職務・任用とは? わかりやすく解説

職務・任用

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/14 13:57 UTC 版)

老中」の記事における「職務・任用」の解説

老中は、大目付町奉行遠国奉行駿府城代などを指揮監督し、朝廷公家大名寺社に関する事柄知行割りについてなどを統轄した定員は4人から5人で、普段業務月番制で毎月1人担当し江戸城本丸御殿にあった御用部屋呼ばれる部屋詰め所執務室とし、重大な事柄については合議した。また、外部漏れてはいけない重要なことを話し合う時には盗聴当時盗聴器はないので床下天井裏、外からの盗み聞き)をされないよう、さらに文書として証拠残らない最善策として御用部屋置かれていた囲炉裏の灰の上筆談をした。実際に担当ではない者も月番の者と同じように、重要な事柄合議・処理をしたりしていた。また、諸大名統治職務としており将軍命令老中奉書大名下達した。担当大名幕府の間を事前に調整・指導して取り持つ取次の老中呼ばれる立場ものもいた。 将軍首相に喩え老中閣僚看做すような比喩があるが、上記通り実際にはかなり異なる。老中政務全般担当し月番交代ないし協議しており、現在の閣僚のような政務分掌行っていない。江戸幕府制度では政務分掌は各奉行レベルによってなされた。しかし、後に1人老中首座とも呼ばれる勝手掛老中として財政専任させ、老中筆頭として政治行ったこの他時によって西の丸老中置いた西の丸老中幕政には関与せずもっぱら西の丸居住する大御所将軍嗣子家政総括していた。慶応3年1867年)に幕末幕政改革月番制を廃止し国内事務会計外国事務陸軍・海軍の5人の総裁それぞれ専任する体制となり、現在の閣僚のような政務分掌が行われた。 執務時間は約4時程度だったと言う一般的には老中午前10時ごろ江戸城登城午後2時ごろに退出したまた、老中就任すると、西之丸下(現在の皇居外苑)に屋敷替えになることが多かった江戸城詰めることが多くなるため、関東周辺領する大名家老中などの幕府要職就任する例が多めであり、遠国大名老中就任に伴い下総国佐倉藩などの江戸により近い場所へ転封される例も多かった逆に言えば遠国領している場合幕閣特に老中として幕政参与することは難しくなる幕閣での出世強く望んでいた肥前唐津藩主の水野忠邦はそのために、実収入の多い唐津から、実収入激減する江戸により近い遠江国浜松藩への転封画策してこれを叶え以降幕閣出世し老中就任している。 老中になるためには、通常5万石以上の譜代大名という規定があった。しかし例外もあり、家禄要件に満たなくても譜代大名であれば才能次第老中格ろうじゅうかく)に登用される道が開かれており、老中より一段格が落ちるものの職責はほとんど老中のそれと比べて遜色がなかった(ただし、老中奉書への連署は行わなかった)。老中格から老中になる例もあった。また、幕府役職に就くのは不可能である外様大名でも、願い譜代外様から譜代扱いにしてもらうこと)となり老中などの幕閣連なった例もある。 老中就任者は前職として、側用人京都所司代大坂城代など将軍直属役職から転じる例が多かった大坂城代任じられ大名は、それまで官位従五位であった者は従四位下に昇任するのが通例である。さらに、京都所司代老中任じられる従四位下・侍従に昇任するのが通例であった。なお、従四位下以上は天皇への謁見ができる。 老中と同じ官名○○守、○○大輔など)は、自主的に避けられた。新たな老中就任すると、同じ官名大廊下詰め大広間詰め溜間詰め以外の大名旗本自主的に官名変更した老中老中話しかける時は、相手官名に「殿」を付けて呼んだ

※この「職務・任用」の解説は、「老中」の解説の一部です。
「職務・任用」を含む「老中」の記事については、「老中」の概要を参照ください。

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