日活大将軍撮影所時代とは? わかりやすく解説

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日活大将軍撮影所時代

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/28 15:57 UTC 版)

村田実」の記事における「日活大将軍撮影所時代」の解説

同年9月1日発生した関東大震災向島撮影所全壊し日活現代劇部は京都大将軍撮影所に「第二部」として移された。1924年大正13年)、日本最初反戦映画とされる『清作の妻』が好評を得、1925年大正14年)には『街の手品師』で「大正14年朝日新聞最優秀映画」を日本映画初め受賞し新劇出身岡田嘉子一躍スター女優となった村田カットごとに演出細分化する、いわゆる映画的技法最初に確立した監督一人と言われているが、容赦なく自分の型に俳優をはめ込もうとして演技指導苛烈極め岡田をはじめ当時大女優とトラブル多かった。この『街の手品師撮影封切前後木村荘十二等持院自宅書生招き日活野球部にいた中野英治俳優部に採用しているが、次作大地微笑む』の撮影直前急病倒れ溝口健二代わり成功させた。同年7月ドイツのウエスチ社のすすめで『街の手品師』を携え脚本担当した森岩雄とともに尾上松之助日活重役見送られ渡欧パリベルリン上映会を開くが、上映機材不具合や「絵の暗いこと、欧州臭いこと、特種国は特種国らしい味を出していればそれでいいのだ」(仏『シネ・ミロア』誌)などと大不評であり、ショックを受けるが、ドイツのループピック監督興味示し上映会を開くという約束取り付け、一応の面目施して1926年大正15年1月帰国した帰国後、第二部主席監督となり、同年5月連合映画芸術家協会伊藤大輔との競作日輪』では、構成主義村山知義抽象画風の装置演出取り入れ話題となり、第3回1926年度)キネマ旬報ベストテン第2位選出。師小山内薫監督術を絶賛している。しかし、当時日活現代劇松竹蒲田大きく遅れをとっており、その対策として、同年6月常務昇格した根岸耕一了解を得、森岩雄丸の内本社内に企画本部日活金曜会設立本社残っていた田中栄三をはじめ、益田甫、岩崎昶山本嘉次郎社外の者が会員となり、阿部豊日活監督のために清新なシナリオ企画生産立案して日活現代劇のモダン・イメージの形成成功した1927年昭和2年3月には『映画時代三月号の「監督人投票」で第1位第2位牛原虚彦)に選出され監督としての確固たる地位を築くが、直後開始された「金曜会企画の『椿姫』の撮影中に主役岡田嘉子群衆の前で罵倒に近い叱声浴びせかけ、私生活縺れ重なって岡田相手役竹内良一駆け落ちし一時失踪スキャンダルとして大騒ぎになる。会社が「岡田やらないのなら、脚本ひっこめる」という森岩雄と嫌がる夏川静江をなだめ、ミスキャスト変更せざるを得なくなったが、興業的に大ヒットした。この頃から文芸部長として日活現代劇プロデューサー存在となり、1928年昭和3年)には田坂具隆の『結婚二重奏』(第5回1928年度)キネマ旬報ベストテン第8位)の演出を手がけ、同年6月牛原虚彦と『映画科学研究』を創刊するなど、後進の指導にも注力した。そして年末には日本の思想風土問題点主題にした徳富蘆花原作悲劇灰燼』の撮影とりかかり、翌1929年昭和4年3月封切を観た当時映画青年であった新藤兼人は、叡山ケーブルから中野英治扮する西郷軍の敗残兵の姿を追う青島順一郎の俯瞰移動撮影を「日本映画ではじめて見る壮大な映像美であった」と回想し、「これは今日に至るまで、日本に於て作られ映画の中で、その最も優れたるものの一つである」と評され第6回1929年度)キネマ旬報ベストテン第2位獲得名実ともにトップ監督として大将軍撮影所を後にした。

※この「日活大将軍撮影所時代」の解説は、「村田実」の解説の一部です。
「日活大将軍撮影所時代」を含む「村田実」の記事については、「村田実」の概要を参照ください。

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