米語の分派(紀元1600–1725)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/07 17:41 UTC 版)
「英語の音韻史」の記事における「米語の分派(紀元1600–1725)」の解説
古英語の後のあるときに/r/がすべて/ɹ/になった。古英語では子音の前のみ/ɹ/であったと見られる。 スコットランド方言では/r/を保つ。 北イングランド方言を除いて/ʊ/が/ʊ/ (唇音の前で保たれる傾向がある)と /ʌ/(その他大部分)に分かれる。 /ng/が大部分の方言で/ŋ/と発音されるようになる。 /tj/, /sj/, /dj/, /zj/が口蓋化し/ʧ/, /ʃ/, /ʤ/,新音素/ʒ/ (例:measure, vision)が生じる。この子音の並びはフランス語、ラテン語の借用語に現れる。 tionの発音は古フランス語の/sjon/を継いだ/sjən/であったがこのため/ʃən/になった。 部分的に長母音が閉音節で短音化した。 (現代英語head, breath, bread, bloodなど) Meetとmeatが大部分の方言で同音になった。 語末で母音+/r/(+子音)の場合に母音が影響を受ける。startの/a/と northの/ɔ/が長音化する。 /ɛ/と/ɪ/と/ʌ/が合流する。このため現代でfern, fir,furは同音である。 接辞がついた場合も影響を受けるためstarryとmarryでは同音でない。 スコットランド方言は影響を受けない。 /a/(cat,trap)は多くの地域で[æ]と発音される。語末では/ɔː/になるものもある。現代英語のtall, talk, bald, saltなどはこれに当てはまるが、 -almでは/ɑ/、-alfでは/æ/になる。 /alm/から新しく音素 /ɑ/が生じる。 (calm /kɑm/,father /fɑðə(ɹ)/) 北イングランド、ウェールズ、スコットランドではcat, trapなどの音は[a]のまま留まる。 /lk/, /lm/, /lf/の/l/が消失する(上記)。 大部分の方言でpaneとpainが同音になる。 大部分の方言でtoeとtowが同音になる。 方言によっては有声軟口蓋音(/ŋ/, /g/)、無声摩擦音(/s/, /f/, /θ/)の前の/ɔ/ が長音化する。このため米語ではlong, log, loss, cloth, offは/ɔː/を伴う。
※この「米語の分派(紀元1600–1725)」の解説は、「英語の音韻史」の解説の一部です。
「米語の分派(紀元1600–1725)」を含む「英語の音韻史」の記事については、「英語の音韻史」の概要を参照ください。
- 米語の分派のページへのリンク