日本におけるペルシア文学作品の翻訳とは? わかりやすく解説

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日本におけるペルシア文学作品の翻訳

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/26 10:10 UTC 版)

ペルシア文学」の記事における「日本におけるペルシア文学作品の翻訳」の解説

オマル・ハイヤームの『ルバイヤート』の翻訳 刹那的虚無的宿命的な世界観現れているこの詩集は、1949年岩波文庫版登場した小川亮作訳ものが日本では特に普及している。それ以前にも、フィッツジェラルド英語版)の英訳からのものであるが、蒲原有明の訳が明治41年出版されており、大正11年には『ペルシア文学考』で知られ荒木茂が「中論公論10月号で訳しており、昭和35年には沢英三訳が『世界詩集大成東洋』に掲載されている。小川亮作の解説部分に『ルバイヤート』の邦語訳変遷紹介されている。その他に、『世界文学大系アラビア・ペルシア集』に黒柳恒男訳が載っている。しかしながらそれぞれ典拠としたテクスト採用した数の差は激しい。 アッタールの『神秘主義者列伝』の翻訳 1998年国書刊行会より、藤井守男訳が出版された。本書アッタールという詩人残した唯一の散文著作である。 アッタール『鳥の言葉』翻訳 2012年東洋文庫より黒柳恒男訳が出版された。邦題は『鳥の言葉ペルシア神秘主義比喩物語詩』である。 カイカーウースの『カーブースの書』の翻訳 昭和44年黒柳恒男訳が東洋文庫より出版されている。これは、11世紀末葉地方王朝君主息子のために著した一種の「人生読本」であり、当時イラン人の生活規範価値基準実態を知る上で参考になるものである。 ゴルガーニーの『ヴィースとラーミーン1991年平凡社より岡田恵美子訳が出版されている。 サアディーの『薔薇園』の翻訳 蒲生礼一による邦訳東洋文庫より出版されている。他には昭和26年に沢英三による訳が岩波書店より出版されている。『薔薇園』は、当時の社会生活の様子機微散文と詩織り成されペルシア人機知随所に光る著作であると同時にペルシア語一つ規範として、中世以来ペルシア語文化圏で最も膾炙し作品である。そのため、ペルシア語学習という点でも、翻訳意義大きといえるジャラール・アーレ・アフマドの『地の呪い』の訳 1979年イラン革命前後から注目を集めるようになった作品1981年山田稔による訳がアジア経済研究所より出版された。 ネザーミー『七王妃物語』の翻訳 ネザーミーの五部作のうちの一つ黒柳恒男による韻文訳が1971年東洋文庫より出版されている。 ネザーミーの『ホスローとシーリーン』の翻訳 ネザーミーの五部作のうちの一つ岡田恵美子による散文訳が1977年東洋文庫より出版されている。 ネザーミーの『四つの講話』翻訳 12世紀半ばにネザーミーによって著された著作であり、ペルシア文学研究基礎的典拠として利用されてきたものである昭和44年黒柳恒男訳が東洋文庫より出版されている。 ネザーミー『ライラとマジュヌーン』の翻訳 ネザーミーの五部作のうちの一つ岡田恵美子による散文訳が1981年東洋文庫より出版されている。 ハーフェズ抒情詩翻訳 ハーフェズ抒情詩ペルシア詩の最高峰とされている。これは黒柳恒男より昭和51年邦訳が行われ、東洋文庫より出版されている。これまでにも抄訳散見されたが、学問的に定着したに基づき初めの句から抒情詩部分最後まで訳した功績大きといえるゲーテの『西東詩集』のように、ハーフェズ詩の放つインスピレーションペルシア語文化圏越えて広がっており、この翻訳通じて日本人ペルシア文学普遍性触れることが可能になった。現在は佐々木あや乃による翻訳・研究進んでいる。 フェルドゥスィーの『王書』の翻訳 昭和44年黒柳恒男訳が東洋文庫より出版された。その後岡田恵美子散文体訳が岩波文庫より出版された。『王書』は大体6万句あるとされ、現在でも校訂進められており、まだ、確定版というものはない。全編同一韻律書かれており、当時ペルシア語研究する上でもまさに第一級重要性をもったテクストである。人類創世神話から始まり民族的英雄ロスタム登場する英雄時代経てサーサーン朝歴代記述が始まる歴史時代入り最終章アラブ族に敗退するまでが、叙事詩体で綴られた大民族叙事詩である。しかし、日本にはその一部しか訳されていない

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