2代目 FA系(1994年-1998年)
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「スバル・ドミンゴ」の記事における「2代目 FA系(1994年-1998年)」の解説
1994年6月、登場以来11年ぶりにフルモデルチェンジを行い登場。初代同様に、車体は同社の軽ワンボックスカー「サンバーディアス」がベースとなった。 大型バンパーにより全長は長くなっているが、このバンパーはフェイクではなく、シャーシフレームの前後端を延長し、先端をY字形にすることで前面衝突安全を確保している。 エンジンは先代のEF12型を踏襲するが、燃料供給装置をキャブレターからEMPiに変更し、最高出力が61PSに向上している。また、これまでマニュアルのみだったトランスミッションにECVTを加え、AT全盛期にATが設定されていない不利をようやく解消した。フルタイム4WDについては、ECVTとの相性のため、試験的な性格の強いワンウェイクラッチ方式から、ビスカスカップリング方式へ変更したことで走破性が向上した。 リアクーラーもしっかりしたエバポレーター付のものになり、ようやくパワーウインドウ、パワーステアリング、集中ドアロックなどの時代に即した快適、便利装備が揃った。反面、先代の4WD車に装備されていたタコメーターは、2代目では省略されている。車重が1t超となったため自動車重量税が上がってしまったことは、初代に対するほぼ唯一のウィークポイントである。 快適装備は初代に比べると進歩をしたものの、ドミンゴを取り巻く状況は刻々と変化をとげていた。ベースとなった軽ワンボックスカーが660ccに排気量アップされ、ターボやスーパーチャージャーを搭載したことで、自主規制一杯の64PSまでのパワーアップを果していた。ただ、この点については、ターボチャージャー車はアクセル操作に対して過給気が反応するまでの所謂ターボラグがあってこれを嫌う層も少なくなく、また軽自動車のエンジンは定格回転数が登録車よりおおむね1,000rpm高いため、高速道路ではOD段でも回転数が4,000rpmを越え騒音や振動が酷くなる(特にサンバー、アクティ、エブリイ(3代目)以外はフロントキャブオーバースタイルのため、フロントシート下から侵入する騒音で高速道路では前席と後席で会話ができないような状態であった。ドミンゴはサンバー同様のリアエンジンのため特に有利だった)上に、燃費も悪化しやすくなる傾向にあったことから、ファミリー向けRVとしての商品性を念頭に置いたドミンゴにはまだアドバンテージは充分にあった。 一方、小型クラスのワンボックスワゴンでは、安全性とフロントシートへの乗降性を重視した、セミキャブオーバースタイルのミニバンへの世代交代が始まっていた。またエンジンもY型やCA型と言った、経済性重視、或いは基礎設計の旧いエンジンから、主力乗用車(セダン)にも劣らない新規設計のエンジンを搭載するのが通例となった。この中で、従来の改良版である61PSの3気筒1.2Lエンジン(この時点ではスバルの軽自動車でさえ4気筒エンジンを搭載していた)と、サンバーベースのキャブオーバーボディーでは時代遅れの感は否めなかった。2代目ドミンゴは開発費の都合上、既発売車をベースとせざるを得なかったうえ、発表時期がバブル崩壊のさなかであった為に初代ほどの人気は得られなかったが、11年前の基本設計を引きずっていた初代の末期に比べると、大幅なモデルチェンジを果たしている。 1996年、ルーフをポップアップ式とし、ベッドスペースを生み出すキャンピングカーとしての装備を加えた「アラジン」をラインアップに追加。「アラジン」の販売台数は282台であった。 1998年12月、同年10月の軽自動車の規格変更に伴うサイズアップで、オーバーラップが避けられないとの判断から、ドミンゴの生産を終了。以降は在庫対応分のみの販売となる。 1999年1月、在庫対応分が完売し、販売終了。これにより、2001年8月にトラヴィックが発売されるまでの3年間、スバルのラインナップから3列シート車は姿を消すことになる(更に自社生産の3列シート車はエクシーガ発売まで10年間途絶える)。翌年、三菱・タウンボックスワイド、スズキ・エブリイプラス、ダイハツ・アトレー7という新規格軽自動車をベースとしたワゴンが登場した。しかし2006年以降は、軽ワンボックスを基本に小型登録車向けに再開発したミニマムワンボックスワゴンの登場・販売はされていない。
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