静脈瘤とは? わかりやすく解説

じょうみゃく‐りゅう〔ジヤウミヤクリウ〕【静脈×瘤】

読み方:じょうみゃくりゅう

静脈一部の壁が異常に拡張し膨れあがっているもの。下肢現れるものや、肝硬変の際に食道壁に生ずるものなどがある。


静脈瘤

足の静脈は、皮膚表面に近い「表在静脈」と筋肉内の深部静脈」からなっています。何らかの原因で、静脈の弁のはたらき悪くなると、皮膚表面から深部へ向かう血行逆になって、血液表面集まってしまいます。そのために血管伸びて広がり蛇行してこぶのようになったもの、これが静脈瘤です。


静脈瘤 (じょうみゃくりゅう)

血液静脈内たまって血管ふくらみ、こぶのようになってしまうこと。妊娠中はホルモン影響大きくなった子宮静脈圧迫され、できやすくなりますふくらはぎ外陰部のほか、肛門周辺もできやすい部位(痔も静脈瘤の一種です)。足を高くして休憩をとる、立ち仕事続けないなど、予防対策も大切です。

静脈瘤

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/02 13:10 UTC 版)

静脈瘤(じょうみゃくりゅう、: varicose vein)とは、静脈の壁の一部が何らかの要因で薄くなり、その血管が膨らむことで発病する循環器病。同様の疾患が動脈に発生した場合は動脈瘤と呼ばれる。

下肢静脈瘤

下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう、: varix of the lower extremity)は、下肢の静脈が拡張し血液が滞ることでおきる疾患

静脈瘤が下肢に起こりやすいのは、心臓から遠い位置にあることや、人が立って生活していることが関係しており、足の静脈の中の血液が心臓に戻るには、重力に逆らって上昇しなければならないため歩くことで「脹脛の筋肉」が収縮して静脈の中の血液を押し上げ(筋ポンプ作用)、途中にある「静脈弁」が下に逆流しないように支えている。筋肉のポンプ作用が落ちたり、弁の機能が悪くなったりすると、静脈内に血液がたまり、静脈の壁にかかる圧力(静脈圧)が高くなり、静脈の壁は強くないため、伸びたり、曲がったり、膨れたりして静脈瘤となる。[1]

腓返り、下肢のだるさなどの自覚症状に加え、色素沈着潰瘍などの皮膚病変を主症状にすることが多い。

初期の治療法には圧迫法(弾性ストッキング着用など)、マッサージ法の保存的治療法がある。

静脈瘤の形によって、治療法が異なる。クモの巣状静脈瘤(1mm以下の細かい静脈がクモの巣状にみえる)や網目状静脈瘤(2~3mmの静脈が網の目状にみえる)は、硬化療法(高張液を静脈瘤に注射する治療法)などの適応である。

側枝型静脈瘤(孤立性の静脈の拡張・蛇行)の場合は、硬化療法で治療できる場合と、静脈瘤に逆流している元を結紮する、または結紮して硬化療法を行う。

伏在型静脈瘤では、硬化療法単独では再発が多く、高位結紮を行ってから硬化療法を行うが、高位結紮だけでも治療効果のみられる場合が多い。

伏在型を根治的に治療する場合は、静脈抜去術、瘤切除術などがある。

どの治療においても再発や、別の静脈瘤が出てくる場合があるが、不適切な治療では早期(半~1年以内)に再発する。

また、現在ではレーザーやラジオ波による静脈内膜の焼却も行われている。血管内治療は安全で再発の少ない方法だが、極まれ(0.1~0.2%)に肺動脈血栓塞栓症を起こすことがある。静脈を焼灼した断端にできた血栓が深部静脈に伸展することがあり、ほとんどの場合には1か月程度で消失するが、この血栓が心臓、肺へ流れていくと急な呼吸困難に陥り、命にかかわる危険性がある。[1]

なお、下肢静脈瘤の多くは、1次性静脈瘤(ふくれている、または蛇行している静脈そのものに原因のあるもの)であるが、似た症状で2次性静脈瘤(ふくれている、または蛇行している静脈瘤以外に原因のある静脈瘤)があり、これは深部静脈血栓症(かつてエコノミークラス症候群と呼ばれていた)が原因であることもあり、深部静脈が開存していることを確認した上(1次性静脈瘤と確認した上)で、治療しなければならない。

食道静脈瘤

食道静脈瘤はしばしば肝硬変に伴いみられる。かつては静脈瘤破裂により死に至ることもあった。現在は、予防的な治療が行われている。

  1. 内視鏡的食道静脈瘤結紮法(endoscopic variceal ligation; EVL)
  2. 内視鏡的硬化療法(endoscopic injecion sclerotherapy; EIS)
  3. 静脈離断術
  4. 経頚静脈肝内門脈大循環ステント短絡術 (Transjugular intrahepatic portosystemic shunt; TIPS)

胃静脈瘤

食道静脈瘤同様、肝硬変に伴い発症することが多い。予防的治療には内視鏡的治療法やinterventional radiology(IVR)によるものが主流である。

  1. 内視鏡的CA/EO併用法[2]
  2. バルーン下逆行性経静脈的塞栓術(balloon-occluded retrograde transvenous obliteration; B-RTO)[3]

脚注

  1. ^ a b 下肢静脈瘤 | 血管外科 | 心臓血管外科部門 | 診療科・部門のご案内 | 国立循環器病研究センター病院”. www.ncvc.go.jp. 2018年12月7日閲覧。
  2. ^ Mebio 19:8,2002
  3. ^ 日消誌 88: 1459, 1991

関連項目


静脈瘤

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/21 08:56 UTC 版)

カテーテルアブレーション」の記事における「静脈瘤」の解説

高周波焼却療法は、静脈瘤の治療使用される低侵襲手術である。これは、従来ストリッピング手術代わるのである超音波誘導下で、アブレーション治療用カテーテル異常な静脈挿入され血管無線エネルギー治療されその結果関与する静脈閉鎖される高周波アブレーションは、大伏在静脈小伏静脈、および貫通静脈治療使用される後者は、表在静脈から深部静脈血液輸送する静脈接続している。その後通常、静脈瘤は、外来性静脈切除術、硬化療法泡沫硬化療法など、他の低侵襲手術治療される。現在、VNUS ClosureRFSスタイレットは、貫通静脈静脈内アブレーションのためにFDAによって明確に承認され唯一のデバイスである。 高周波適用前に静脈全体沿って注入され大量500 cc)の希釈リドカイン0.1%)腫脹麻酔ヒートシンク提供するため、処置中の皮膚火傷可能性は非常に小さいことを指摘しておく必要があるデバイス生成する熱を吸収する初期の研究では、合併症発生率低く成功率が高いことが示されている。

※この「静脈瘤」の解説は、「カテーテルアブレーション」の解説の一部です。
「静脈瘤」を含む「カテーテルアブレーション」の記事については、「カテーテルアブレーション」の概要を参照ください。

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