derivative
「derivative」とは、誘導された・派生的なということを意味する英語表現である。
「derivative」とは・「derivative」の意味
「derivative」は、誘導された、引き出された、という意味の形容詞である。派生的な、二次的な、という意味で用いられることもある。たとえば、ある作品を軽蔑的に「あの作品はオリジナルではない」と表現したい場合などに用いる。また、名詞としても使われる。その際の意味はさまざまである。言語学的には、派生語の意味で「derivative」が用いられる。金融の分野では、原資産の価格を基準として価値が決まる金融派生商品を「derivative」という。また、化学の分野では、誘導体のことを「derivative」という。そのほか、数学の分野における「derivative」は、微分係数(導関数)を表す言葉である。導関数の概念は、数学以外に物理学や統計学、生物学、コンピューターサイエンスなどの分野で頻繁に用いられる。
「derivative」の覚え方としては、微分を意味する「differentiation」や微小変化量を意味する「differential」などと一緒に、微分に関連する言葉としてまとめて覚えるとよい。
「derivative」の発音・読み方
「derivative」の発音記号は「dɪrívəṭɪv」である。カタカナ読みだと「デリバティブ」になる。「derivative」の語源・由来
「derivative」の語源はラテン語で導く、引き出す、を意味する「derivare」である。このことから、ある量からある量を導き出すことを表す言葉になった。「derivative」を含む英熟語・英語表現
「derivative」を含む英熟語・英語表現には、次のようなものがある。「derivative」の略とは
「derivative」の略称は、主に「deriv.」が使われる。とりわけ数学や科学の論文、教科書においてよく使用される言葉である。
「derivative work」とは
「derivative work」は、派生作品のことである。著作権法において用いられる。たとえば、小説を原作にした漫画や映画などが「derivative work」にあたる。
「derivative curve」とは
「derivative curve」は、派生曲線を意味する。数学や金融の分野でよく使われる。ある関数における導関数をグラフに入れ込んだ際の曲線を表す。一階導関数のグラフを「一次派生曲線」、二階導関数のグラフを「二次派生曲線」という。
「derivative control」とは
「derivative control」は、微分制御のことである。制御工学において、目標値の現在地の差分(誤差)の導関数を活用する制御法を指す。
「derivative」に関連する用語の解説
「derivative」に関連する用語としては、以下のものが挙げられる。「Time derivative」とは
「Time derivative」は、時間微分のことである。物理学や工学の分野で多く用いられる。時間微分とは、ある物理量における時間変化の速度を表す微分係数である。
「First derivative」とは
「First derivative」は、一階導関数のことである。ある関数における一次導関数のことを指す。
「Second derivative」とは
「Second derivative」は、二階導関数のことである。ある関数における二次導関数のことで、一階導関数の変化量を表す。
「Partial derivative」とは
「Partial derivative」は、偏微分を意味する。偏微分とは、多変数関数において、一方の変数だけを変化させたときの導関数である。微分における基本的な概念のひとつとされている。
「Derivative market」とは
「Derivative market」は、デリバティブ市場という意味である。金融の分野で使われる。株式や債券といった現物市場ではなく、株価や為替レートなどの変動に応じたリスク管理のための金融派生商品が取引される市場のことをいう。
「derivative」の使い方・例文
「derivative」を用いた例文としては、次のような文章が挙げられる。「The artist's latest work is a derivative of his earlier style, with some modifications.」この文章の日本語訳は「芸術家の最新作は、以前のスタイルを元にした変形作品である」である。
金融業界では、次のような文章を目にすることも多い。「The stock market is always looking for new derivative products to trade, such as options and futures.」この文章の日本語での意味は「株式市場は、常にオプションや先物などの新しい派生商品を探している」となる。
また、数学分野における「derivative」を用いた例文としては、次のような文章を挙げることができる。「The derivative of a function f(x) measures the rate at which the function is changing at a particular point.」この文章の日本語訳は「関数f(x)の導関数は、特定の点において関数がどの程度変化しているかを測定する」である。
デリバティブ【derivative】
derivative(デリバティブ)
金融派生商品のことをいいます。金融派生商品とは、金利 ・為替・株式・債券などを先物・オプション・スワップ取引の形で組み合わせた高レベルな金融商品のことです。1980年NASAなどを退職した理工系技術者たちによって開発され、リスク回避や投機などの目的に利用されています。デリバティブ
【英】:derivative
他の特定の証券や資産などの所定の特性ないし変数を条件として新たに作成された証券や契約のこと. 典型的には, 先物や先渡し, オプション, スワップなどのいわゆるオフバランス取引のことを指すが, 広義には, 新株引受権証書, ワラント債, 転換社債などを含んでデリバティブと称する.
派生資産
微分
(Derivative から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/17 02:38 UTC 版)
数学における実変数函数の微分係数、微分商または (どうかんすう、英: derivative)は、別の量(独立変数)に依存して決まる、ある量(関数の値あるいは従属変数)の変化の度合いを測るものであり、これらを求めることを (びぶん、英: differentiation)するという。微分演算の結果である微分係数や導関数も用語の濫用でしばしば微分と呼ばれる。
注釈
出典
- ^ 本項に述べる微分法は多くの情報源を持つ非常によく確立された数学の分野である。本項に書かれているような内容の大半は Apostol 1967, Apostol 1969, Spivak 1994 に含まれる。
- ^ Banach 1931.
- ^ Apostol 1967, §4.18.
- ^ a b Cajori 1923.
- ^ de Morgan 1836, pp. 267–268.
- ^ Cauchy 1840, p. 5.
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