適用される団体や組織の定義の問題とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > 適用される団体や組織の定義の問題の意味・解説 

適用される団体や組織の定義の問題

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/11 23:44 UTC 版)

共謀罪」の記事における「適用される団体や組織の定義の問題」の解説

従来より組織犯罪処罰法第2条(#条文)の定義する団体さまざまな形態をとりうる組織犯罪集団カバーするべく、その実質から団体組織認定するよう広範な形で定義されていて、政府案における共謀罪対象となる団体組織はその形式そのまま踏襲されている。 これまでの組織犯罪処罰法においては限定列挙され少数犯罪について、しかも既遂のものについての加重処罰定め範囲としてこうした定義を用いてきたが、共謀罪政府案では広範な犯罪について共謀段階についても同じ定義を用いたため、適用団体組織範囲論点となった反対派の意見 労働組合闘争計画の立案市民団体各種抗議行動立案などが組織的な威力業務妨害共謀とされるなどして集会・結社・表現の自由制約してしまう。あるいは居酒屋でそりの合わない上司叩きのめしやりたいなどと冗談言って憂さ晴らせ組織的な傷害共謀とされるなどして私生活上の自由を制約してしまう。また、著作権法により著作権著作隣接権著作者人格権侵害対象となることから、ネット上でファンクラブ活動ゲームユーザグループ活動において私的使用目的改変のための情報交換が、権利侵害証拠なしに共謀罪みなされうるといった萎縮効果おこりうる共謀罪対象となる団体について構成要件それ自体法的に分析すれば、とくに与党修正案場合居酒屋での冗談程度のものは排除されるという点については賛同説のいうとおりとも考えられるが、捜査というものは捜査機関にとって事実関係不明であるからこそ行われること考えると、居酒屋での冗談であっても関係者被疑者目され捜査対象となり、捜索差押を受けるとか逮捕されるといった種々の権利・自由の制約受けたり、あるいは社会的評価低下見舞われる危険が常に残る。また、来正当な目的活動団体企業犯罪目的団体化する場合と、正当な目的活動団体がたまたま対象犯罪にあたる内容共謀した違法性に気がついて着手せず取り止めた場合区別も、政府案や当初与党修正案においてはできていない(この点については与党修正案では一定の前進見られる)。その危険は、ある程度までは運用により回避できるであろうが、運用妙に依存するのでは独裁者慈悲にすがるのと同じであり、根本的な解決とはならないパレルモ条約では「組織的犯罪集団」の定義に「金銭的利益その他の物質的利益直接又は間接に得るため」との文言入っており、定義自体からも、組織犯罪集団マフィア暴力団など専ら金銭的利益目的とした犯罪だけを目的としている団体のことを指し通常の会社市民団体労働組合などを含まないことがわかるが、従前からの共謀罪法案及び今回テロ等準備罪法案における「組織的犯罪集団」の定義には、「金銭的物質的な利益を得る目的」であることを必要とする限定見られず、この点は政治宗教目的行為などを規制対象から除外する上で重要なのであるにもかかわらず無視されているとの意見がある。 巧妙化し無差別化するテロ行為未然防止するための法整備確かに必要であるが、テロ犯罪通常政治的宗教的・信条的などの理由基づいて行われるものであって利得主たる目的とするものでなく、しかも単独行われることがあることから、テロ対策立法は、テロ対策目的としていないパレルモ条約批准のため組犯罪対策立法とは別個のものとして考えるべきであるとし、テロ対策立法については、フランス刑法の「テロ行為罪」のように、厳格な構成要件によって規定されるべきであり、また、検挙対象とする準備行為についても、生命身体対す重大な侵害等の行為具体的に規定すべきであるとする一方今回テロ等準備罪法案における「準備行為」の解釈に関して拡張解釈を許すものであり、「刑罰法規明確性」が要求される罪刑法定主義基本原則照らして適当でないとする意見がある。なお、テロ集団資金集めなど、金銭的利益のために行った犯罪については、組織犯罪対策立法処罰対象なり得るまた、フランス刑法では、テロ犯罪処罰に関する条項において、テロ集団マネー・ローンダリング(資金洗浄に対して罰則設けている。 賛成派の意見 そもそも正当な争議行為合法市民運動刑法35条によって違法性阻却され処罰されない民主党修正案では、共謀罪適用団体極めて限定的に規定しており、通常の労働組合市民団体犯罪実行を「主たる目的」としていないのは明白であるのに、反対派法案文言無視して市民団体への適用可能性拘っている。 居酒屋の「冗談」は共謀罪に言う「共謀」にあたらないのは明白である。そもそも捜査」の対象になるであろうという推測自体疑わしい捜索差押えには裁判所発行する令状」が必要だが、そもそも明白に適用除外される「居酒屋での冗談」に犯罪嫌疑があると認定されるわけもなく、令状発行される可能性極めて低い。正当な目的活動団体が、たまたま犯罪行為共謀し検討結果違法判明した事例について、自民党中間案に問題があったのは反対論言うとおりだが、自民党自体がその非を認めて民主党案に賛成している。議論が古い。

※この「適用される団体や組織の定義の問題」の解説は、「共謀罪」の解説の一部です。
「適用される団体や組織の定義の問題」を含む「共謀罪」の記事については、「共謀罪」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「適用される団体や組織の定義の問題」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

適用される団体や組織の定義の問題のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



適用される団体や組織の定義の問題のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの共謀罪 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS