自強運動と軍の近代化とは? わかりやすく解説

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自強運動と軍の近代化

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/24 05:28 UTC 版)

清の兵制」の記事における「自強運動と軍の近代化」の解説

火薬発明したのは中国であり、中国戦争では宋王朝時代から火薬使われ続けてきたが、ヨーロッパ産業革命結果現代的な火器登場したことにより、中国伝統的な訓練装備による陸軍・海軍陳腐化ていった1860年屈辱的な北京占領円明園略奪の後、曽国藩李鴻章のような官僚たち満州人文祥西洋進んだ武器技術習得し西洋軍事組織模倣しよう努力した中国兵現代的な小銃装備して外国将校指揮する別の旅団一例フレデリック・タウンゼント・ウォード、後にチャールズ・ゴードン指揮した常勝軍)は、曽国藩李鴻章太平天国の乱鎮圧するのに活躍した李鴻章淮軍西洋式小銃装備して西洋式訓練いくらか取り入れた。その一方北京では恭親王奕訢文祥神機営というエリート部隊創設した神機営ロシア小銃フランス大砲装備してイギリス人将校訓練をした。2500人の旗人より成るこの部隊十倍上の賊軍破った時には良質装備良質訓練受けた少数精鋭があれば、首都防衛は十分可能であるという文祥着想証明したかにみえた。 軍の改革主眼は、兵器改善することに置かれた。現代的な小銃弾薬生産するために曽国藩蘇州兵器廠創設したその後上海移転され江南機器製造總局拡張された。1866年には左宗棠指導の下で洗練された福州船政局創設された。これは沿岸防衛のために現代的な軍艦建造することを目指していた。福州船政局では1867年から1874年までの間に15隻の船を建造した。他の兵器廠南京天津1870年代から1880年代華北陸軍対す主な弾薬供給源となった)、蘭州北西部起こったイスラム教徒大規模反乱鎮圧する左宗棠支援するため)、四川山東作られた。福州造船廠の顧問務めたフランスの海軍士官プロスペ・ジケルは、1872年中国急速に西欧列強の手強いライバルになりつつあると書いている。 これらの改革改善おかげで清朝国内の反乱に対して全般的に優勢となった1864年太平天国滅ぼした後、新式装備軍隊1868年には捻軍反乱1873年には貴州ミャオ族反乱同じく1873年には雲南パンゼーの乱、そして1877年には新疆1862年から続いていた大規模なイスラム教徒反乱破った国内の反乱鎮圧したことに加え、清は外国とも戦って比較成功した。清軍は1874年日本による台湾出兵外交的に解決することに成功し1881年にはロシア人イリ川から追い払い1884年から1885年清仏戦争では、海戦多く失敗重ねたものの、膠着状態に持ち込んだ。 軍近代化改革結果として実質的に軍事力向上したが、1894年から1895年日清戦争において、明治維新後の日本完敗したことによって、軍事力はまだ不十分であることも露呈した清国最強部隊名高かった淮軍北洋艦隊いずれも李鴻章指揮)も、日本のよりよく訓練され、よりよく指揮され機敏な陸海軍には及ばなかった。 日清戦争における驚くべき敗北と、その後屈辱的な結末をみると、それまで軍事改革が完全な失敗であったかのようにもみえる。長い間西洋中国学者たちは、軍の近代化阻んだ要因として、中国人あるいは満州人自民族中心主義と、華夷秩序世界観近代化要請相容れない点を挙げてきた。より具体的な要因としては、財源不足(特に1875年以降は新税と関税財源が他の目的取られしまっていた)、西洋的な訓練技術適合することへの抵抗感、そして文祥李鴻章といった指導者個人への過度な依存挙げられる自強運動時期朝廷による近代化努力は、多く歴史家たちによる後智恵視点でみると、少しずつではあるが、いくつかの永続する成果もたらしたと言える清朝末期近代化努力進んでいたが、見かけ上は失敗したようにも見える。その理由は、財源不足や、政治的意思の不足や、伝統捨てることへの抵抗など、色々と挙げられる。これらは現在でも議論の残る部分である。

※この「自強運動と軍の近代化」の解説は、「清の兵制」の解説の一部です。
「自強運動と軍の近代化」を含む「清の兵制」の記事については、「清の兵制」の概要を参照ください。

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