日立鉱山の閉山とは? わかりやすく解説

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日立鉱山の閉山

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/07 08:42 UTC 版)

日立鉱山」の記事における「日立鉱山の閉山」の解説

1973年昭和48年6月日本鉱業から日立鉱山経営分離され日本鉱業の子会社ある日鉱山株式会社となったニクソンショック以降円高によって価格下落し、また石油精製時に水素化脱硫装置硫黄回収装置用いることによって副産物として生産されるようになった回収硫黄急速に市場出回るようになり、減反政策影響化学肥料国内消費量減少し諸外国でも化学肥料自給進み輸出減少したために、とともに日立鉱山の主要産物であり、収入の約4割を占めていた硫化鉄鉱需要急落したことが原因で、日立鉱山経営状態急速に悪化していた。しかし国内鉱山は、諸外国からの鉱石輸入主流となって政治情勢などに左右されることが少なく最も安定した資源確保が可能という点と、海外での資源確保のために必要な人材技術養成する場所として国内鉱山存在が望ましいという点から子会社化して日立鉱山存続されることになった日立鉱山経営分理時、再び大きな人員削減事業の見直しが行われた。鉱山労働組合1962年昭和37年)の大規模合理化の時と同じく、約4ヶ月間に渡って激しく争議繰り返したが、結局53歳上の技能職職員繰上げ定年などが実施され日立鉱山技能職職員の約三分の二退職することになった。また可能な限り鉱山操業続けることを目的として、粗鉱生産量月産3トンから1万2000トンとし、収支バランス維持するために採鉱する粗鉱品位を1.65パーセントから2.08パーセント引き上げこととした。また探鉱行い新たな鉱脈発見努めこととした。しかし1973年昭和48年)末からの第一次オイルショックによる不況需要低迷更なる価格下落招き独立後の日立鉱山経営も困難が続いた日立鉱山株式会社の設立後、最も重視されたのが探鉱による新鉱脈発見と開発であった。この当時日立鉱山支えていたのは1956年昭和31年)に発見され藤見鉱床で、日立鉱山株式会社時代鉱石産出量の約7割を占めていた。探鉱結果いくつかの鉱脈発見し1977年昭和52年下半期から1年半、特別探鉱実施した新たな鉱脈発見には結びつかず、この時点日立鉱山では新たな鉱脈発見余地はないものと判断された。 1976年昭和51年)には日立精錬所自溶炉操業停止して粗銅精練佐賀関一本化されることとなり、日立では佐賀関精練され粗銅電気銅にする電練工場中心経営となった。また同年中央病院廃止して独立採算可能な日鉱日立病院新たに創立し1962年昭和37年)の合理化時に供給所から改組された日立鉱業購買会を解散して株式会社日立購買会とするなど、大規模な組織改変が行われた。 日立鉱山では採鉱要するコスト削減する様々な工夫行い採算維持することが出来鉱石の品位下げて可採埋蔵量増やす試み行われたが、鉱山内で使用する資材値上がりなどのため思うにまかせなかった。結局品位2.08パーセント上の鉱石掘り尽くしたことにより、1981年昭和56年9月30日日立鉱山閉山となった1962年昭和37年以降大規模な合理化、そして1981年昭和56年)の閉山によって日立鉱山から離職した人々多くは、日立市やその近隣再就職して生活を続けた。特に閉山時の離職者地元再就職率は80パーセント越えた。これは日立製作所やその関連企業など、日立鉱山近隣には比較恵まれた労働市場存在したことが最大原因であるが、一山一家主義見られるように家族主義的な色彩が強い企業であった日立鉱山伝統が、日立鉱山から独立した日立製作所日立鉱山日立製作所抱えた日立市にも影響及ぼし地域全体家族主義的な傾向が強いことによって血縁地縁根強いことも大きかった。そのため鉱山中心部であった本山地区は、最盛期には1万人を越えた人口数十世帯にまで減少するという過疎化進行したが、日立鉱山閉山によって鉱山働いていた人々が完全に四散するという事態は起こらなかった。

※この「日立鉱山の閉山」の解説は、「日立鉱山」の解説の一部です。
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