天正大地震発生前後の状況と地震による影響とは? わかりやすく解説

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天正大地震発生前後の状況と地震による影響

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/27 05:02 UTC 版)

小牧・長久手の戦い」の記事における「天正大地震発生前後の状況と地震による影響」の解説

家康講和した後も、秀吉再戦に向け、1年以上かけて態勢整えていった。秀吉包囲網瓦解していくのと同時期に秀吉は、二条昭実近衛信輔との間で朝廷二分して紛糾していた関白職を巡る争い関白相論)に介入し天正13年1585年7月近衛前久猶子となって関白宣下受けたまた、美濃国大垣城15万人大軍のための兵糧備蓄地位戦力共に家康圧倒し、いつ決戦臨んでよいところまで体勢整えていった。 一方家康は、天正壬午の乱の後、北条氏結んだ同盟条件に基づく上野国沼田群馬県沼田市)の割譲で、沼田領有していた信濃国上田城主・真田昌幸対立。昌幸が上杉氏秀吉方に帰属し抵抗し、これに手を焼いていた(第一次上田合戦)。またこの頃家康背中腫れ物の病で苦しみ一時重篤に陥っている。 さらに、実はこの頃徳川氏領国では天正11年1583年)から12年1584年)にかけて起こった地震大雨戦役負担重なって領国経営深刻な影響出ていた。特に天正11年1583年5月から7月にかけて関東地方から東海地方一円にかけて大規模な大雨が相次ぎ徳川氏領国も「50年来の大水」(家忠日記)に見舞われていた。その状況下で豊臣政権との戦いをせざるを得なかった徳川氏領国打撃は深刻で、三河国田原にある龍門寺歴代住持記したとされる龍門寺実記』には、天正12年1584年)に小牧・長久手の戦い多く人々動員され結果田畑荒廃飢饉招いて残され老少が自ら命を絶った記している。徳川氏領国荒廃豊臣政権との戦い継続困難にし、国内立て直し迫られていた。 こうした中、天正13年11月13日1586年1月2日)、徳川家実質ナンバー2だった石川数正出奔し秀吉帰属する事件発生する。この事件徳川軍機密筒抜けになったことから、軍制刷新し武田軍見習ったものに改革したという(『駿河土産』)。このような状況から家康当時風前の灯だと見られていた。 ところが天正13年11月29日1586年1月18日)、日本列島中央部を「天正大地震」が襲う。マグニチュード(M)8クラス最大震度6だったとされる。この時の地震による被害としては、富山県高岡市木舟城陥没し城主前田秀継(利家の弟)が死亡飛騨国大野郡現在の岐阜県白川村)の帰雲城城下もろとも埋没しこのため城主内ヶ島氏一族滅亡このように被害中部東海・北陸広範囲及んだ。このとき秀吉近江国坂本城にいたが、あまりの恐ろしさにすぐに大坂城逃げ帰ったという。 国際日本文化研究センター磯田道史准教授は「天災から日本史読みなおす」(中公新書)で、この地震を「近世日本政治構造決めた潮目大地震」だったと指摘。この地震なければ家康は2カ月後に秀吉大軍から総攻撃を受けるはずだったとしている。天正12年1584年)の「小牧・長久手の戦い」で局地戦では勝った家康だが、その後秀吉秀吉包囲網瓦解させ、紀州四国など版図飛躍的に拡大し彼我軍事力には大きな差がついていた。戦争突入すればその後後北条氏のように、家康には滅亡可能性すらあっただろう。ところが震災によって、秀吉対家前線基地である大垣城全壊焼失同盟軍織田信雄長島城倒壊したという。秀吉軍を展開させるはずの美濃尾張伊勢地方被害大きく戦争準備どころではなくなっていた。 一方家康側は、この地震により岡崎城被災したが、領国内は震度4以下だったという。もっとも天正大地震以前大雨小牧・長久手の戦い等への領民動員徳川氏領国荒廃しており、家康にしても豊臣政権との戦いどころではなかった。 地震後秀吉東美濃信濃方面からの家康征伐計画していたが、程なくこれも中止して和解路線転じた。また最も被害受けた信雄が岡崎出向く交渉本腰を入れた結果1年近くにわたる交渉経て旭姫との婚姻更には上洛中の大政所人質条件天正14年1586年10月27日家康上洛して大坂城において秀吉謁見し、諸大名の前で豊臣氏に臣従することを表明豊臣政権ナンバー2の座を確保し将来備えることとなる。

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