西米良の焼畑農耕用具とは? わかりやすく解説

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西米良の焼畑農耕用具

名称: 西米良の焼畑農耕用具
ふりがな にしめらのやきはたのうこうようぐ
種別 生産生業用いられるもの
員数 515
指定年月日 1986.03.31(昭和61.03.31)
所有者 西米良村西米良村歴史民俗資料館保管
所有者住所 宮崎県西米良村
管理団体名:
備考 地ごしらえ102点,コバ25点,コバつくり26点,とり・カジメ37点,取り入れ・穂あやし94点,こしらえ47点,ほうごと(信仰儀礼25点,作小屋159
解説文: 西米良村は、一ツ瀬川とその支流との最上流域位置する日向地方典型的山村地域で、総面積の九割以上が山林原野占められている。この生活している人々は、古くから険阻な山並み連なる山腹斜面焼畑農耕利用して主食糧を自給してきたものの、戦中戦後動乱期を経てその後食糧事情食生活の変化などにより往時山村生活は一変してしまった。
 この地域営まれてきた焼畑農耕は、ヒエ・アワなどの主穀を栽培するコバコバ焼畑農耕の意味)と大根ソバなどを栽培するコバとに大別されいずれもカシ・タブなどの繁茂する主として常緑広葉樹林照葉樹林)を一定の期間(二〇年前後から五〇年前後)をおいて伐り拓き、経験に基づき一定の作物輪作西米良村大字村所の秋コバでは、第一年目ヒエ第二年目ヒエ第三年目小豆【あずき】、第四年目アワ栽培)した後で放棄するという点では共通し、作小屋寝泊まりして農作業従事する形態広くみられた。
 この西米良の焼畑農耕用具は、使い捨てられやすい難点をよく克服して西米良村のほぼ全域から詳細に収集されたものであり、単純な形態ながらも焼畑農耕過程実態知り農耕作業従事してきた人々折り目折り目抱いた心意表徴する用具網羅している。焼畑農耕第一過程である農地整えるヂゴシラエ(地ごしらえ用具には、道きりあけや下草刈り、立木を伐ったり、枝払いなどの作業使用する鉈【なた】・鎌【かま】・腰鋸【こしのこぎり】の類をはじめ、伐り倒し困難な大樹落として立枯れにするため能率よく樹間移動する使用したツク(木おろし竿)などがある。次のコバ焼き火入れ用具には、防火用のヒボテ、火つけ用のタイマツ燃え残り集めて焼くキヤキ(木焼き)用のヨセボウ(寄せ棒)などがあり、身近にある素材単純なままに使用したものが多くコバづくり用具には、急斜面土留め横たえるシャレギ(木の棒)のほか種入れ袋やヤマグワ(鍬)・イモウエボウ(掘り棒)など、とりやカジメ(かかし)など管理用具には、カビ蚊火)や害獣除けのサゲジメや各種の罠類などがある。さらに取り入れ・穂あやし(収穫脱穀用具には、穂を手元寄せるために使うサオ(竿)、ヒエチギリボウチョウ(穂首を切る庖丁)、脱穀実際に用いるメグリボウ・タタキボウ、をつなぐシナグシ(竹串)、乾燥用のバラ(丸い竹製の器)など地域的特色のあるものが数えられるこしらえ精白調整)関係用具には、穀類精白使った大釜粉ひき用のヒキウス計量用の各種類、ほうごと(信仰儀礼用具として、山入に際して山の神捧げるカケグリ、火入れに際してコバ立てお札、餅・赤飯をつくるための臼・杵せいろう衣服などを容れて運ぶための和紙製のタナテゴ(背負い袋)などの用具類収集されている。また、小屋用具には寝泊まりして農耕作業従事するための食住関係の用具類仕事着類などを収集している。
 当該西米良村所蔵する西米良の焼畑農耕用具は、西米良における焼畑農耕実態を知る上で貴重であるばかりでなく、我が国各地展開されてきた焼畑農耕をめぐる習俗比較資料として有益なのである



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