事業の実施に関する基準を定める省令”. e-Gov. 2020年1月18日閲覧。
  5. ^ 中小企業診断協会 中小企業診断士って何
  6. ^ 独立行政法人中小企業基盤整備機構のウェブサイト(J-Net21)では名称独占という記述が見られる。[1]
  7. ^ 中小企業診断士制度のQ&A集 (PDF)
  8. ^ データでみる中小企業診断士 - 2011年1月の社団法人中小企業診断協会アンケート調査結果
  9. ^ 大阪で初となる中小企業診断士の登録養成機関を設置し、仕事を続けながら学べる1年制の登録養成課程を2019年2月に開講します
  10. ^ 平成31年度技術士試験の試験方法の改正についてのQ&A|公益社団法人 日本技術士会


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