現在の皇居
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/06 19:04 UTC 版)
明治以降の皇居は、幕末まで徳川将軍家が居城としていた江戸城跡にある。江戸城の内郭(内堀内)には、本丸、二の丸、三の丸、西の丸のほか、西寄りの部分には「吹上」と呼ばれる庭園があった。「吹上」はかつては屋敷地であったが、明暦の大火(1657年(明暦3年))以降、火除け地として、建物が建てられないようになっていた。 皇室関連施設のうち、宮殿や宮内庁庁舎などは旧西の丸に位置するが、天皇の住まいである御所は江戸城の「吹上」、現在の「吹上御苑」に建てられている。旧西の丸と吹上御苑は道灌堀という堀で隔てられている。城郭としての江戸城は本丸、二の丸、三の丸および西の丸部分のみを言い、道灌堀の西側にある庭園部分は厳密には江戸城には含まれないので、御所は城郭としての江戸城跡に建っているわけではない[要出典]。皇居と呼ばれる区域は、旧西の丸地区・吹上御苑と皇居東御苑からなる宮内庁の管理用地の区域を指す場合と、この区域に環境省管轄の皇居外苑を加えた区域を指す場合がある。 皇居は東京の代表的な観光名所であり、人工衛星パノラマ画像プログラムのGoogle Earthでは、世界のランドマークの一つとして登録されている。旧江戸城の本丸、二の丸、三の丸の一部分は皇居東御苑として、1968年(昭和43年)10月1日以降、一般公開されている。皇居の制限エリアを一般人が訪問できる機会としては、「皇居一般参観」のほか、毎年1月2日と天皇誕生日に行われる「一般参賀」や桜が見ごろの4月初旬と紅葉が見頃の12月初旬に行われる「乾通りの通り抜け」などがある。また、皇居の周囲を取り囲む12の濠(堀)から成る皇居外周地区の歩道は、都心にありながら緑豊かな場所であり、ジョギング(皇居ラン)や散策の場としても親しまれている。 皇居の宮内庁管理部分の住居表示は、東京都千代田区千代田1番1号(郵便番号100-0001)で、居住していなくても登録できる本籍地として人気が高い住所になっている。また、国有財産としての皇居の価値は、2146億4487万円となっている(財務省資料に基づく、2009年5月時点)。
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