背景・出版経過とは? わかりやすく解説

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背景・出版経過

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/25 17:03 UTC 版)

「細雪」記事における「背景・出版経過」の解説

谷崎第二次世界大戦中1941年昭和16年)に谷崎潤一郎訳源氏物語旧訳)を完成させ、1942年昭和17年9月下旬には山梨県南都留郡勝山村現在の富士河口湖町勝山)の河口湖湖畔にある富士ビューホテル滞在しており、その滞在中の様子モチーフとした場面が『細雪下巻描かれている。 1943年昭和18年)、月刊誌中央公論1月号と3月号に『細雪』の第1回第2回掲載された。夫人松子義姉義妹たち4姉妹の生活を題材にした大作だが、軍部から「内容戦時そぐわない」として6月号の掲載止められた。 谷崎はそれでも執筆続け1944年昭和19年7月には私家版の上巻を作り友人知人配ったりしていたが、それも軍により印刷配布禁止された。中巻(544)も完成した出版できなかった。疎開経て終戦後京都鴨川べりに住まい移し1948年昭和23年)に作品完成させた。 戦後発表再開されたものの、今度GHQによる検閲を受け、戦争肯定連合国批判見え箇所などの改変余儀なくされた。それらの過程経た細雪全巻発表経緯を以下にまとめる。 1943年昭和18年)上 - 『中央公論1月号、3月1944年昭和19年私家版細雪 上巻』(非売品)を7月刊行1946年昭和21年)『細雪 上巻』を6月中央公論社より刊行1947年昭和22年)『細雪 中巻』を2月中央公論社より刊行。 下 - 『婦人公論3月号-12月1948年昭和23年)下 - 『婦人公論1月号-10月号 『細雪 下巻』を12月中央公論社より刊行1949年昭和24年)『細雪 全巻』を12月中央公論社より刊行。 『細雪』はベストセラーとなり、谷崎毎日出版文化賞1947年)や朝日文化賞1949年)を受賞した1950年代に、英語(The Makioka Sisters(英語))に翻訳アメリカで出版されたことを皮切りに世界各国でも出版されており、スロベニア語ドイツ語イタリア語中国語スペイン語ポルトガル語フィンランド語ギリシャ語フランス語セルビア語ロシア語韓国語オランダ語チェコ語トルコ語翻訳されている。 なお、作中には年号表記出てこないが、作中四季移り変わりと、阪神間襲った大きな気象災害土砂災害)が克明に描かれているため、この作品日中戦争勃発前年1936年昭和11年)秋から日米開戦1941年昭和16年)春までのことを書いているとされている。 『細雪』の舞台となった場所 兵庫県武庫郡住吉村現・神市東灘区)の谷崎の旧邸は、保存運動NPO法人谷崎文学友の会」と地元住民によって進められ六甲ライナー建設による移築保存1990年平成2年)に成しとげ、「倚松庵」と名づけられている。 岐阜県不破郡垂井町表佐地区業平川)が5月下旬から6月中旬にかけての「蛍狩り」の舞台である。同町で谷崎執筆する為に使用した爛柯亭」は現在同県郡上市移築されている。

※この「背景・出版経過」の解説は、「細雪」の解説の一部です。
「背景・出版経過」を含む「細雪」の記事については、「細雪」の概要を参照ください。

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