Key設立後
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ビジュアルアーツ移籍後は、企画者、シナリオライター、作詞家、作曲家(Key名義)として活動する。涼元悠一が企画・シナリオを手がけた『planetarian 〜ちいさなほしのゆめ〜』を除き、1999年に発売した第1作『Kanon』から、第7作『リトルバスターズ! エクスタシー』まで第一線で活動し続けた。10年近く制作現場の中核的位置にいたことから、実質的なKeyの代表とみなされるようになっている。 しかし、必ずしも麻枝が「Key」というブランドに固執していたわけではない。『Kanon』発売直後においては、『ONE 〜輝く季節へ〜』と同様に久弥直樹の人気の高さに勝てなかったと感じていたため、Keyを辞める意向をビジュアルアーツの社長である馬場隆博に伝えている。しかし、久弥の個人的都合による退社でKeyへの一時的な残留が決定。一作限りということで、第2作『AIR』の企画、執筆を行った。だが、『AIR』完成時には新ブランド設立時の相方となるはずだったイラストレーターと縁が切れており、以降もKeyに残留することとなった。 3作目では、企画者から一旦降板したが、別の担当者による企画が数ヶ月経っても全く進まないという事態が発生。やむを得ず企画者に戻ったものの、3回も開発中止の覚悟をするなど制作は難航した。3年半後、第3作であるKey初の全年齢対象作品『CLANNAD』が完成。結果的に麻枝作品の集大成ともなった同作は高い評価を受けた。しかし、『CLANNAD』のスピンオフ作品として比較的自由に作った『智代アフター 〜It's a Wonderful Life〜』は強烈な批判を受ける。麻枝本人も後年「ボッコボコにユーザーに叩かれた」と語っている。評価する声も決して少なくは無かったが、それ以上にバッシングが大きく、麻枝はショックのあまり1 - 2か月の休職に追い込まれた。復帰後は新人ライター・都乃河勇人の育成を兼ねて、『リトルバスターズ!』の企画、シナリオを手がけた。『月刊コンプティーク』2007年2月号にて休筆宣言をした際には「麻枝引退!」と騒がれたが、「『次は誰かにまかせます』くらいの気持ちで言った」として、シナリオライターとしての活動継続の可能性を示唆。その後アニプレックスの鳥羽洋典よりオリジナルアニメ企画への参加を依頼され、ピーエーワークス制作によるTVアニメ『Angel Beats!』が2010年4月から1クール(3ヶ月)アニメとして放送された。2009年10月には最後の本読みが終わり、この本読みを最後に再び休職に入ることを報告していたが、2010年11月12日に京都大学での講演で、『Angel Beats!』のゲーム化、シナリオ執筆業の再開が麻枝本人から発表された。2012年にピーエーワークスの堀川社長よりもう一度麻枝と作品制作をしたいとの依頼があり、再び脚本や劇中バンドの楽曲制作等で参加、2015年7月よりTVアニメ『Charlotte』が放送された。 2004年より『ヒビキのマホウ』で漫画原作にも挑戦している。麻枝は『ヒビキのマホウ』はルーツとも呼べる物語だと語っている。こちらは作画担当の依澄れいの都合により長期休載中であったが、2013年より連載再開し当初の構想とは異なるものの、単行本全六巻で完結している。 2016年2月29日、Twitterにて入院する旨をツイート。同年7月2日にTwitterを再開、特発性拡張型心筋症を患っており、その後第一種身体障害者心臓機能障害一級(心臓の機能の障害により自己の身辺の日常生活活動が極度に制限されるもの)となったことを公表するとともに、心臓移植が不可避の状態にあることを明らかにした。同時に、元来のうつ病の影響で、仕事以外への関心が薄いため、仕事に復帰することが望ましいと診断されたことも明らかにした。 2015年秋ごろ『Charlotte』挿入歌『君の文字』歌唱担当の熊木杏里からオファーがあり、オリジナルアルバムの制作を開始、麻枝の入退院を挟み完成し、『Long Long Love Song』として2017年7月に発売する。また退院後にシンガーソングライターのひょんとユニットSatsubatsu Kidsを結成、2017年末のコミックマーケット93にてアルバム『Hikikomori Songs』を、2018年5月に一般流通盤『Hikikomori Songs』を発売する。加えてKeyの新作『Summer Pockets』にて原案と音楽を担当するなど様々な活動を続けている。 2019年11月28日に麻枝 准が原作・メインシナリオを手掛ける完全新作ゲーム『ヘブンバーンズレッド』がティザーサイトと同時に発表された。当初は2020年リリース予定となっていたが、後に延期が発表された。 2020年1月09日にVABLOG馬場隆博社長の記事『◆2020年の抱負など◆』にて「例のアイツが手がける情報未公開の作品については、今年ようやく発表になると思うのでよろしく!」と記載され新作オリジナルアニメを示唆された。その後、2020年5月10日に行われたニコニコ生放送にて、原点回帰をキーワードとした新作アニメ『神様になった日』が発表され、2020年10月から放送された。 2021年には、麻枝准が「純粋に書きたいものを初めて書いた」という初の小説「猫狩り族の長」が5月17日に発売された。 2022年2月10日、2020年リリース予定となっていた『ヘブンバーンズレッド』が正式リリースを開始した。
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