米議会による外圧とは? わかりやすく解説

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米議会による外圧

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 04:39 UTC 版)

F-2 (航空機)」の記事における「米議会による外圧」の解説

日本の防衛庁が輸入推進派と国産推進派に割れてたようにアメリカもまた一枚岩ではなかった。日本の防衛庁とアメリカ国防総省国務省信頼厚さは、当時アーミテージ国防次官補の、「我々ペンタゴンは、日本との相互信頼基づいて戦後防衛協力体制築いてきた。だから、防衛庁との間には100パーセント信頼関係がある」という発言からも分かるとおり非常に厚いものであった一方でアメリカ商務省日本通商産業省(現経済産業省)、外務省敵対関係にあった商務省相手する日本の諸機関は、「スーパー301条発動避けようと、ありとあらゆる方法抵抗するタフ・ネゴシエイターであり、アメリカ何度も苦汁舐めさせられていた。商務省1988年昭和63年9月に「国防総省外国軍事機器共同生産契約を行う際には、商務省情報提供を受け、勧告出し国防総省はそれらを考慮する」という権限与えられていたが、商務省日本FS-Xに関して情報提供受けてはいなかった。 貿易赤字という経済問題安全保障切り離して考え国防省国務省考え方は、商務省通商代表部からすればアマチュア」でしかなく、500ドル超える貿易赤字をかぶせる日本が、戦闘機完成品輸入行わず技術移転を受けると言うのは、彼らの思考埒外でしかなかった。ここに至って「前政権承認した国家間安全保障関わる国際共同計画を、経済問題を盾に商務省潰しにかかる」という前代未聞事態発生することになる。 1989年平成元年2月2日竹下登総理大臣は、1月新政権として発足したブッシュ大統領からワシントンD.C.招かれており、日米安保重要性とともに米国FS-X計画への協力高らかに謳いあげられるはずであった。ところが、それは当日の朝に有力上院議員12名の連名ホワイトハウス届けられFS-X計画反対する書簡のために中止された。2月14日には超党派24議員が、「政府がF-16の対日技術供与承認求めた場合不承認の決議案出して対抗する」という内容書簡大統領送ったブッシュ大統領3月10日回答期限として政府部内再検討会議設け3月20日にようやく「共同開発前進」を決定する。ただし以下のような付帯事項付けられていた。 F-16のソース・コード供与制約する 生産段階での米国仕事分担率は最大限確保目指す 日本からの技術を必ず提供するとの保証設け3月20日より日米間で「日米合意内容明確化」と呼ばれる作業開始された。アメリカ強硬な態度に、日本側からは、とても「見直し」「再検討」という言葉使えない状況での選択であった4月28日ブッシュ大統領の特別声明出されたが、その内容一方的にアメリカ側有利なものとなっている。具体的に示すと、最後まで問題を引きずった生産段階でのアメリカ側ワークシェアが「総生産額の約40パーセント」と明記されたほか、技術移転の面においても「日本側は、アメリカ側入手することを希望するすべての技術を、すでに合意され手続きにしたがってアメリカ側移転するとなっていた。 これに対して自民党内部から「不平等条約」との声があがったそもそも開発能力対等でない以上、不平等になることは、やむをえないという見方もあるが、日本独自に築いてきた特殊技術無条件提供し米国がF-16の核心を「ブラックボックス化することを許される取り決めは、特に共同開発でも日本主体性確立することを望んでいた国産推進派にとって、敗北感を味わうものであり、FS-Xに関する不満が至るところ噴出した日米マスコミも「ジャパン・バッシング関連の話題として、大々的報道した一方実務者レベルにおいては未だにFS-X潰し」への必死抵抗続いていた。ブッシュ大統領の特別声明議会通告)に対し、反FS-X陣営エンジン技術対日供与差し止める条件付帯し修正案上院提出し5月16日これを可決させた。共同開発そのもの上院下院双方否決されない限り自然承認見込みであったため、日本FS-X死命を制するエンジン技術供与核心的な問題となったブッシュ大統領による初めての拒否権は、この対日エンジン技術供与反対に対して発動されたが、この拒否権修正決議案2/3上の賛成があれば覆るとなっていた(オーバーライド)。6月1日共同開発計画自然承認され、ブッシュ政権は「F-16対日技術供与許可証 (LTAA)」を発行した。「エンジン技術供与認めないと言う条件付き共同開発対す上院での評決9月13日行われ6634という1票差で否決対日エンジン技術供与決定された。エンジン石川島播磨重工業(現・IHI)によってライセンス生産されることとなった

※この「米議会による外圧」の解説は、「F-2 (航空機)」の解説の一部です。
「米議会による外圧」を含む「F-2 (航空機)」の記事については、「F-2 (航空機)」の概要を参照ください。

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