様々な宇宙望遠鏡
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詳細は「宇宙望遠鏡の一覧」を参照 IRAS アメリカのNASA、オランダのNIVR、イギリスのSERCが共同で計画した赤外線天文衛星である。1983年1月25日に打ち上げられ、10ヶ月間の観測を行った。 ハッブル宇宙望遠鏡 1990年4月打ち上げ。大型光学式宇宙望遠鏡として、計画開始から打ち上げまで10年近い時間を要した大型宇宙望遠鏡。しかしながら、この望遠鏡によって撮影された天体現象や遥か彼方の銀河系などは、多くの天体観測家を魅了した。様々なトラブルに見舞われたが、宇宙飛行士の船外活動などによって修理が行われ、宇宙における多くの知見をもたらした。5回の修理ミッションを受け、30年以上に渡り活動している。 スピッツァー宇宙望遠鏡 IRAS に続く、赤外線天文衛星。最初に宇宙望遠鏡を提唱したスピッツァー博士にちなむ衛星。IRAS よりも高い解像度を持つ望遠鏡と観測機器により、銀河系内部にある暗黒星雲の温度分布や恒星系の誕生におけるエネルギー観測に成果を上げている。2020年1月30日に運用終了。 チャンドラX線観測衛星 X線観測衛星。宇宙でのX線による観測は、古くはスカイラブ計画における太陽コロナのX線観測から始まる。高感度のX線センサーを搭載して、中性子星やブラックホール周辺におけるX線バースト現象などの精密観測に多くの成果を上げている。 X線観測衛星「XMM-Newton」 X線観測衛星。チャンドラX線観測衛星と同じくして、宇宙でのX線観測を行う衛星。より精度の高いセンサーを搭載することによって、遠く離れた電波銀河やクェーサー(活動銀河核)内部で起こるX線バースト現象などの精密観測に多くの成果を上げた。 X線天文衛星 「すざく」 (ASTRO-EII) 2005年7月打ち上げ。硬X線から軟ガンマ線領域を観測できる、日本の衛星。一部の機器に不具合はあったものの、それまで打ち上げてきたX線観測衛星よりも、より高エネルギーの領域の観測が可能になった衛星。高エネルギー線のエネルギー分布や位置などの精密観測で多くの成果を上げた。2015年6月に機能停止。 赤外線天文衛星 「あかり」 (ASTRO-F) 2006年2月打ち上げ。赤外線領域を観測できる、日本の衛星。精密な光学系と精密な観測機器によって、IRAS が捉えた赤外線分布よりも、より精度の高い赤外線分布を測定できる衛星。恒星周辺のガス分布や暗黒星雲の温度分布などを精密に捉え、多くの成果を上げた。2011年11月に運用終了。 太陽観測衛星 「ひので」 (SOLAR-B) 2006年9月打ち上げ。太陽を精密に観測できる、日本の衛星。太陽コロナの精密な分布や太陽表面で起こるフレア現象の解明などを目的とする。現在も観測が続き、太陽表面の彩層面や光球面で起こる、バースト現象などを詳しく観測して、多くの成果を上げている。 惑星観測衛星「ひさき」(SPRINT-A) 日本 2013年にイプシロンロケットで打ち上げられた、太陽系内の他の惑星の気象現象を継続的に観測するための、小型の宇宙望遠鏡。主鏡の口径は20cmと小型で、極端紫外線の領域で観測を行う。小型ではあるが、地上観測と比べて、大気による散乱が無いためコントラストが高い。 太陽系外惑星探査衛星 「COROT」 2006年12月27日に、フランス国立宇宙機関及びヨーロッパ宇宙機関が打ち上げた、太陽系外惑星の精密な観測を行う初の衛星。恒星の周辺を回る惑星がもたらす食を観測するトランジット法を用いることで、太陽系外惑星の存在を正確に観測することが目的。地球から1500光年離れた恒星周辺の惑星系を発見したり、地球型惑星と思われる天体を発見するなどの成果を上げた。2014年6月に運用終了。 ケプラー宇宙望遠鏡 2009年3月7日打ち上げ。太陽系外惑星の精密探査をするために、アメリカ航空宇宙局(ゴダード宇宙飛行センター)等が打上げた宇宙望遠鏡。ケプラーの名前は、惑星軌道の法則を発見した天文学者ヨハネス・ケプラーの名前から。2600個以上の惑星を発見、50万個以上の恒星を観測したのち、2018年10月に運用終了。 ハーシェル宇宙望遠鏡 2009年5月14日打ち上げ。ヨーロッパ宇宙機関が打ち上げた宇宙望遠鏡。波長60 - 670µmの赤外線を観測する。口径は3.5m。アリアン5ロケットを使い、マイクロ波天文衛星プランクと共に打ち上げ。2013年4月に運用終了。 トランジット系外惑星探索衛星(TESS) 2018年4月18日打ち上げ。太陽系外惑星の精密探査をするために、アメリカ航空宇宙局(ゴダード宇宙飛行センター)、マサチューセッツ工科大学等が打上げた宇宙望遠鏡。ケプラー宇宙望遠鏡よりも広角の望遠鏡を4つ備えている。 ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡アメリカ合衆国 2021年12月25日打ち上げ。ハッブル望遠鏡の2.5倍ある直径6.5 m もの巨大な主鏡を持つ宇宙望遠鏡。ハッブル望遠鏡引退後の後継機と目されている。この宇宙望遠鏡には近赤外線カメラなどが搭載されており、約100億光年という遠距離にある天体から放射される微弱な赤外線(赤外線領域にスペクトルが偏移している)の観測に主眼が置かれている。ハッブル望遠鏡とは異なり、紫外線・可視光の観測能力は持たない。
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