パラマウント映画 「次世代DVD」への対応

パラマウント映画

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/20 17:08 UTC 版)

「次世代DVD」への対応

HD DVDBlu-ray Disc(以下“Blu-ray”)がDVDの後継フォーマットを巡って争った、いわゆる当時の「 次世代ディスク(次世代DVD)戦争 」では、パラマウントは、当初HD DVDのみを支持していた[29]が、Blu-rayの生産コストがDVDとほとんど変わらなくなったことを受け、2005年10月には、ワーナー・ブラザース(以下“ワーナー”)と共に両フォーマットを支持する方針に転換して、Blu-ray版ソフトのリリースを開始。その結果もあり、フォーマット争いはBlu-ray有利で進んでいた。

2007年8月20日、パラマウントは突如として再びHD DVD版のみをリリースする方針に転換する事を発表、発売を控えていた複数のBlu-rayタイトルが発売中止。既発売のBlu-ray版ソフトも出荷が停止された[30]。俗に“パラマウントショック”などと呼ばれた本件に対して、当時パラマウントのヒット作である『トランスフォーマー』の監督・マイケル・ベイなどを筆頭とした各クリエーターや識者は、パラマウントの方針を強く非難した。[31]また、規格争い終結後、ドリームワークスのCEOが、「皆さんがご存知のように、我々はHD DVDのみを独占的にサポートすることで多額の補償を受けていた」と、ロイターの取材で公言している。[32]

その後、2008年1月4日に、ワーナーがソフトリリースをBlu-rayに限定すると発表したことで、HD DVD市場が急速に終息化、2月19日には、東芝がHD DVD事業を全て終了すると発表。パラマウントも、2月21日にBlu-ray Discに再参入することを発表し[33]、“ パラマウントショック ”から始まった迷走は、終焉を迎えた。

日本市場でもパラマウント本社の意向を受ける形で日本法人が動いた事もあり、概ね同じ経緯でHD DVD/Blu-ray版ダブルリリース → 既発売Blu-ray版ソフトのリリース停止 → HD DVD版生産終了 → Blu-ray版ソフトリリース復活、という流れになった。2008年7月25日には、BOXを含む6タイトル、8作品のBlu-ray版ソフトが再リリースされ、HD DVDのみで発売されていたタイトルも相次いでBlu-ray化された。


  1. ^ 「世界映画大事典」680P 日本図書センター 2008年6月発行
  2. ^ MOOK21「20世紀の映画」7P 長谷川正ほか著 共同通信社 2001年1月発行
  3. ^ テーマパーク建設を表明/米パラマウントが福岡に”. 四国新聞 (2004年7月29日). 2020年7月22日閲覧。
  4. ^ 万博記念公園に日本最大級の観覧車計画 三井不動産 - msn産経ニュースwest 2012年6月26日 [1]
  5. ^ エキスポランド跡地にテーマパーク「パラマウント・リゾート大阪」を設立へ”. GIGAZINE (2009年7月16日). 2020年7月22日閲覧。
  6. ^ 【開発】大阪・エキスポランド跡地で三井不動産がテーマパーク建設”. 日経不動産マーケット情報 (2011年12月19日). 2020年7月22日閲覧。
  7. ^ MOOK21「20世紀の映画」8P 長谷川正ほか著 共同通信社 2001年1月発行
  8. ^ 後にメトロ社を買収して、その後にサミュエル・ゴールドウィンのゴールドウィン社とメイヤー社の2社と合併してメトロ・ゴールドウィン・メイヤー即ちMGMを創立する。
  9. ^ 当時は映画専門館はなく、演芸のボードビリアンの興行の合間に映画を上映する形態が普通で、したがって映画は屋外のテントや芝居小屋で上映されていた。そしてこのボードビル興行を請け負った人々がやがて映画興行に移り、ニッケルオデオンと呼ばれる映画小屋の経営に乗り出すことが多かった。
  10. ^ この当時まで映画は娯楽であって庶民や移民労働者に支えられて、芸術とは見なされていなかった。1908年2月にフランスで芸術家による映画製作を目指すフィルム・ダール社が設立されて、その名の通り映画芸術を高めることを目的として同年「ギーズ公の暗殺」を製作して、出演はコメディーフランセーズの俳優たちで、この映画の伴奏音楽を当時の大作曲家サン・サーンスが作曲した。結局1年で会社は解散となったがフィルム・ダールの運動はその後も続いた。「映画史を学ぶクリティカル・ワーズ」54P フィルム・ダールの項 参照 村山匠一郎 編 フィルムアート社 2013年7月発行
  11. ^ 「映画の夢、夢のスター」296P 山田宏一著 幻戯書房 2011年1月発行
  12. ^ MOOK21「20世紀の映画」47P 長谷川正ほか著 共同通信社 2001年1月発行
  13. ^ 後にゴールドウィン社を設立し、やがて合併してMGMとなる。
  14. ^ MOOK21「20世紀の映画」9P 長谷川正ほか著 共同通信社 2001年1月発行
  15. ^ MOOK21「20世紀の映画」8P 長谷川正ほか著 共同通信社 2001年1月発行
  16. ^ 「映画の夢、夢のスター」298P 山田宏一著 幻戯書房 2011年1月発行
  17. ^ 記念映画と思われるが特定の一時期に30個の星を使ったことがある。
  18. ^ 「映画の夢、夢のスター」296P 山田宏一著 幻戯書房 2011年1月発行
  19. ^ あるいは「パラマウント判決」「パラマウント同意判決」とも呼称されている。
  20. ^ こうした同じ製作会社からの作品を一手に引き受けて上映する固定したシステムをブロック・ブッキングという。これとは違って別の会社の作品をも上映するシステムをフリー・ブッキングといい、要は映画館側の興行者が自由に作品を選べる選択権の有無の違いである。日本はずっとブロック・ブッキング制が続いている。
  21. ^ 日本は現在でもこの構造は残っている。
  22. ^ 「ハリウッド100年史講義」81〜83P 北野圭介著 平凡社新書 2001年10月発行
  23. ^ 創業者のウイリアム・フォックスはその後大恐慌で破産して会社を離れ、やがてワーナー・ブラザースから独立したダリル・F・ザナックが作った20世紀映画と1935年に合併して20世紀フォックスとなった。
  24. ^ 「ハリウッド100年史講義」130P 北野圭介著 平凡社新書 2001年10月発行
  25. ^ MOOK21「20世紀の映画」13P 長谷川正ほか著 共同通信社 2001年1月発行
  26. ^ 資料によってはリトル3を含め8社が訴えられているとする資料もある。また第1次訴訟と第2次訴訟があり、1948年に第2次訴訟の決着がついた。
  27. ^ そのため、これを「パラマウント同意判決」とも呼ばれている。なお他社もその後順次に判決に同意に、1952年2月に最後まで粘っていたMGMも同意して裁判は終わった。
  28. ^ 「ハリウッド100年史講義」130P 北野圭介著 平凡社新書 2001年10月発行
  29. ^ パラマウントの代表的コンテンツ製作子会社であるドリームワークス社も当時パラマウントと同時にHD DVD支持の意向を示した。
  30. ^ スティーヴン・スピルバーグ監督作品は対象外となったが、限定的なBlu-ray発売はされなかった。
  31. ^ この直後、「HD DVDのリーダーメーカーであった東芝がパラマウントと18ヶ月間の独占供給契約を結び、同時に1.5億ドルの“ 奨励金 ”が東芝から支払われた」との報道もあった。[2]
    独占契約について、東芝及びパラマウントは、現在に至るまで公式にコメントしていないが、東芝のHD DVD撤退後に、当時のドリームワークス社CEOが「東芝との間で結んだHD-DVD方式のみのDVDを販売する契約に依然拘束されている[3]とコメントしている事や様々な事象から、これらの契約や報奨金の授受はあったとの見方が一般的である。
  32. ^ DreamWorks waiting for cue from Toshiba on Blu-ray2008年2月26日ロイター(元記事・英語)
  33. ^ この時点でHD DVDソフトの去就は未定であったが、最終的にはHD DVDソフトは全て生産終了となった。
  34. ^ a b 東宝(株)『東宝五十年史』(1982.11) | 渋沢社史データベース”. shashi.shibusawa.or.jp. 2018年12月7日閲覧。





固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「パラマウント映画」の関連用語

パラマウント映画のお隣キーワード

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   
検索ランキング



パラマウント映画のページの著作権
Weblio 辞書情報提供元は参加元一覧にて確認できます。

  
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのパラマウント映画 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2020 Weblio RSS