郷土医杉浦健造と三郎父子とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > 郷土医杉浦健造と三郎父子の意味・解説 

郷土医杉浦健造と三郎父子

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 05:54 UTC 版)

地方病 (日本住血吸虫症)」の記事における「郷土医杉浦健造と三郎父子」の解説

中巨摩郡西条村(現:中巨摩郡昭和町)の杉浦健造医師、健造の娘婿である三郎の父医師は、代々同村開業医として地方病患者の治療当たってきた郷土医である。2人献身的な治療を行うと同時に、この疾患対す予防の知識通じた啓蒙活動住民行い続けた。 しかし、一向に減らない地方病感染防止難しさ感じ、この奇病根本的に根絶するには中間宿主であるミヤイリガイ撲滅しかないと考えミヤイリガイ天敵であるホタル幼虫増やすための餌となるカワニナや、捕食動物としてのアヒルなどを飼育する施設自宅兼ねた医院敷地内作り、また共に闘う他の医師たちへ金銭的な援助を行うなど、私財投じてミヤイリガイ撲滅への活動始めた。 やがてそれは官民一体による地方病撲滅運動発展し1925年大正14年)に『山梨地方病撲滅期成組合』が結成され終息宣言迎え71年後までの長期間にわたり山梨県一丸となって進められた。 1933年昭和8年)に健造が亡くなると、その遺志娘婿である三郎によって引き継がれ1947年昭和22年10月14日から2日間の日程山梨県行幸した昭和天皇地方病有病地視察三郎案内務めた中巨摩郡玉幡村地図、現:甲斐市)で視察行われ当時甲府盆地における地方病状況説明顕微鏡使った卵やセルカリア観察ミヤイリガイ生息状況観察などが行われた。 その後三郎は、水田作業従事者対す経皮感染予防低減するための塗り薬製薬会社共同開発したり、後述する住血吸虫感染調査のために甲府盆地訪れたアメリカ進駐軍関係者らと意見交換等を行った。さらに1949年昭和24年)に創設された「山梨県医学研究所」(後の山梨県衛生環境研究所)の初代地方病部長就任し行政医療関係等、各方面との調整役務めるなど、戦後地方病撲滅運動において大きな役割果たした杉浦三郎1977年昭和52年10月16日亡くなり杉浦醫院閉院された。杉浦三郎往診出向いた外出先で倒れそのまま他界したため、後継者のいなかった同医院は、内装各種薬品器具等が往診出掛けたそのままの状態で保管され続けた2010年平成22年)に杉浦家の土地・建物昭和町により購入され同家より全ての収蔵品寄贈受けた昭和町では、地方病研究治療生涯をかけた健造、三郎医師業績病気立ち向かった先人達の足跡後世伝承しいくため建物整備し、『昭和町 風土伝承館杉浦醫院』(北緯3538分25.2秒 東経13831分57.2秒 / 北緯35.640333度 東経138.532556度 / 35.640333; 138.532556 (杉浦醫院))として同年11月16日設立公開した杉浦三郎だけでなく、この病気解明治療取り組んできた他の郷土医や研究者は、地方病終息見届けることなく太平洋戦争終戦前後相次いで亡くなっている。1944年昭和19年9月3日吉岡順作亡くなり享年81)、1946年昭和21年4月5日桂田富士郎享年79)が、奇しくも翌日4月6日宮入慶之助享年81)がこの世去った三神三朗は晩年自身生涯にわたる研究出発点となった甲府市向町盛岩寺にある杉山なかの墓参足繁く通い、なかの墓前無言のまま長時間頭を下げていたという。また、一生現役郷土開業医貫き亡くなる1週間前まで地方病患者の手握り脈拍確かめていた。意識のなくなる直前長女礼子に紙と筆を用意させると、床の中から仰向けのまま、「川中で 手を洗いけり 月澄みぬ」と、辞世の句記した。川で手を洗うという、ほかの場所であれば当たり前の何気ない日常を、命尽き最期の瞬間まで夢見た三神三朗は、地方病のない甲府盆地未来を後進託し1957年昭和32年3月13日85歳この世去った

※この「郷土医杉浦健造と三郎父子」の解説は、「地方病 (日本住血吸虫症)」の解説の一部です。
「郷土医杉浦健造と三郎父子」を含む「地方病 (日本住血吸虫症)」の記事については、「地方病 (日本住血吸虫症)」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「郷土医杉浦健造と三郎父子」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「郷土医杉浦健造と三郎父子」の関連用語

郷土医杉浦健造と三郎父子のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



郷土医杉浦健造と三郎父子のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの地方病 (日本住血吸虫症) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS