第二次選挙法改正とブリテン労働者とは? わかりやすく解説

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第二次選挙法改正とブリテン労働者

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 14:34 UTC 版)

第一インターナショナル」の記事における「第二次選挙法改正とブリテン労働者」の解説

一方イングランドでは1859年ロンドン建築ストライキ代表される労働時間短縮運動が、重大な政治危機ウェストミンスター議会投げ込んでいた。この闘争選挙権拡大による熟練労働者発言権獲得焦点収斂されていく。1865年長らく政界強い影響力及ぼしたパーマストン首相急死したが、この年結成され改革連盟は、非常に狡猾な方策選挙法改正決定的なものに導いていく。改革連盟指導者エドマンド・ビールズ(英語版)はハイドパークでの集会の自由など衝突点をロンドン労働者提供してグラッドストン自陣引き込む周到な政治戦術弄して保守党政権翻弄した。かくしてダービー内閣中核をなしていたディズレーリやスペンサー・ウォルポールを追い込み都市選挙区戸主参政権導入もたらし選挙法改正未曾有の規模実現させるIWA名誉職についたブリテン労働組合主義者は時局最大限活用して大勝利収めた第二次選挙法改正英語版)の結果イングランドでは熟練労働者100万人が選挙権獲得し有権者構成過半数労働者占めようになった。これ以降議会労働組合利害関心譲歩することが民主主義命脈維持する生命線になっていったのである。 しかし、第二次選挙法改正その後に続く1871年労働組合法英語版)の制定によって労働組合指導者目的達成されていくようになり、彼らは徐々にIWAからの離脱を図るようになっていく。こうして、ブリテン勢力IWAから実質的に撤退したまた、1869年には最後チャーティスト指導者アーネスト・チャールズ・ジョーンズ(英語版)が若くして急死しており、マルクスブリテンの関係はいよいよ冷え切ったものとなってしまった。マルクスドイツ知人ジュネーヴ大会について宛てた手紙では、選挙法改正運動とその中核である「改革連盟」に言及して、「わが中央評議会(ここで私は大い参加してきましたが)が生命吹き込んだ当地改革運動は、いまや巨大な抵抗しがたい規模広がりました。私はいつも舞台裏いましたが、運動軌道にのってからは、もうこれ以上かかわらないことにしています。」と語っている。 こうした脱力にも似たマルクス述懐には理由があった。1867年の『資本論公刊前に執筆活動追い込み入っており、それどころではなかったということ理由一つである。だが、もう一つ理由当時労働者が「ノー・ポリティクス」という立場堅持していたことにあったマルクス同時代期を生きたある機械工合同組合英語版会員機械工トマス・ライト(英語版)は1868-73年にかけての執筆期間を通じて、『労働者階級諸々風習様々な習慣』、『偉大な下層民』、『新し主人』という著作世に送り出し自身の書で「知的な職人たちは権利尊厳労働資本圧政普通選挙などのトピックに関して明確な思慮もなく話題にする」と著書言及するなど労働者躍進自己否定する立場表明していた。 1860-70年代ブリテン労働者保守化(体制統合)・ブルジョア依存は目を覆うばかりとなっていたのである。かれらは政略的にはIWA参入して労働者の声」を利用したとしても精神的には完全に社会主義思想理論からは逸脱していたのであるこうした傾向支配的になるにつれて政治的に社会的にブリテン労働者プロレタリアート階級としての自立性はますます低下していった。改革連盟政治方向社会主義との合流ではなく自由党への提携へと明確になっていくことで、ブリテン労働組合主義マルクスとの分裂必然不可避のものとなっていったのだ。かくしてチャーティスト運動以来悲願であったブリテン労働組合主義社会主義との統合試みは再び立ち消えとなった。 「改革連盟」、「ベンジャミン・ディズレーリ」、および「ウィリアム・グラッドストン」も参照

※この「第二次選挙法改正とブリテン労働者」の解説は、「第一インターナショナル」の解説の一部です。
「第二次選挙法改正とブリテン労働者」を含む「第一インターナショナル」の記事については、「第一インターナショナル」の概要を参照ください。

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