審査経緯とは? わかりやすく解説

審査経緯

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/03 05:36 UTC 版)

九八式二十粍高射機関砲」の記事における「審査経緯」の解説

陸軍技術本部1932年昭和7年6月審査会議を開き各方面意見集めて必要な火器調査行なった。この件は6月13日審査会議を経て同月30日軍需審査会可決され昭和8年9月14日陸密第456号において以下のように研究方針決定された。 野戦における対空対戦車射撃主任務とする。 高度2,000m以下の航空機に対して効力有する。 被牽引繋駕・駄載の各種運動様式について研究する性能諸元初速900m/s・重量450kg(前車のみ)/750kg(後車とも)・高低射界-5~+85度・方向射界360度主要構造三脚砲架ガス自動連発・鼓状弾倉ドラム弾倉)・光学照準器使用など。 開発銅金義一中佐中心に東京陸軍造兵廠行なわれた。銅金中佐オチキス式の機関砲最適判断し新型機関砲はホ社の機関砲参考開発された。第一次試作品1934年昭和9年1月完成し同月から6月にかけて機能試験命中試験陸軍歩兵学校及び陸軍騎兵学校試験・運行試験一通り行った結果改修要する点が認められた。第二次試作品同年9月完成したが、なお修正要する点が見られた。第二次試作品改修した二型試製九四式野二十機関砲とも呼ばれ同年11月完成した8門は各種試験用いられることとなった試製九四式高は15入りの鼓状弾倉使用し、また三脚照準具撃発機など各部の構造が後の九八式とは異なっている。 1936年昭和11年6月には歩騎兵学校委託して実用試験行いそれぞれの立場からの意見得た騎兵側からは1,000m以上の命中精度向上・車上射撃簡易化射撃準備時間短縮といった点が挙げられ改修に際して平射能力犠牲にすることもやむを得ないとの判決得た一方で歩兵側から平射砲開発不必要であるとの意見があり、試製砲については若干改修高性能対空観測具との併用により概ね実用に値し得るとの判決得た同年8月には陸軍野戦砲兵学校委託して実用試験行った試験では若干改修により直距離1,000m以下の中・近距離高射火器として概ね実用に値し、また対戦車用としても精度は十分であると認められた。ただし野戦火器としては頻繁に行うと予想される車上射撃考慮する必要があり、また駄載用としては大幅な改修要するとされた。 昭和11年11月には自動車積載して運行及び射撃試験実施され同年12月には騎兵学校において自動貨車搭載型実用試験実施された。この試験では騎兵常時随伴可能な運動性付与するには車体装軌式のものにすべきとされた。また同年末から翌年にかけて試作型(この時点では試製七式二十機関砲呼称された)が満州における昭和11年北満冬季試験供試され、低温化での実用試験実施した。同試験では一部部品強度向上・歩兵用の安定性増大騎兵用の運動性向上などの改善点挙げられ、また作戦地域によっては将来的機械化が必要となる可能性についても言及された。 ここまで数年の期間に渡って各種試験実施してきた本砲であったが、1938年昭和13年)には開発中試製高射機関砲対し抜本的な改修加えられることとなった改修初速増大各部強化・曳光榴弾使用箱型弾倉使用分解結合容易化単発射撃廃止射手腰掛装備など広範囲にわたるものであり、改修した砲に対し試験実施したところその成績概ね良好であった。また同時期には本砲を搭載する装軌式自走式対空砲完成し明野陸軍飛行学校試験行っている。昭和13年10月には陸軍防空学校駄載型試験委託し、轅棹を使用するよう改修すれば実用に値するとの判決得た同年12月には一連の審査総仕上げとして各種砲架運行試験が行われた。被牽引型サスペンション改修とが必要であり、また被牽引用としては重量不足による安定性の不足が指摘された。輓曳用の運搬車運行性・放列布置容易性共に適当であると認められた。半装軌車搭載型運行性・安定性車上射撃時の操作性いずれも良好であり車載用として実用に値するとの判決得た。以上をもって本砲の審査終了し1939年昭和14年)に九八式高射機関砲として制式制定された。なお九八式とは開発年度である皇紀2598年(1938年)のことである。

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