微細な溝・突起などによる干渉
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/05 14:04 UTC 版)
「構造色」の記事における「微細な溝・突起などによる干渉」の解説
コンパクトディスク(CD)やDVD等の"光学記憶媒体"ではアルミ薄膜表面に刻まれた凹凸によってデジタル情報を記録している。この凹凸が回折格子の様に光を干渉するため、記録面側は虹色に見える。同様に、蒼鉛(ビスマス)等の金属結晶等でも、この様な発色を呈する、表面構造が微細な凹凸を持つ事から来る、"仮の色彩"で彩る原因となる物質がある。これらの結晶体の表面では、成長中の微細結晶が平面に並ばずに、規則的或いは不規則に並ぶ事に拠り、前述の光学記憶媒体の記憶面と類似の構造を、天然自然に成す。 『生きた宝石』とも呼ばれるモルフォチョウの翅(はね)は、鮮やかな青色をしているが、これは鱗粉表面に刻まれた格子状の構造による構造色である。この構造は青色の光の波長のちょうど半分にあたる200nm間隔に並んでおり、干渉により青色の光のみが反射される。2003年、松井真二(兵庫県立大学高度産業科学技術研究所 教授)らは集束イオンビーム装置を用いて、この構造をシリコン基板上に作り出すことで、モルフォチョウの青色を再現することに成功している。 クジャクやカワセミといった鳥類では、羽毛にある微細な構造によって、鮮やかな色彩が現れる。 透明なプラスチック等に、ある程度以上の負荷を掛け、そこに光を通した場合は、構造体内部に微細な歪みや亀裂を生ずる為に、同じく分光を生じ、虹色の線状の変色をもたらす場合がある。母材にこの様な状態が生じた場合は、その部分に、構造上の脆弱性が生じていて、そのままではその部分が破壊されてしまうので、掛かる負荷を取り除くか、低減する必要がある事が判る。これを利用して、実験室等では、構造解析等で、負荷の可視化に用いたりする事がある。
※この「微細な溝・突起などによる干渉」の解説は、「構造色」の解説の一部です。
「微細な溝・突起などによる干渉」を含む「構造色」の記事については、「構造色」の概要を参照ください。
- 微細な溝・突起などによる干渉のページへのリンク