中央地域およびパンパ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/23 10:07 UTC 版)
「アルゼンチン料理」の記事における「中央地域およびパンパ」の解説
長い期間にわたって、ブエノスアイレス、ロサリオ、コルドバといった都市部は、とりわけイタリア人やスペイン人(英語版)の子孫を含むヨーロッパからの移民を歓迎していた。それにもかかわらず、アルゼンチンに到着するドイツ人(英語版)、スイス系アルゼンチン人(英語版)および中東からの移民が流入した。この人種の坩堝がもたらした数えきれないほどの変化が調理技術の豊かさをもたらした。パスタ、ピッツァ、プッチェーロ(シチュー)、クロケット(揚げ物)、ソース、エンブティード(英語版)(ソーセージ)、鶏肉と畜肉のコースなどの料理は、日々のメニューに幅広い選択肢をもたらした。さらに、製パン、デザート、ペストリーおよび乳業もこの地域でかなりの発展を遂げた。 上に挙げた料理は、独特のアルゼンチンのニュアンスを発展させた。そのため、例えばアルゼンチンのパスタとしては、スパゲティ、フシレス(フジッリ)、ニョキス(ニョッキ)、ラビオリ、チンタス(リボン状パスタ)、ラザニアからアルゼンチン製のソレンティノス、アグノロティス(アグノロッティ(英語版))、カネロネス(カネロニ)およびフェトゥチネス(フェットゥチーネ}までの、幅広い料理が含まれている。 ピッツァ - 非常に薄く、時には厚く隆起した生地に、チーズを載せたり載せなかったりするものを、オーブンや「ピエドラ」(石窯)で焼いたもので、様々な具材が詰められている - は国中の辻々で見つけることができる料理である。ブエノスアイレス、ロサリオおよびコルドバなどでは、ピッツァの上にヒヨコマメの生地、ファイーナ(英語版)を載せたものも供されている。人々は、アルゼンチンのピッツァがユニークなのはイタリアとスペインの文化が融合していることだと言っている。19世紀からの変わり目に、ナポリおよびジェノヴァから移民が最初のピッツァ・バーを開店したが、その後はほとんどのピッツァ事業はスペイン系の住人によって所有されている。 パン製品は国中で食されている。パン、ペイストリーおよびデザート作りの深く根差した伝統は前述した国々の製品を混ぜ合わせることに由来している。ベーカリーはさまざまなパン、クッキー、ケーキだけではなく、ペイストリーも販売している。ペイストリーは一種のロール・ペイストリーに似ており、生地の主成分はバターか脂肪であり、シンプルなものか、他の詰め物、特にドゥルセ・デ・レチェ、牛乳、ジャム、クレマ・パステル、マルメロか林檎のゼリーが詰められていたりする。最も人気のあるペイストリーはフランスのクロワッサンを基にした「メディアルナス」(medialunas、単数形:medialuna、字義的には「半月」だが三日月のこと)タイプのものと言われている。さらに、サンドイッチ・デ・ミーガ(英語版)は別のタイプのパン製品であり、精白パン(一般にクラストレス・パンと呼ばれる)の薄い層にハムとチーズから、その他の生ハム、トマト、オリーブ、半熟卵、ツナ、レタス、赤唐辛子などのより洗練された組み合わせに至るまでの食品が挟まれている。 デザートやスウィーツは、通常ドゥルセ・デ・レチェが詰められたり、塗られたりしている。ドゥルセ・デ・レチェで覆われたものは単独でや、ケーキ、アルファホーレス(英語版)、パンケーキ(ケーキ)、ペストリーに載せて、あるいはフラン・デ・レチェの上に塗り広げて食べられる。ホイップクリームはスウィーツやデザートを作るのに広く消費されている。また、ケーキ、スポンジケーキ、プディングなども人気のある料理である。この地域のジェラートも、地方の味を加えることでかなりの発展を遂げ、その調理に関する地方の熱情を何らかの形で保った。 アサードは全国で食べられているが、その起源はパンパまでたどることができる。これには多様な種類の肉が使われ、一般的に次のように食べられる:アチュラス(もつ、あるいは牛の内臓)、モルシージャ(ブラッドソーセージ)、そして時にはプロボレータ(英語版)(オレガノとともにグリルで調理されたプロヴォローネ)が最初に食べられる。次に、チョリパン(choripán、豚肉ないし羊肉で作られたスパイスのきいたソーセージを2枚のパンに挟んだもの)が、最後にショートリブ(英語版)(asado de tira)、バシオ(vacio、フランク・ステーキ(英語版))、ロモ(lomo、ヒレ)、コリータ・デ・クアドリル(colita de cuadril、ランプ(英語版))、マタンブレ(matambre、スライスされて、冷製で供されるロール状ステーキ)、エントラーニャ(entraña、ハンガー・ステーキ(英語版)などが食される。コルドバ州ではカブリート・アル・アサドール(cabrito al asador、子ヤギないしヤギのロースト)と呼ばれる料理を食べて楽しむのが一般的である。
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