羅の一族
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 17:38 UTC 版)
茘の「名持ちの一族」のひとつである名門。羅の一族は、他人と異なる認識能力を持つ人物を輩出し「狂人と天才の一族」と呼ばれている。羅漢の采配や猫猫の薬の分析能力や羅半の数字感覚なども共にこの力に起因するものだが、欠点として自身の興味を惹かない物事にはまったく関心を持たず記憶も曖昧になる。羅門の兄(羅漢の父親)はそういった感覚をもたず、彼らの認識能力を社会不適合者と判断して理解しなかった。 漢羅門(カン・ルォメン) 花街の医者。猫猫の養父であり薬の師匠でもある。 丸い体つきや温和な人相など、しぐさが女性的で「老婆のよう」と形容される。元は後宮医官の宦官であったが、生まれたばかりの皇子を死なせたことから肉刑を受け片膝の骨をとられて追放された過去を持つ。後宮内の其処此処にこっそり薬草を植えていた。 猫猫は「おやじどの」と呼ぶが、実は羅漢の叔父であり、猫猫にとっては大叔父である。 西方の国に留学した経験もあり、現皇帝が誕生する際には帝王切開で出産させるなど医師としての腕も確かだが、おひとよし・苦労人であり、猫猫の包帯のせいで虐待を疑われていた時期もあった。 玉葉妃の出産の際、逆子の疑いがあったため猫猫の申し出で後宮へ呼ばれる。出産後もその腕を惜しまれる形で再び医官として宮中に戻る。 漢羅漢(カン・ラカン) 狐目に片眼鏡(実は伊達)を付けた軍師で位は将軍。通称・漢太尉。「漢」の名字は珍しくないが、この肩書きを持つのは国中で彼だけである。 奇異な言動を繰り返すため「変人軍師」とも呼ばれる。猫猫に至っては「あのおっさん」としか呼ばない。 碁と将棋がとても強い。相貌失認のため他人の顔が識別できない一方で「その人間の持つ役割が将棋の駒として認識される」という能力を持っており、戦争の際には将棋に倣った人員配置を行うことで軍の適切な運用を行っている。直感が鋭く、その勘働きは滅多なことでは外れないが、何かに気付いても自ら動くことはなく、誰かを焚きつけて動かすことが多い。 羅門の甥であり、また緑青館の妓女である鳳仙に猫猫を生ませた張本人である。つまり猫猫の父親であるが、猫猫は彼を父親と認めておらず嫌っている(猫猫自身の感覚からいうと苦手なだけ)。 一方、羅漢本人は、鳳仙のことも娘である猫猫のことも愛している。猫猫に対しては盲愛といってもいいほどだが愛情表現がことごとく裏目に出ており、猫猫だけでなく周りにもドン引きされている。 また、自分の欠点を補う方法を考え、指南してくれた羅門のことは慕っており、比較的素直に言うことを聞く。羅門にもその能力の優秀さは認められており、猫猫にはその点で嫉妬されている。 猫猫と違い、酒は全く飲めない下戸ですぐ酔い潰れてしまう。甘党で徳利に果実水を詰めて持ち歩いているが、口飲みが原因で体調を崩したことがある。 漢羅半(カン・ラハン) 声 - 小林千晃 羅漢の甥(異母弟の次男)で養子。19歳。やはり狐目に丸眼鏡をかけ、帯には算盤をぶら下げている文官。猫猫にとっては従兄であり義兄。 猫猫からは「世界が数字で見えている」、羅半兄からは「異様なほど数へ執着している」といわれるほど数字に対する認識が優れており、王宮では財務を担当している。帳簿の数字から子一族の横領や不正をあぶり出し、壬氏の正体も「皇弟と体の寸法が同じ」ということで見抜いていた。 羅半兄(ラハンあに) 羅半の実兄。中央から西都に派遣された農民。本名を名乗る前に羅半兄という通称が定着してしまう。 羅漢の養子達 羅漢が拾ってきたが、本人が覚えきれないので、数字で呼ばれている。 順番に一(イー)、二(アー)、三(サン)、四(スウ)、五(ウー)、六(リウ)。 一と二は武官になり、羅漢の部下として働いている。三は屋敷に残り補佐をしている。四、五、六は子ども。
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