torrent
「torrent」とは
「torrent」は、日本語で「急流」や「激流」と訳される英単語である。自然界の川や滝など、水が激しく流れる様子を表すのに使われる。また、比喩的には、情報や感情などが一気に押し寄せる様子を表現する際にも使用される。例えば、情報が一気にインターネット上に流れる様子を「torrent of information」と表現する。「torrent」の発音・読み方
「torrent」の発音は、IPA表記では/tɔːrənt/となる。IPAのカタカナ読みでは「トーアラント」となり、日本人が発音する際のカタカナ英語では「トレント」となる。発音によって意味や品詞が変わる単語ではない。「torrent」の定義を英語で解説
「torrent」は、"A fast and powerful flow of liquid, especially water"と定義される。これは、「特に水を含む液体の速くて強力な流れ」という意味である。また、"A sudden large amount or number of something"という定義もあり、これは「何かの突然の大量または多数」という意味である。「torrent」の類語
「torrent」の類語としては、「deluge」、「flood」、「rush」、「stream」などがある。これらはいずれも、水や情報などが大量に流れる様子を表す英単語である。「torrent」に関連する用語・表現
「torrent」に関連する用語としては、「torrential」がある。「torrential」は形容詞で、「torrent」のように激しい、という意味である。例えば、「torrential rain」は、「激しい雨」を意味する。「torrent」の例文
1. The torrent of the river was so strong that it swept away the bridge.(川の激流はとても強力で、橋を流してしまった。)2. He was overwhelmed by a torrent of emotions.(彼は感情の激流に圧倒された。)
3. The torrent of information on the internet can be overwhelming.(インターネット上の情報の激流は圧倒的である。)
4. The torrent of criticism made him reconsider his decision.(批判の激流により、彼は自身の決定を再考した。)
5. The torrent of water from the broken pipe flooded the room.(破裂したパイプからの水の激流が部屋を水浸しにした。)
6. The torrent of his words left her speechless.(彼の言葉の激流に彼女は言葉を失った。)
7. The torrent of rain caused the river to overflow its banks.(激しい雨の激流により、川が氾濫した。)
8. The torrent of data was too much for the computer to process.(データの激流は、コンピュータが処理するには多すぎた。)
9. The torrent of applause filled the theater.(拍手の激流が劇場を満たした。)
10. The torrent of his thoughts kept him awake at night.(彼の思考の激流が彼を夜通し目覚めさせた。)
Torrent
BitTorrent
(Torrent から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/02 12:10 UTC 版)
作者 | ブラム・コーエン |
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開発元 | Rainberry |
初版 | 2001年 |
規格 | The BitTorrent Protocol Specification[1] |
種別 | P2Pファイル共有 |
公式サイト | www![]() |
ファイル共有 |
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BitTorrent(ビットトレント)は、ブラム・コーエンによって開発された、Peer to Peerを用いたファイル転送用プロトコル。Bit(ビット)+Torrent(急流)から、「急流のように早く(ファイルを)ダウンロードできる」という意味を持つ。メインラインと呼ばれる本家のBitTorrent clientの他にも様々な互換クライアントが存在する。
概要
開発者のコーエンは、かつて所属していたベンチャー企業で、P2Pプロトコルをベースにした情報コンテンツ流通プラットフォームの構築プロジェクトに携わった(プロジェクトは頓挫)。その際、従来のP2Pネットワークがピアの帯域を有効に利用していないことやその信頼性が低いことに不満を感じ、それらの欠点を解消するBitTorrentの開発を2001年に一人で始めた。2002年にP2Pプロトコルのファイナライズを、2003年にクライアントソフトをリリースした[2]。2003年4月にRed Hat Linux 9がリリースされた際に、そのISOイメージをドイツ人の一利用者がBitTorrentで公開し、3日間で3万個分のISOイメージが配布されたことで注目されるようになった[2]。
現在では、主要な自由ソフトウェアおよびオープンソースソフトウェアのほか、音楽や映画、商用アプリケーションを提供するために、BitTorrentが利用されている。
BitTorrentで配布されているファイルのダウンロードには、BitTorrentプロトコルを実装したクライアントソフトウェアを利用する。
インターネットでのBitTorrentが占めるトラフィックに関する報告は複数ある。CableLabs(北米CATV業界の研究機関)はCATVの上りトラフィックの55%[3]、英国調査会社CacheLogicはインターネットのトラフィックの35%[4]、別の論文はブロードバンドトラフィックの18%[5]であると報告している。
特徴
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この節は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。(2010年1月)
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BitTorrentがこれまでのソフトウェアと大きく異なるのは、従来のインターネットにおける法則に反して、「人気のあるファイルであればあるほど、ダウンロードが早くなる」という特徴である(Winnyなど一部のP2Pプロトコルと同じ特徴)。
Napsterに代表される従来のP2Pソフトウェアの構図は、一極集中型であった。これは、限られた数の豊富な帯域を持っているユーザの周りに、帯域の貧弱な大量のユーザがぶら下がる構図である。このため、ある一つのファイルを取得するためにユーザが集まると、ダウンロード要求が一極集中し、全体の拡散速度としても豊富といわれた帯域を占有するだけの速度しか出すことができない。
この現象に対してBitTorrentでは、「相手(ピア)からファイルの一部を受けとるには、自分もファイルの一部を渡さなければならない」という規則を導入し、貧弱な帯域を持つユーザにも、全体のファイル配布に協力させるようにした。これにより、人気のあるファイルに対する要求であっても、それだけ多くのユーザが配布に協力することになり、結果としてユーザ全体が早くダウンロードすることができる。
また、この特徴より、自分からアップロードするのは、ダウンロード中かダウンロードが完了したファイルのみである。Winnyなどとは異なり、自分がダウンロードしていないファイルのアップロードに加担させられるということが起こらないのも大きな特徴である。
また、BitTorrentは、従来のP2Pに対する進歩というだけではなく、インターネット上でのファイル配布の可能性を広げた。一般的にファイルを配布する際には、サーバからそれぞれのユーザが別々にダウンロードするため、サーバの帯域が配布可能量を決めていた。しかし、BitTorrentを用いることでユーザ同士の帯域が利用可能になり、より多くのユーザにファイルを配布することができるようになる。
2006年10月23日に、BitTorrent, Inc.とPC周辺機器(ネットワーク機器)メーカーであるASUS、Planex、QNAPが提携し、BitTorrentクライアントを内蔵したルーターやNASを発売することを発表した。
BitTorrentがこれまでのP2Pソフトウェアともう一つ大きく異なるのは、indexing web site (index home page) からインデックストレントファイルをダウンロードしてからでないと、本体ファイルをP2Pからダウンロードできないということである。この点はWinny、Share、Perfect Dark、LimeWireなどの他のP2Pソフトとは異なる特徴である。
匿名性
「P2P FINDER」というP2Pネットワーク監視サービスが存在しており、同サービスはBitTorrentのトラフィックも解析可能である。一般社団法人日本レコード協会は、このP2P FINDERを利用して発信者情報開示請求訴訟を起こし勝訴し、違法アップローダーを特定している。
用語と説明
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この節は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。(2010年1月)
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- インデックスサイト (indexing web site)
- トレントファイルのインデックスを保持しており、トレントファイルを検索できるサイト
- トレントファイル
- トラッカーへのリンクを含むインデックスとなるファイル。拡張子が「.torrent」となっており、クライアントと関連づけがされている。これを読み込むことによりクライアントはトラッカーと接続し、ピアの情報を受取り、ダウンロードが開始される。これ自体はただのインデックスにすぎないので、本体ファイルをまったく含まない。
- ピア (peer)
- 直接接続してデータのやりとりを行っているコンピュータ[6]。
- トラッカー (tracker)
- 新規接続者にピアのIPアドレスを教えるサーバ。
- シード/シーダー (seed/seeder)
- 完全なファイルを提供しているコンピュータ[6]。最初の提供者についても、ダウンロードが完了したものについてもいう。
- リーチャー (leecher)
- ダウンロード中のコンピュータ。本来、開発者のコーエンは、ピアにアップロードせずにダウンロードだけを試みるものに対してこの言葉を使っているが、今では、広くダウンロード中のピアを呼ぶのに使われている。
- スウォーム (swarm)
- 同じトレントファイルにより、同じファイルを提供/ダウンロード中のコンピュータのグループ全体をいう。ほとんどの場合、一つのコンピュータはその一部とだけ、直接データのやりとりを行っている。
- 共有比/負担率 (share ratio)
- アップロード量とダウンロード量との比。オープンソースソフトウェアなど、開発者が継続的にシードの提供を続けている場合は別として、最低でもこれが1に達するまで共有を続けるのが礼儀とされている[7]。トラッカーによってはこの値に準じてシードの速さあるいは量に制限を掛けていることがある[8]。
- 可用性/健康度 (health)
- ピアにあるデータを集めるといくつのファイルができるかを目安として表したもので、小数か%で表示される。1.0または100%を下回ると完全なファイルをダウンロードできない可能性が高い。
- 99%病
- ファイルのダウンロードが99%完了し、シーダー、リーチャー共あるにもかかわらずダウンロードが100%完了しない状態。最後のピースが見つからないことが原因であるが、ダウンロードしたままにしておくか、一旦ダウンロードをやめ、再度ダウンロードを開始する事で改善する。
主なクライアントソフトウェア
BitTorrentクライアントは様々なプラットフォームに実装され、その多くが日本語を含む多言語に対応している。
- BitTorrent:コーエンおよびBitTorrent, Inc.によって開発、配布されているオリジナルのBitTorrentクライアントで、Mainlineとも呼ばれる。バージョン5まではPythonによって実装され、オープンソースとして公開されている。BitTorrent, Inc.が2006年12月にWindows用クライアントを開発していたμTorrentを買収した後、バージョン6からはこれをベースにしたものに変更され、それ以降のソースコードも非公開となった。
- ABC (Yet Another BitTorrent Client):BitTornadoを元にPythonで実装されている。接続の優先度を調整する機能や、ウェブインターフェースを備える。
- BitComet:C++で実装されている。UPnP対応ルーターを使っている場合のNAT設定やポート設定、コンピューターのキャッシュ設定を自動で行う。トレントファイルを開いて、複数のファイルの中からダウンロードするファイルを任意で選択することができる。特に、極東アジアで使われているクライアントである。日本もその例外ではなく、多くの情報を日本語で得ることができる。一方で、動作ないし開発思想が利己的であると非難されることがあり、一部のクライアントはBitCometとの接続を禁止している。
- BitSpirit (Eng):多言語対応[注 1]。DHTネットワーク、Gzip圧縮、UPnP、スーパーシード、プロキシ対応など多機能。個別ファイルダウンロード可能。ダウンロードピースマップ表示。TCPIP接続制限解除パッチ装備。
- BitThief:Javaで動作するクライアントソフトウェア。BitTorrentの原則に反してアップロードを行わず、ダウンロードのみおこなうので一部のクライアントは接続を禁止している。言語は英語のみ。
- μTorrent:uTorrentと表記される場合も。リソースの消費を抑えた軽量なクライアントとして開発されている。2006年12月7日に本家BitTorrentに買収された。多くがオープンソースで開発されているBitTorrentクライアントの中で珍しく、クローズドソースにて提供されている。ただし、元々の製作者はver. 1.6.1を最後に開発には参加していない。トレントファイルを開いて、複数のファイルの中からダウンロードするファイルを任意で選択することができる。Vuze、BitCometと並んで、最もよく使われているクライアントのひとつ。
- BitTornado:Pythonによる実装。クロスプラットホーム。スーパーシードモードを備える。
- CTorrent:C++で実装されている。軽量化や機能拡張を図ったEnhanced CTorrentもある。
- Deluge:Pythonによる実装。UPnPやNAT-PMP、DHTなどに対応する。
- Flash Get:最新版で対応している。欲しいファイルだけを入手できる機能もついている。
- Free Download Manager:Windows用のオープンソースなダウンロードマネージャ。BitTorrentにも対応している。日本語対応。
- Net Transport:日本語対応のダウンロードマネージャ。ファイルの個別ダウンロード対応。
- KTorrent:KDEに含まれるクライアント。
- Lftp:コンソール上で使えるクライアント。
- LimeWire:Beta版の4.13.0でBitTorrentが実装されている。
- Mozilla Firefox:BitTorrentプロトコルを実装した拡張機能「FireTorrent」「MozTorrent」「AllPeers」の開発が行われている。
- Opera:バージョン9より、BitTorrentに正式対応した。米BitTorrent社との間で、商標の使用やBitTorrentサーチエンジンへのアクセスなどに関して提携が結ばれている。
- qBittorrent:Qtを使用して実装された、クロスプラットホームなクライアント。非常に高機能。
- QtWeb:バージョン3.2より、Torrentクライアント機能を搭載している。
- rTorrent:ncursesを使用したTUIのBitTorrentクライアント
- Shareaza:Gnutella2をメインとしたソフトウェアだが、Gnutella、eDonkey2000の他にBitTorrentプロトコルにも対応している。
- Transmission:Cによる実装。クロス・プラットホームバックエンドの上に、シンプルで使いやすいインターフェースを持つ。macOS (Cocoa), Linux/NetBSD/FreeBSD/OpenBSD (GTK), BeOS/ZETA版が公開されている。非公式だがWindows版もある。
- 4Gamer Game Loader/Torrentan Network System:ゲームポータルサイトの4Gamer.netが、ジャストプレイヤー株式会社と制作している。ゲームのダウンロードに特化している模様。ベンチマークサイトを見る限り、BitTorrentとの違いが何かあるようであるが、詳細は不明。BitTorrentを使ったベンチマークサイトでもある。
- Vuze(旧 Azureus):Javaで実装されており、多くのプラットフォームに対応している。細かい設定が可能であり、また、様々なプラグインがある。
- 迅雷(Xunlei、Thunder):中国圏でよく使われているクライアント。利用者数だけで見れば世界最大のμtorrentに匹敵するとのデータもある。
- aria2:C++で実装されているクロスプラットフォームなダウンロードマネージャ。CUIで動作するほか、JSON-RPCやXML-RPCでのリモートコントロールに対応。
脚注
注釈
- ^ 日本語はen(glish)版で可能。
出典
- ^ Cohen, Bram (2002年10月). “BitTorrent Protocol 1.0”. BitTorrent.org. 2014年2月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年6月1日閲覧。
- ^ a b “BitTorrent、立ち上がる商業P2Pネットワーク”. アットマーク・アイティ (2007年10月14日). 2008年9月28日閲覧。
- ^ Ellis, Leslie (2006年5月8日). “BitTorrent’s Swarms Have a Deadly Bite On Broadband Nets”. Multichannel News. 2006年5月8日閲覧。
- ^ Pasick, Adam (2004年11月4日). “LIVEWIRE - File-sharing network thrives beneath the radar”. Yahoo! News. 2006年5月9日閲覧。
- ^ Ellis, Leslie (2006年5月8日). “BitTorrent’s Swarms Have a Deadly Bite On Broadband Nets”. Multichannel News. 2007年1月7日閲覧。
- ^ a b トレントのシーダーとピアって何なんですか?
- ^ ユートレントの共有比について
- ^ トレントの共有比はダウンロード速度に影響する?
関連項目
外部リンク
トレントファイル
(Torrent から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/16 06:30 UTC 版)
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この記事には複数の問題があります。
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拡張子 | .torrent |
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MIMEタイプ | application/x-bittorrent |
国際標準 | BEP-0003 (v1),[1] BEP-0052 (v2)[2] |
BitTorrentファイル配布システムにおいて、トレントファイル(英: torrent file)またはメタ情報ファイル(英: meta-info file)とは、配布対象のファイルおよびフォルダに関するメタデータを含み、通常はトラッカーと呼ばれるコンピュータのネットワーク上の位置情報のリストも含むファイルである。トラッカーは、システム参加者同士が互いを見つけ、スウォームと呼ばれる効率的な配布グループを形成するのを助ける[1]。トレントファイルは通常、.torrent
という拡張子を持つ。
トレントファイルは、トレントクライアントの使用により情報を見つけることが可能となる目次(インデックス)のような役割を果たす。トレントファイルを用いることで、元のファイルを既にダウンロード済みのコンピュータから小さな部分ごとに取得できる。これらの「ピア」は、プライマリサーバに加えて、あるいはその代替として、ファイルのダウンロードを可能にする。トレントファイル自体には配布されるコンテンツは含まれておらず、それらのファイルに関する情報、たとえばファイル名、ディレクトリ構造、サイズ、ファイル完全性を検証するための暗号学的ハッシュ関数によるハッシュ値などが含まれている。
トレントシステムは中央サーバへの負荷を軽減するために設計されており、個々のクライアントがサーバからファイルを取得するのではなく、必要な帯域幅を分担することで、大容量ファイルのダウンロード時間を短縮する。多くの自由ソフトウェアやフリーウェア、Linuxディストリビューションをはじめとする各種オペレーティングシステムは、上記の利点を求めるユーザーのためにトレントによるダウンロードオプションを提供している。メディアファイルなどの他の大容量ダウンロードもトレントによって行われることが多い。
背景
一般的にインターネット接続は非対称型であり、アップロード速度よりもダウンロード速度が速く、各ダウンロードに割り当てられる帯域幅が制限されていたり、帯域制限やアクセス不能時間帯が設けられていたりする。このような状況では、多数のユーザーが同一ファイルセットを単一のソースから取得しようとする際に非効率が生じる。ソースは常時オンラインでなければならず、大量の送信帯域幅を必要とする。この問題を解決するためにトレントプロトコルは配布を分散化し、利用者同士が「P2P」でネットワークを構築する能力を活用する。
配布される各ファイルは「ピース」と呼ばれる小さな情報の断片に分割される。ダウンロードするピアは、スウォーム内の複数のコンピュータから同時に複数のピースを要求することで、高速なダウンロードを実現する。取得されたピースは通常、即座に他のスウォーム内の参加者がダウンロードできるように共有される。このようにして、ネットワーク負荷は中央の配布拠点ではなくダウンローダー間に分散される。すべてのピースが揃っていれば、ピア(ダウンローダーおよびアップローダー)は入退場自由であり、すべてのピースを保持していたりスウォームに常時接続していたりする必要はない。
共有対象のファイルまたはフォルダを表すために小さなトレントファイルが作成される。トレントファイルは実際のコンテンツのダウンロードを開始するための鍵となる。共有されたファイルまたはフォルダを取得したい者は、まず対応するトレントファイルを直接ダウンロードするか、マグネットリンクを利用して入手する。その後、ユーザーはそのファイルをトレントクライアントで開き、残りの処理は自動的に実行される。ピアのインターネット上の位置情報を得るため、クライアントはトレントファイルに記載されたトラッカーに接続、または分散ハッシュテーブルを利用して同様の結果を得る。そしてクライアントはピアに直接接続し、ピースの要求やスウォームへの参加を行う。クライアントは進捗状況をトラッカーに報告し、トラッカーによるピアの推薦を助ける場合もある。
すべてのピースが揃うと、トレントクライアントはそれらを組み立てて利用可能な形にする。またクライアントは引き続きピースを共有し、通常のピアではなく「シーダー」という役割を担うようになる。
ファイル構造
トレントファイルは、ファイルの一覧とすべてのピースに関する完全性メタデータを含み、任意で多数のトラッカーのリストを含む。
トレントファイルは、以下のキーを持つBencode形式の連想配列(Bencoded辞書のキーは常に辞書式順序で並ぶ)である。
- announce — メイントラッカーのURL
-
info — 以下のキーを持つ辞書に対応し、キーは1つまたは複数のファイルが共有されるかに大きく依存する:
-
files — 各ファイルに対応する辞書のリスト(複数ファイルが共有される場合のみ)。各辞書は以下のキーを持つ:
- length — ファイルのバイト単位のサイズ
- path — サブディレクトリ名に対応する文字列のリストで、最後の要素が実際のファイル名
- length — ファイルのバイト単位のサイズ(単一ファイルが共有される場合のみ)
- name — ファイルが保存される際の推奨ファイル名(単一ファイルの場合)/ファイル群が保存される推奨ディレクトリ名(複数ファイルの場合)
- piece length — ピースごとのバイト数。一般的に28KiB = 256 KiB = 262,144 B
- pieces — ハッシュリスト、すなわち各ピースのSHA-1ハッシュを連結したもの。SHA-1は160ビットのハッシュを返すため、 piecesは20バイトの倍数長の文字列となる。トレントが複数ファイルを含む場合、 files辞書に記載された順にファイルを連結してピースが構成される(すべてのピースは完全な長さを持つが、最後のピースのみ短くなることがある)
-
files — 各ファイルに対応する辞書のリスト(複数ファイルが共有される場合のみ)。各辞書は以下のキーを持つ:
すべての文字列は piecesを除きUTF-8でエンコードされていなければならない。 piecesはバイナリデータを含む。
トレントはinfohashによって一意に識別される。これは info辞書の内容をBencode形式でSHA-1ハッシュ化したものである。他の部分を変更してもこのハッシュは変化しない。このハッシュは、DHTを通じたピア間通信やトラッカーとのやり取り、そしてマグネットリンクで使用される。
BitTorrent v2
BitTorrent v2プロトコル(BEP-0052)は、トレントファイルの新たな定義を導入する[2]。基本構造は以下のとおりである。
- announce — トラッカーのURL
-
info — 以下のキーを持つ辞書に対応し、キーは1つまたは複数のファイルが共有されるかに依存する:
- name — ファイル群が保存される推奨ディレクトリ名
- piece length — ピースごとのバイト数。一般的に28KiB = 256 KiB = 262,144 B。v2では2の累乗でなければならない
- meta version — 数値 "2"
-
file tree — 辞書のツリー構造。各キーはディレクトリ名またはファイル名を表す。ファイルには以下が含まれる:
- length — ファイルのバイト単位のサイズ(単一ファイルが共有される場合のみ)
- piece root — 非空ファイルの場合、ファイルを16KiBのブロックに分けて構築された分岐2のハッシュ木のルートハッシュ
- piece layers — 各ピースに対応する新しいタイプのマークルルートハッシュを含む文字列の辞書
新しい形式では、ピースのハッシュ化とinfohashの両方にSHA-256が使用され、破損したSHA-1に置き換わる。"btmh"マグネットリンクには32バイトの完全なハッシュが含まれ、トラッカーやDHTとの通信では旧来のメッセージ構造に収めるため20バイトに短縮されたバージョンが用いられる[2]。"v2"トレントとして新しいフィールドのみを用いたファイル、または旧形式と新形式の両方のフィールドを持つ「ハイブリッド」形式のファイルを構成することが可能である。ただし、v1とv2ではinfohashが異なるため、2つのスウォームが形成され、クライアントによる特別な統合処理が必要となる[3]。
新形式の中核的な特徴はハッシュ木の応用であり、ピースを16KiB単位で個別に検証・再取得することが可能となる。各ファイルは常に完全なピースサイズに適合し、独立したマークルルートハッシュを持つため、ピースサイズが異なる無関係なトレント間でも重複ファイルの検出が可能である。ファイルサイズ自体は変化しない(ピースサイズが同じである場合。v2のツリー構造により、大きなピースでも影響が少ない)一方、マグネットリンクに必要な info辞書のサイズは縮小される(v2専用トレントに限る)[3]。
拡張
トレントファイルには、BitTorrent仕様の拡張として定義された追加のメタデータを含めることができる[4]。これらは「BitTorrent Enhancement Proposals(BEP)」として知られている。その例としては、トレントの作成者や作成日時に関するメタデータがある。
承認された拡張
これらの拡張は、1つ以上の実装において導入されており、かつ一貫した広範な使用により有用性が実証されている。わずかな改訂が必要な場合もあるが、基本的には完成したものと見なされており、ブラム・コーエンの承認を得て最終/アクティブプロセスの地位へと昇格することが期待されている。
分散ハッシュテーブル
BEP-0005[5]は、BitTorrentを分散ハッシュテーブル、特にMainline DHTに対応させるための拡張である。
トラッカーを持たないトレント辞書には announceキーが存在しない。その代わりに、 nodesキーが使用される。
{
# ...
'nodes': [["<host>", <port>], ["<host>", <port>], ...],
# ...
}
例えば、
'nodes': [["127.0.0.1", 6881], ["your.router.node", 4804]],
仕様では、 nodesは「トレント生成クライアントのルーティングテーブル内でK個の最も近いノードに設定されるべき」と推奨している。または「トレントを生成する者が運用する既知の良好なノード」でもよいとされている。
複数トラッカー
BEP-0012[6]は、BitTorrentにおいて複数のトラッカーをサポートするための拡張である。
新たなキー announce-listは、最上位の辞書(つまり announceおよび infoと同じ階層)に配置される。
{
# ...
'announce-list': [['<tracker1-url>']['<tracker2-url>']],
# ...
}
HTTPシード
BEP-0019[7]は、BitTorrentでHTTPシードを使用可能にする2つの拡張のうちの1つである。
BEP-0019では、新たなキーurl-list
が最上位のリストに配置される。クライアントはこのリンクを用いて通常のHTTP URLを組み立てる。サーバー側のサポートは不要である。この機能は、ソフトウェアのダウンロードを提供するオープンソースプロジェクトで非常によく使用されている。Webシードを利用することで、クライアントはP2PとHTTP(S)のいずれも含めたミラーサイトを賢く選択し、同時に使用できる。これによりプロジェクトのサーバー負荷を軽減しつつ、ダウンロード速度を最大化できる。MirrorBrainはWebシード付きのトレントを自動生成する。
プライベートトレント
BEP-0027[8]は、BitTorrentでプライベートトレントをサポートするための拡張である。
新たなキー privateは、 info辞書内に配置される。このキーの値が1であれば、そのトレントはプライベートである。
{
# ...
'info': {
# ...
'private': 1,
# ...
},
# ...
}
プライベートトレントは「プライベートトラッカー」と共に使用される。こうしたトラッカーは、ピアのIPを確認し、未知のIPにはピアリストを提供しないことでトレントへのアクセスを制限する。通常、ピアはゲート付きオンラインコミュニティを通じてトラッカーに登録され、プライベートトラッカーはそのコミュニティ内で使用されるデータ転送量の統計も保持する。
DHT、PeX、LSDといった分散型の手法は、集中管理を維持するために無効化される。プライベートトレントは手動で編集してプライベートフラグを削除できるが、その場合、info-hashは決定論的に変化し、別の「スウォーム」が形成される。一方、トラッカーリストを変更してもハッシュは変化しない。このフラグは真のプライバシーを提供するものではなく、むしろ紳士協定として機能する。
参考文献
脚注
- ^ a b “BEP-0003: The BitTorrent Protocol Specification”. Bittorrent.org. 2019年7月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年10月22日閲覧。
- ^ a b c “bep_0052.rst_post”. bittorrent.org. 2020年11月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年2月9日閲覧。
- ^ a b “BitTorrent v2”. Libtorrent (2020年9月). 2020年10月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年2月9日閲覧。
- ^ “BEP-0000: Index of BitTorrent Enhancement Proposals”. Bittorrent.org. 2010年2月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年10月22日閲覧。
- ^ “BEP-0005: DHT Protocol”. Bittorrent.org. 2010年2月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年10月22日閲覧。
- ^ “BEP-0012: Multitracker Metadata Extension”. Bittorrent.org. 2012年12月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年10月22日閲覧。
- ^ “bep_0019.rst_post”. www.bittorrent.org. 2025年5月5日閲覧。
- ^ “BEP-0027: Private Torrents”. Bittorrent.org. 2013年3月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年10月22日閲覧。
外部リンク
- Torrentのページへのリンク