東京での文筆活動と生活とは? わかりやすく解説

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東京での文筆活動と生活

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 11:14 UTC 版)

石川啄木」の記事における「東京での文筆活動と生活」の解説

1908年4月28日より東京千駄ヶ谷新詩社にしばらく滞在する5月2日与謝野鉄幹に連れられ森鷗外宅での観潮歌会出席する参会者は佐佐木信綱伊藤左千夫吉井勇北原白秋ら8名)。5月4日中学校先輩である金田一京助援助で、金田一と同じ本郷区菊坂町赤心館に居住することになる。宮崎郁雨には「三ヶ月ないし半年の間」に家族上京させると約束したこともあり、小説執筆して売り込みをかけた。啄木は「漱石虞美人草ゆき方ならアレ位のものを二週間書ける(宮崎郁雨宛書簡)」という自信抱き金田一鷗外さらには自分から小説雑誌掲載依頼したいずれも成功しなかった。生活の危機直面した啄木対し金田一自分の服を質入れして12円を渡したことで当座しのいだものの先行き見えないことに変わりはなかった。6月27日日記に、死去した国木田独歩自殺した川上眉山は死ぬことのできない自分よりも幸福だ記したこの間6月23日から25日にかけ「東海小島…」「たはむれに母を背負ひて…」など、後に広く知れ渡る歌を含む186首を作り、それらから抜粋した114首を翌月の『明星』に発表した9月6日下宿先本郷区森川町平館に移す。これは、啄木下宿代滞納口汚く下宿先主婦罵られたことに憤慨した金田一が、蔵書売り家賃を払った上で転居したものだった新詩社友人である東京毎日新聞記者斡旋により、11月から同紙に小説鳥影」を連載した(全60回)が、目立った反応なく終わる。 11月に『明星』は終刊するも、続けてスバル』の創刊準備にあたる。 1909年明治42年1月、『スバル』が創刊され発行名義人となった啄木は、2月に同じ岩手県出身である東京朝日新聞編集長佐藤北江手紙、さらに直接面会就職依頼して採用され3月1日東京朝日新聞校正係となる。 4月3日よりローマ字日記を記すようになる7日より新しノートで「ローマ字日記」を(途中からは断続的に6月16日まで著す。一方啄木定職持ったことを知った母・カツ東京での家族同居求め手紙出し4月13日届いている。しかし啄木これまでの借金もあって迎え準備ができず、また自由な単身生活と家族扶養葛藤から「家」の抑圧より逃避して浅草娼婦を買う日常送っていた。 5月26日宮崎郁雨から、旅費負担して家族上京させるという通知が届く。6月16日函館から宮崎郁雨付き添われ妻子と母が到着し本郷区本郷弓町床屋「喜之床」の二階に移る。1年5か月ぶりに家族揃っての生活となったが、節子函館時代義母カツとの間で確執深刻化し(またカツから結核感染した)、函館代用教員の職に就いたものの窮乏生活を余儀なくされ、啄木就職して上京に対して様子がよくわかった上でなくては不安心です」と妹への手紙に記すほど、啄木への感情変化していた。 節子函館時代から続く体の不調に啄木適切な処置を執らず、カツ節子の関係も改善されないままだった。10月2日節子書き置き残し京子連れて盛岡実家戻った帰郷理由としては、妹のふき子と宮崎郁雨結婚式10月26日)を控え、ふき子に面会したいという事情もあったとされる妻子帰郷知った啄木金田一京助帰宅を願う手紙執筆依頼高等小学校恩師だった新渡戸仙岳にも援助求めたほか、自らも手紙送った節子は3週間後の10月26日帰宅した。この出来事啄木大きな衝撃与えそれまで創作姿勢を「卑怯な空想家」と断じ現実の生活に向き合って文学あり方考察する方向へと向かった一方帰宅後の節子は「忍従」と形容される生活を送り、ふき子に彼女や実母恋い慕う手紙複数出した11月より、朝日新聞社から刊行予定の『二葉全集』で校正担当する。この仕事は、主筆池辺三山割り振ったのだった12月20日、一禎が野辺地から弓町の家に来て同居始める。 1910年明治43年3月下旬に『二葉全集第1巻校正終わり4月退社した学芸部記者後任として全集出版事務全般担当した第2巻11月刊行)を出版までほぼ独力で成し遂げるとともに二葉亭四迷への理解深めた

※この「東京での文筆活動と生活」の解説は、「石川啄木」の解説の一部です。
「東京での文筆活動と生活」を含む「石川啄木」の記事については、「石川啄木」の概要を参照ください。

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