近赤外線カメラ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/25 04:44 UTC 版)
詳細は「暗視装置#可視近赤外 (VNIR) 帯域」を参照 近赤外線に感光する赤外線フィルムやイメージセンサなどを用いることで、肉眼で見える像とは異なる映像を撮影することができる。例えば、波長が長いため可視光に比べて散乱しにくい性質を利用して、煙や薄い布などを透過して向こう側の物体を撮影するために用いることができる。この特長を悪用して水着を透かす盗撮行為が横行したため、赤外線に透けない素材を売りにした水着も販売されている。赤外線フィルムや大半の撮像素子はモノクロカメラと同様の構造で異なる波長に対応していないので、通常は近赤外線カメラから得られる画像はモノクロ画像である。 また、赤外線は目に見えないため、夜間に被写体を近赤外線光源で照らしても被写体に気付かれることなく撮影することができる。夜行性の野生動物を撮影する用途に用いられるほか、防犯用途として相手を刺激せずに撮影することができる。近年の世界的な治安悪化で、近赤外線まで感度分布を持つCCDと赤外線LED照明を使用した監視カメラが、街中の監視カメラや各種料金所ゲートのカメラ、家庭用のドアホンまで幅広く利用されてきている。100m先の物体を照らすことのできる光源も存在する。軍事用の暗視スコープでも、ライトや星から放たれるわずかな可視光線のほかに、近赤外線を増幅して明瞭な画像を得ている。 赤外線カメラは可視光を遮断する赤外線フィルタを通して用いる。なお赤外線は可視光と比べてガラスに対する屈折率も小さいため、撮影の際には焦点距離を大きく取る必要があるものもある。そのため、一部のレンズには通常の光で焦点を合わせた後、赤外線でピントを合わせるための目印を付けたものもある。
※この「近赤外線カメラ」の解説は、「赤外線センサ」の解説の一部です。
「近赤外線カメラ」を含む「赤外線センサ」の記事については、「赤外線センサ」の概要を参照ください。
- 近赤外線カメラのページへのリンク