微細化とは? わかりやすく解説

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びさい‐か〔‐クワ〕【微細化】

読み方:びさいか

[名](スル)小さくすること。特に、半導体記憶装置などの電子機器をより小型にすること。「—技術


微細化

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/22 22:59 UTC 版)

微細化(びさいか、die shrink、optical shrink、process shrink)とは、半導体デバイス特にトランジスタの単純な半導体スケーリングを指す言葉。 ダイ(またはチップとも呼ぶ)の微細化は、リソグラフィックノードの進展など発展した製造プロセスで同じような回路を作ることである。

微細化によってチップ製造メーカーの全体的なコストは低減し、製品の利益率は向上する。 なぜならプロセッサの大きな構造上の変更が無いことで研究開発コストが低減し、一方で1枚のシリコンウェハーから作られるプロセッサーダイが増えると製品あたりのコストが低減するためである。

詳細

微細化は、インテルAMD(かつてのATIを含む)、NVIDIAサムスンなどの半導体メーカーにとって価格と性能を改善する上で重要となる。

2000年代の例として、Cedar Mill Pentium 4プロセッサ(90 nm英語版CMOSから65 nm英語版CMOS)、Penryn Core 2プロセッサ(65 nm英語版CMOSから45 nm英語版CMOS)、Brisbane Athlon 64 X2プロセッサ(90 nm英語版SOIから65 nm英語版SOI)、ATIとNVIDIA両方の様々な世代のGPUがある。

2010年1月、Clarkdale Core i5Core i7プロセッサをリリースした。 それまでのNehalemマイクロアーキテクチャを用いた45 nm英語版プロセスから微細化した32 nm英語版プロセスで製造された。 インテルは特にチック・タックモデルによる定期的な頻度での製品性能の改善のために微細化に注力していた。 このビジネスモデルでは、マイクロアーキテクチャが新しくなること(チック)に続いて、そのマイクロアーキテクチャで微細化(トック)をすることで性能を改善する。 [1]

微細化はエンドユーザーに利益をもたらす。 微細化は半導体デバイスのスイッチのon/offをする各トランジスタで使われる電流を低減する一方でチップの同じクロック周波数を維持することで、製品の消費電力(と熱発生)を低減し、クロック速度ヘッドルームを増加させ、価格を低下させるためである。[1] 200-mmまたは300-mmのシリコンウェハーを製造するコストは製造ステップ数に比例し、ウェハー上のチップ数には比例しない。 よって微細化により多くのチップをウェハー上に作り、その結果チップ当たりの製造コストを低下させる。

ハーフノード

CPU製造において、微細化はITRSによって定義されたリソグラフィックノードの進歩を常に含んでいる。

GPUとSoCの製造では、微細化はITRSによって定義されなかったノードでのチップの微細化をしばしば含む。 これは例えば150 nm、110 nm、80 nm、55 nm、40 nm、より最近では14 nmノードのようなものであり、「ハーフノード」と呼ばれる。 これはITRSが定義したあるノードからより小さなノードに微細化する前に、その2つのノード間に設定された暫定的なノードであり(「ハーフノード・シュリンク」と呼ばれる)、R&Dコストを削減する目的がある。

ITRSノードまたはハーフノードのどちらへ微細化するかの選択は、集積回路デザイナーではなくファウンドリー次第である。

ハーフ・シュリンク
メインのITRSノード 暫定のハーフノード
250 nm 220 nm
180 nm 150 nm
130 nm 110 nm
90 nm 80 nm
65 nm 55 nm
45 nm 40 nm
32 nm 28 nm
22 nm 20 nm
16 nm 14 nmと12 nm[2]
10 nm 8 nm
7 nm 6 nm
5 nm 4 nm

参考文献

関連項目

外部リンク


微細化

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/23 03:25 UTC 版)

集積回路」の記事における「微細化」の解説

半導体露光装置メーカーは1社か2社の最先端半導体メーカー共同次の世代次々世代半導体露光装置開発し、まずその半導体メーカー向けて製造する。その開発によって生み出され装置を、2 - 3年程度後に最先端に続く半導体メーカー量産のために購入する頃には最先端半導体メーカーその先世代試験運用をはじめる。この循環があるために演算プロセッサプロセスルールは、350 nm/250 nm/180 nm/130 nm/90 nm/65 nm/45 nm/32 nm/22 nm/14 nm/10 nm といった飛びとびの値になるのが普通である。最先端プロセス・ルール2020年時点5nm達していて、3 nm, 2 nmと微細化が進んで行くと予想されている。一方DRAMフラッシュメモリのような記憶半導体では小刻みにプロセスルール縮小している。DRAMにおける一般的なプロセス・ルール2007年には65nm、2008年には57 nm縮小行い2013年には32 nm想定している。これは、製品急激な低価格化によって各メーカー新規投資控え既存設備改善によって生産性向上させることが狙いである。ただし最先端の微細化が要求される携帯端末向けなどには、2010年時点で25nmの製品が、2020年時点10 nm製品投入されている。 2015年2016年第5世代第6世代Intel Core14 nm製造している。2016年中に10 nm実用化実際に2019年)、2017年には7 nm実施には2023年予定)へ。 2015年7月IBMは7 nmプロセス試作品発表一桁ナノプロセスの時代迎える。 2016年3月インテルXeon E5-2600 v4 CPU14 nm22コア/44スレッド発売2016年3月サムスン18 nmといわれるDRAM出荷2020年9月TSMC5 nmプロセスによるApple A14出荷される。 微細化によってプロセスルール使われる光源波長よりも短くなると、光の回折干渉によってマスクの形とウェハー上に作られる像の食い違い大きくなり、設計通り回路形成できなくなる。この問題解決するため、回路設計にあらかじめこれらの光学効果織り込んでおく光学近接効果補正130 nm以下のルール行われるようになった光学近接効果補正は、EDAによる自動化普及している。 2020年頃には、5nm到達しCMOS使った微細化の限界訪れるとの推測されており、新し素材・構造研究や微細化に頼らない手段による集積度の向上も模索されている。 また携帯電話小型カメラ撮像素子ではフットプリント都合上、非常に微細化したイメージセンサーを使う。しかし、このセンサー画素密度可視光波長では従来カラーフィルタ方式がまったく役に立たなくなる。このためメタル層で光を回折させて分光行ったり、窒化物半導体素子使って分光することにより、プロセスルールよりも遥かに長い可視光フォトダイオードに導く。APS-Cサイズ2000万画素を超えるものも同様である。

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