犬走りとは? わかりやすく解説

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いぬ‐ばしり【犬走り】

読み方:いぬばしり

通れるほどの空間の意》築地(ついじ)や城の垣などと溝・堀との間に設けられ通路状の空き地

建物外壁面を保護するために、その周り地盤コンクリート砂利固めた所。

堤防護岸などの斜面の下の、側溝との間の狭い平らな所。土砂流入を防ぐ。

小走りに走ること。

一時(ひととき)三里日暮れまでにはもどってくる」〈浄・歌祭文

犬走りの画像
犬走り(3)
犬走りの画像
石垣の下の緑地が犬走り(大阪岸和田城)/撮影Takeshi KOUNO https://goo.gl/qnvrU1

いぬばしり 犬走り

建物外周細長い平らな部分。普通は30~100cm くらいの幅でコンクリートなどを打って降雨の際に泥土壁面はね上がるのを防ぐ。

犬走り

堤防断面の意。

堤防河川はんらんを防ぐ目的をもって通常土砂”によって築造される河川工作物である。堤防通常下図の様な断面形状有する

各部の名称次の通りである。

A~B:天端テンバ

A~C,D~E:表法(オモテノリ)、又は外法ソトノリ

B~F,G~H:裏法(ウラノリ)又は内法ウチノリ

C~D:表小段(オモテコダン)

F~G:裏小段(ウラコダン)

I~J:犬走り(イヌバシリ

E~H,E~K:堤防

H:堤防法線

なお、単に小段のことを犬走りと総称する場合もある。



犬走り (いぬばしり)

 河川堤防の川とは反対側の最下部にある、周辺地盤より一段高くなった狭い平場言いますフィルダム下流面についている小段も犬走りと呼ぶようです

犬走り(いぬばしり)

基礎周囲1mほどの幅に設けられる玉石などを敷き込んだ部分。これは雨水によって地盤掘られるのを防ぎはね返りログ面に当たらないようにする役割をもつ。古くから日本の民家などでは普通に見られたが、最近のものはコンクリートベタ打ちされたものが多い。

犬走り

読み方:イヌバシリ(inubashiri)

城塁の上に塀を築いたとき、塀の外側にできる小径


犬走り

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/23 19:34 UTC 版)

手前の(ト)の部分。 喜田川季荘 著 『類聚近世風俗志 : 原名守貞漫稿

犬走り(いぬばしり)とは、垣根溝渠の間や土手の斜面に設けられた細長い通路平地部分。が通れるくらいの幅しかないという意味合いから呼ばれる。

種類

築地の犬走り

彦根城内堀の犬走り
岸和田城の犬走り

築地とその外側の溝との間に設けられた平地をいう。狭いものは犬走り、広いものは「堧地」(ぜんち)という。

城郭の犬走り

石垣土塁と、の間に設けられた狭い空き地をいう。彦根城岸和田城など多くの城で見られる。また石垣を持たない城の土塁の上に柵・塀が築かれている場合、柵・の外側に狭く残された土塁上面も犬走りと呼ばれる。侵入の足掛かりを与えてしまうなど、防御の面からは決して有利とはいえない構造だが、石垣・土塁の崩落を防ぐための構造的理由で設けられたという見方がある[1]。なお、石垣・土塁の内側に設けられた小径は「武者走り」と呼ばれ、若松城などに類型が見られる。沖縄グスクに見られる石垣天面の通路も犬走り(または武者走り)と呼ばれる。

土手の犬走り

河川堤防の断面図。図中の (9) が犬走りと呼ばれる部位。

土手、堤防などの傾斜上に設けられた平地。土砂の流入を防ぎ[要説明]、監視員の巡視路ともなる。

また、ダムの型式の一つであるロックフィルダム(岩石を積み重ねて建設されたダム)やアースダム(盛土をして建設されたダム)の中腹にも犬走りは設けられていて、ダムの管理用通路として自動車が通行できるものもある。この場合は、緩やかなつづら折りとなっていることが多い。なお、ダムの管理用通路の名称には、「キャットウォーク」と呼ばれるものもある。

山腹の犬走り

道路工事や治山工事など法面の山腹工事において設けられる段[2]

線路の犬走り

鉄道線路における犬走りは路盤(施工基面)のだが鉄道用地内にある平らな部位で、保線作業員の通路などに使われる[3]

誤解されやすいが、線路の隣にある同程度かやや低い位置にある並行した平らな部位ではない(そこはただの路盤)。高さも線路との高さは無関係で、例えば地形を切り取って作った線路で、削り残った斜面の上部(線路より圧倒的に高い)に平らな道が設けられている場合はそこが「犬走り」である[4]

軒下の犬走り

コンビニエンスストアの犬走り

江戸時代、後に江戸府内となる地域では、公道に面した民家には三尺(約91 cm)の犬走りを設けることが義務付けられていた[5]

現在では、建物の下の外壁周縁部を砂利敷きやコンクリート打ちとしたもの。構造物保護のために設けられる。

脚注

  1. ^ 城に採用された忍者の知恵
  2. ^ 犬走り『新版 2級土木施工管理技士 受験用図解テキスト5 用語集』p30 土木施工管理技士テキスト編集委員会編 1987年
  3. ^ 『鉄道ファン』1979年4月号、p.86。
  4. ^ 鉄道教育研究会『最新図解鉄道知識』交友社、昭和17年https://dl.ndl.go.jp/pid/1027441/1/11  p.9「16 切取(カツチング)」
  5. ^ 近世の道 (参考)江戸の町と道 3 江戸府内の道路利用”. 道の歴史. 国土交通省. 2025年4月24日閲覧。

関連項目


「犬走り」の例文・使い方・用例・文例

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