西東詩集とは? わかりやすく解説

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せいとうししゅう〔セイトウシシフ〕【西東詩集】

読み方:せいとうししゅう

原題、(ドイツ)West-östlicher Divan》ゲーテ詩集1819年刊。14世紀ペルシア詩人ハーフィズ作品から受けた感銘と、年下恋人マリアンネとの恋愛結晶ともいうべき晩年代表作マリアンネによる作品部分的に収めた相聞歌の巻「ズライカの書」が有名。


西東詩集

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/15 07:10 UTC 版)

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西東詩集』(せいとうししゅう、原題:West-östlicher Divan )は、1819年に刊行されたドイツ作家詩人ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテの代表的詩集である。

晩年のゲーテは東洋オリエントに憧れるようになり、クルアーンペルシャの詩人ハーフェズの詩を好んで読んでいた。特にハーフェズの詩集の独訳が1814年に発表されると、多大な影響を受ける。ゲーテはハーフェズに憧れ、東洋への憧れ、人間の自然としての姿、文明に汚れていない世界に思いをはせ、次々に詩編を書いた。『西東詩集』(ドイツ語の原題にはペルシャ語詩集を意味するディヴァンが使われた)が刊行されたのはゲーテが70歳の時であり、ゲーテの辿り着いた思想が結集されている。内的経験からでた文学観、汎神論的な宗教観、自然探求による宇宙観が深く描かれている。

当時のゲーテの恋人であるマリアンネと交わした詩的愛情を、マリアンネをズライカ、ゲーテをハーテムとして描いた相聞歌は有名である。「ズライカの書」に収められている。

炎に飛び込み、自らを焼いてしまう蛾を題材に、「死ね、そして生まれよ」と恋愛、人生を謳った「昇天のあこがれ」(原題:Selige Sehnsucht )は『西東詩集』で最も有名な詩の一つである。「詩人の書」に収められている。ゲーテの詩編の中でも最高傑作との声も高い。

参考文献

  • 菊池栄一註釋『研究社獨逸文學叢書(3)西東詩集』研究社、1953年4月
  • 『西東詩集 翻訳と注釈』平井俊夫 訳、郁文堂、1989年(訳詩集として詳細な注解)
  • 『ゲーテ詩集』 井上正蔵訳、白鳳社、1965年
  • 『西東詩集』 小牧健夫訳、岩波文庫、1962年、復刊1987年ほか
  • 『西東詩集ほか ゲーテ全集 第2巻』 生野幸吉訳・解説 潮出版社、1981年、新装版2003年

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