昇進基準とは? わかりやすく解説

昇進基準

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/31 08:23 UTC 版)

横綱」の記事における「昇進基準」の解説

横綱昇進内規については、古くから論議呼んでいる(具体的内容横綱審議委員会#横綱推薦内規参照)。 横綱審議委員会及び内規ができる以前ある程度幅のある対応がなされていた。連続優勝昇進見送られたのは第32代・玉錦三右エ門(年4場所で3連覇)と第41代・千代の山雅信(年3場所で2連覇)がいるが、いずれも後に(ともに連覇ではなかったが)横綱昇進している。なお、優勝制度確立後に年2場所で大関地位で2場所連続優勝決めたのは第22代・太刀山峯右エ門、第27代・栃木山守也、第35代・双葉山定次の3人がいるがいずれも場所後に横綱昇進しているため、年2場所では皆無という事になる。横審発足後も、鏡里喜代治横審への諮問なしで協会横綱昇進決めたという例がある。 横審内規制定されたのは、本場所が年6場所制になった1958年昭和33年1月6日である。その第2項で「大関で2場所連続優勝した力士推薦することを原則とする。」としながらも、これ以降大関で2場所連続優勝」で横綱昇進したのは昭和期では大鵬北の富士琴櫻の3人のみである。多く場合第3項「第2項準ずる好成績挙げた力士推薦する場合は、出席委員3分の2上の決議を必要とする。」を適用して多分に興行上の必要性もあって、連続優勝を果たさなくても横綱昇進する例が続いた。もっとも大鵬場合であっても連続優勝でありさえすれば星の内容どうでもかまわぬとするのか、それとも13勝以上の星を希望しているのか(中略)「力量抜群」とある文句に「12勝3敗での優勝」が当てはまると解釈されるか、この二つめぐって議論が出るかも知れない。」として、「優勝」という結果を最も重視する姿勢には当初から議論がある。 1987年昭和62年12月に、一度優勝経験が無い第60代横綱双羽黒光司が、当時師匠立浪親方・元関脇安念山)らとのトラブル原因突如廃業すると、横審委員長高橋義孝は「今後は「大関で二場所連続優勝」とした横綱推薦内規第二以上に品格力量抜群」とした第一項を絶対的に尊重していきたい」と述べ、さらに1988年1月場所後の横審でも「横綱昇進について、いやが上にも慎重でありたい」と申し合わせた。このとき、内規見直し検討されたが、結果として内規そのもの改正には至らなかった。以降、第63横綱旭富士正也何度も横綱推薦諮問見送られた末に、大関で2場所連続優勝果たし横綱昇進したことから、内規審判部厳格に解釈する傾向強くなり、結果的に旭富士から第70横綱日馬富士公平までの8横綱全員、「大関で2場所連続優勝」で昇進している。 多く場合千秋楽終了後から翌日横審定例会までの間に、当該力士横綱昇進可否をかなり的確に判断できる具体的には、 内規該当しているかどうか千秋楽終了後報道陣取材対し審判部長が理事長当該力士横綱昇進審議する臨時理事会開催要請するという趣旨回答をするかどうか理事長審判部長の要請を受け臨時理事会開催意向を示すかどうか横審への諮問があった場合報道陣が行審議出席予定横審委員への取材で、多く委員当該力士昇進に関して肯定的な見解回答するかどうか。 といったことなどを基準にしている。 しかし、このような前例に基づく横綱昇進予想正し予想が多いとはいえても、確実に正しいとまではいえない。例えば、1994年平成6年9月場所全勝優勝果した貴乃花横綱昇進について理事長から横審への諮問が行われ、新聞各紙1969年11月場所直後北の富士横綱昇進に関する理事長からの諮問横審否定答申をした事例以降理事長からの諮問横審長年昇進を見送らず横綱推薦してきた例から横綱昇進確実と報じたが、昇進見送られた例がある。 2009年平成21年7月14日時点において横綱昇進確実条件目される大関での2場所連続優勝」という条件見直されつつある。例えば、2009年5月場所において14勝1敗で優勝し次の7月場所で綱とりに挑む大関日馬富士横綱昇進についても、同場所千秋楽翌日5月25日行われた横審で、近年相撲内容昇進直前約3場所までの成績をあまり重視せず、2場所連続優勝昇進内規形式的に適用して横綱昇進判断してきたことへの批判があったためか、横綱昇進話題がほとんど上がらず鶴田卓彦委員長は「いきなり綱取り論じるのは早い。(5月場所の)稀勢の里のような立合い変化評価できない綱取りには今場所以上の成績求められる」と述べ無条件での横綱昇進却下したまた、内館牧子委員も「綱獲りは全く話題にならなかったし、特に稀勢の里戦の変化は非常にガッカリした。『大関で2場所連続優勝すれば横綱』というのなら横審なんて全く必要無い」と発言し、「2場所連覇」で無条件横綱昇進決めることに対して否定的な見解示した。これ以降横綱昇進対象となる力士成績相撲内容悪ければ大関で2場所連続優勝達成して横綱昇進見送られる可能性があるのは否定できない。 以上のように、横審答申前に横綱昇進見送り前例がないことや少ないことを根拠として横綱昇進可否判断するのは、多く場合正しとはいえても、確実に正しいとまではいえない。あくまで、横綱昇進可否確定横審答申受けて行われる理事会及び番付編成会議結果である。

※この「昇進基準」の解説は、「横綱」の解説の一部です。
「昇進基準」を含む「横綱」の記事については、「横綱」の概要を参照ください。

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