1911年称号規程
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/13 08:47 UTC 版)
「国鉄客車の車両形式」の記事における「1911年称号規程」の解説
1911年(明治44年)1月16日付達第20号により制定された車両称号規程では客車の番号は形式別ではなく、一連の番号で付けており、番号だけでその形式を知ることができる。形式は、一連で付される同一形式車の最初の番号をとることとされ(したがって一の位が0の形式の車番は0から始まる)、車両の重量(換算両数)を表す記号(ボギー車のみ)と用途(等級等)を表す記号が併せて標記される。ただし同形式が予想以上に増備されると空き番がなくなる恐れがあった。 したがって客車の形式は、1941年称号規程で鋼製客車について改訂される以前は、厳密には番号のみで表される。しかし実際には分かり易さのために記号を前に付けた形で呼ばれることが多く、以下でもそれに従う。 現在と異なる用途の記号は、特別車=トク、試験車=ケンなど。また電車=デ、気動車=ジ(自動から。)も客車の内に含まれた(ただし電車・気動車ともに後ろにイロハの等級を付けない)。ボギー車の重量記号は、コ・ホ・ナ・オ・スのみで、積車換算両数から決められた。 当初は2軸車が1 - 4499、準客車が4500 - 4899、3軸車が4900 - 4999、ボギー車が5000 - 9999となるように考えられたが、のちに数回にわたって改訂が行われた。 ボギー車については、結局次の表のように番号が割り当てられた。1912年特急用客車の製造の際に4桁に収まりきらず10000番台を使用したこと、客車・電車の増加分に15000 - を使用したこと、また1918年(大正7年)以降に長軸ボギー台車をはいた客車に20000番台を割り当てたことなどにより、使用範囲が拡大した。 ボギー客車形式番号表 長軸以前長軸以降割当番号車種割当番号車種2軸ボギー客車5000 - 特別車、寝台車、食堂車 20000 - 特別車、1等寝台、1・2等寝台車 5100 - 1・2等車 20500 - 2等寝台、2等寝台緩急車 5200 - 2等、2等緩急車 20800 - 食堂車 5700 - 2・3等、2・3等緩急車 20900 - 1等食堂、2等食堂 6000 - 1等病客、2等病客車 21000 - 1等、1等緩急車 6100 - 電車(2等、2・3等、3等) 21100 - 1・2等、1・2等緩急車 6400 - 電車(付随車、荷物合造車) 21600 - 2等車 6500 - 3等車 22100 - 2等緩急車 7400 - 3等緩急車 22300 - 2・3等、2・3等緩急車、2等病客車 8000 - 3等郵便、3等郵便緩急車 23100 - 電車(2等、3等) 8200 - 3等郵便荷物車 23600 - 電車(付随車、荷物合造車) 8300 - 3等荷物車 23900 - 3等車 8500 - 郵便、郵便緩急、郵便荷物車 25200 - 3等緩急車 8800 - 荷物 26000 - 3等郵便、3等郵便緩急車 26600 - 3等郵便荷物、3等荷物車 27400 - 郵便、郵便緩急車 27500 - 郵便荷物車 27700 - 荷物車 3軸ボギー客車9000 - 特別、寝台、食堂、その合造、1等食堂車 28000 - 特別車 9200 - 2等食堂、1等、2等、1・2等車 28200 - 1等寝台 9300 - 2等、2等緩急車 28400 - 1・2等寝台、2等寝台、2等寝台緩急車 9400 - 2・3等、2・3等緩急車 28600 - 1・2等食堂、食堂 9500 - 3等、3等緩急車 28800 - 1等、1等緩急、1・2等、1・2等緩急車 9700 - 3等郵便、3等荷物車 29000 - 2等、2等緩急、2・3等、2・3等緩急車 9900 - 郵物荷物・荷物車 29300 - 3等、3等緩急車 10000 - 1等寝台、2等寝台、食堂車 29700 - 3等荷物、3等郵便、郵便車 29900 - 郵便荷物、荷物車 2軸ボギー客車15000 - 客車(5000 - 8999の増加分) 16100 - 電車(〃) 16500 - 客車(〃) 1927年(昭和2年)の鋼製客車(当時のオハ44400形の系列、のちのオハ31系)の登場にあたっては、空き番号の40000番台が割り当てられた。ただし千位以下の数字で形式を区分する方式は20000番台と同様である。
※この「1911年称号規程」の解説は、「国鉄客車の車両形式」の解説の一部です。
「1911年称号規程」を含む「国鉄客車の車両形式」の記事については、「国鉄客車の車両形式」の概要を参照ください。
1911年称号規程
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/17 15:01 UTC 版)
「国鉄貨車の車両形式」の記事における「1911年称号規程」の解説
1911年(明治44年)1月16日付達第20号により制定された車両称号規程では、貨車の名称・記号は次の通り。 有蓋車名称記号由来有蓋貨車 ワ ワゴン 非常車 ヒ ひじょう 魚運車 ウ うお 石灰車 カイ せっかい 水槽車 ミ みず 家畜車 カ かちく 緩急車歯車付 ピフ ぴにおんぶれーき 油槽車 ア あぶら 馬運車 ム むま(馬) 雪掻車 ユキ ゆき 冷蔵車 レソ れいぞう 瓦斯槽車 カス ガス 家具車 カグ かぐ 無蓋車名称記号由来炭水貨車 タス たんすい 無蓋貨車 ト トラック 無蓋貨車材木車兼用 トチ トラック・チンバー 石運車 セキ せき(石) 鉄桁運搬車 ケタ けた 底開き式石炭車 タ せきたん 土運車 ツ つち 土運車材木車兼用 ツチ つち・チンバー 材木車 チ チンバー コークス車 コク コークス 車運車 シヤ しゃ(車) 石炭車 セ せきたん ボギー貨車は積載重量により次の仮名文字を記号に冠する。20トン以上=オ。10トン以上=ホ。10トン未満=コ。 車体が鉄製のものは「テ(てつ)」を、鉄張(木骨鋼板張り)のものは「テハ(てつはり)」記号を冠し、前者は「鉄製」を、後者は「鉄張」をその名称に冠す。但しボギー車にあっては、本項の記号は前項積載重量記号の次位に付す。 車掌の乗務すべき設備がなく,単に手用制動機のみを有するものは「フ(ブレーキ)」をその記号の最上位に冠して「何々手用制動機付」と称し、又その設備あるものは「フ」をその記号の末尾に付し、何々緩急車と称する。 形式称号は同形式中の最初の番号に当該記号を冠したものを用いる。 車両の番号は機関車、客車、有蓋の貨車、無蓋の貨車および石炭貨車の5種に分け、各別に順を追って付ける。 同じ形式の車両はなるべく同一数字を冠する番号を付し、他の形式車両との間には将来増加すべき同形式車両に付すべき相当の番号を保留してよい。
※この「1911年称号規程」の解説は、「国鉄貨車の車両形式」の解説の一部です。
「1911年称号規程」を含む「国鉄貨車の車両形式」の記事については、「国鉄貨車の車両形式」の概要を参照ください。
- 1911年称号規程のページへのリンク