西斗月拳とは? わかりやすく解説

西斗月拳

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/26 03:20 UTC 版)

西斗月拳(せいとげっけん)は武論尊監修、原哲夫作『蒼天の拳』に登場する架空の拳法。

概要

古代中央アジアから西アジアに広く栄えていた月氏の民が興した拳法[1]。月氏族はインドから中国仏教経典を運び、最も早く仏教を伝えたことが史実である。
遊牧の民、月氏の源流は古代メソポタミアまで行き着くことから、西斗月拳の萌芽はシルクロードを辿る時代のペルシアよりもたらされる[1]

西斗月拳は「点穴」に境地を求める拳法で、北斗神拳の代名詞、秘孔突きは西斗月拳の点穴の術から取り入れられた。西斗月拳は一撃必殺ではなく、戦場で複数の経絡秘孔を突くことで、敵に致命の傷を与えることを肝要としており、一方、北斗宗家の拳は受け技が極められ同門同士では実戦での戦闘能力がない。それを北斗宗家稀代の天才・北斗神拳始祖シュケンが西斗月拳の門弟になることによって北斗宗家の拳と融合させ、一撃必殺の秘穴の術を完成させ、地上最強の暗殺拳「北斗神拳」を極めるに至った。北斗神拳の「狼の血」は西斗月拳から伝えられた。

北斗宗家の高僧たちの密命によって、シュケンは西斗月拳が邪悪なる目的で使用されるのを防ぐため西斗月拳の高弟たちを皆殺しにする。しかし、シュケンが愛する女弟子ヤーマは、シュケンの子を身ごもった状態で自ら谷に身を投げたにもかかわらず、一命を取り留めてシュケンの子を出産していた。やがてその事実は月氏の人々に知れることとなり、ヤーマは我が子の助命と引替えに自害する。

劇中でヤサカがシュケンとヤーマの子孫であることが明らかとなるが、2000年前に滅亡したはずの西斗月拳がいかにして1930年代のヤサカによって伝承されているのかは謎のままである。

使い手

極十字聖拳の流飛燕を少年を囮とし、不意打ちで秘孔を突いて捕らえる(この時は手で直接突かず、針状の飛び道具を使用)。その後の飛燕との一騎討ちでも、飛燕を北斗神拳を見切るための試し相手として扱い、死を覚悟し相打ちを狙った飛燕ですらも手傷を負わせるに留まる。
霞拳志郎とは、飛燕と戦った後に手傷を負った状態で戦ったが、拳志郎が繰り出した北斗百裂拳を薄皮一枚で見切って、死んだふりをするなど五分に渡り合った。又、「天授の儀」に臨む直前の劉宗武に挑み、宗武の必勝の拳をかわしてみせた。

技は未詳だが、北斗劉家拳の劉宗武すらも手傷を負うほどの拳力を秘める。また元祖であるがゆえに、経絡秘孔を操る術にかけては北斗神拳と同等か、それを凌ぐ可能性がある。ヤサカ自身が「戦場の拳」と豪語するように、忍び寄っての「暗殺拳」である北斗神拳とは異なり、戦場の混乱の中で相手をいかにしとめるかという事に特化した拳法である。

操孔針
ヤサカが流飛燕を捕えるために使った技。秘孔を操作するため、相手の体に針を打ち込む。針を突き立てられし者は、西斗月拳の拳士に身体の自由を掌握されてしまう。

奥義

相雷拳
ヤサカが捕らえた流飛燕に対し「負けはない」と言い放った奥義。後に飛燕との戦いにて使う。それは拳を背に隠して相手に間合いを計らせず、その状態で相手に攻めかかるものだが飛燕の拳で自らも傷つき、一見するとただの相打ちだった。だが、この奥義の極意は事前に複数の秘孔を突き、相雷拳での突きが止めの一撃となるものである。事実飛燕は相雷拳を受けた直後、傷つきながらも立っているヤサカとは対照的に、ヤサカをして「放っておいても衰弱して死ぬ」程の重傷を負った。

関連項目

脚注

  1. ^ a b 『公式 北斗の拳VS蒼天の拳 オフィシャルガイドブック』「拳法概論」(コアミックス 2007年4月刊)

西斗月拳

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/09 06:56 UTC 版)

蒼天の拳」の記事における「西斗月拳」の解説

ヤサカ 声 - 佐藤せつじ / 若本規夫 緑色の目をした男。杜天風用心棒として拳志郎らに戦い挑む北斗神拳憎悪しており、北斗の名を冠する傍流はおろか偽者すら容赦しない劇中では自ら閻王騙る偽者用心棒に対して、彼が閻王(拳志郎)の偽者知りながら秘孔突き笑み浮かべながら殺した。女を決して手にかけないという信念を持つが、反面に対してこの限りではなく飛燕捕らえる際には少年を囮にした。 杜天風迫った宗武が仇を討てると半ば油断していたその隙を突き、宗武を襲撃し傷を負わせ天風逃走させた。新月夜に月氏の神への生贄」として飛燕戦い致命傷を負わせた直後に、遭遇した志郎と戦うも、日本軍国民党軍との戦い迫ってきたので戦い中断して去る。拳志郎との「天授の儀」を控えた宗武を殺すべく姿を現した際は、剃髪しヤサカいわく「生きること無気力ゆえにあったどこか投げやりな隙」が無くなった宗武の姿を見てその実力や才を見抜く。そして、そんな宗武が北斗神拳1800年歴史終止符を打つかも知れぬという思考北斗対す怨讐の念すらむほど拳法家としての本能痺れさせられ、「死合い勝者を屠れば事足りると言い放って宗武との決着見送り天授の儀を傍観することを決める。 ヤサカの名は古代ヘブル語で「神を見る」を意味しヤサカ自身も神が見えていることを示唆する発言をしている。 天授の儀を終えた志郎から、自身もまた北斗の血を継ぐ者であることを教えられるが、それでもなお志郎への勝負挑む敗北するが、飛燕との約束遵守する志郎は命を取らず上海へに連れて行った飛燕墓前エリカ会いから借り受けた拳銃渡しエリカ裁き受けようとするが撃たれることはなく、一応の赦し得たその後、墓に静かに手を合わせて飛燕冥福祈った。これ以降生涯をかけて飛燕殺した罪を償うために、エリカ護衛買って出ることになる。 『リジェネシス』では、エリカ保護者のような立場になっており、オランダ軍囚われていたエリカ救出に拳志郎と共に向かっている。 アニメ版REGENESIS』では序盤から登場しギーズ殺害したかに思われていたが、実際ヤサカではなく天斗聖陰拳のシメオン・ナギットがとどめを刺していた。その後、拳志郎との戦いで自らの宿命知り飛燕殺した罪を償うためにエリカ護衛務める。エリカジェネシスアジトに拐われた際にヒムカ対峙して敗れるが、最後の力を振り絞って立ち上がりアジト自爆からエリカたちを逃がすために道を作り、緋に後を託して瓦礫中に消えたヤーマ 声 - 甲斐田裕子 二千年前歴史の闇に消えた西斗月拳の女弟子シュケン経絡秘孔秘術伝授していく中で彼を愛し子授かったシュケンが西斗月拳の封印を平和のために実行しようとする時は、シュケンへの愛から受け入れ、「平和を成すには悲しみを知る必要がある」と崖から身を投げ自殺図った。しかし、助けられたことで子を産み親子2人生きていこうと決意するが、月氏族に捕らえられ裏切り者であるシュケンの子を殺すと追い詰められる自身の命で我が子を救うよう懇願した後、剣で自ら胸を突いて自害したシュケンヤーマ兄弟子 声 - こばたけまさふみ 弟弟子シュケンや妹弟子ヤーマ面倒を見ていた西斗月拳の弟子新月夜に西斗月拳を封印する使命帯びたシュケンから涙ながらに一撃を受け、最初の犠牲者となった。死の間際ヤーマシュケンの子身籠っていることを打ち明けたアニメでは兄弟子ではなく兄と表記された。 シュケンとヤーマの子 ヤーマシュケンと愛を育む中で身籠った赤子ヤーマ思いとは裏腹に月氏族からは「裏切り者シュケンの子」と蔑視される。族長から「この場に置き去りにしてもいずれは死ぬが、天が望めばヤーマ願い叶えられる」と置き去りにされるも、現れから乳を与えられ生き延びた 声 - 高麗 月氏の遺跡入った志郎前に姿を現した、人語を話す正体は、かつてシュケン殺され月氏怨念集合体であり、シュケン北斗神拳への恨みからこのような姿になった。拳志郎襲い掛かるが彼がシュケン如く涙する姿を見て攻撃止めたシュケン悲しみ消えないように自らの恨み消えぬと言い残し本来の姿女性遺体)へ戻った。この光景目撃した志郎女性ヤーマ推察した古くヤーマとは別の存在で、ヤーマその子供、そしてシュケン更なる試練与えるかの如く、命を救い結果としてヤサカに繋がる「北斗神拳憎悪するシュケン血筋」を残した。拳志郎は宗武との戦い終えた直後、この事実を知る。

※この「西斗月拳」の解説は、「蒼天の拳」の解説の一部です。
「西斗月拳」を含む「蒼天の拳」の記事については、「蒼天の拳」の概要を参照ください。

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