三度目の結婚と死とは? わかりやすく解説

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三度目の結婚と死

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/07 21:51 UTC 版)

小林一茶」の記事における「三度目の結婚と死」の解説

文政8年1825年)、一茶近所ではちょっとしたスキャンダル発生していた。かつて一茶もよく利用していた旅籠の小升屋に奉公をしていた、やをという女性私生児生んだのである。やをは越後二股妙高市)の裕福な農民宮下家の娘であったが、柏原の小升屋に奉公出ていた。そこで近所柏原有数名家中村左衛門家の三男倉次郎親しくなり、倉吉という男の子生んだ出産時、やをは31歳一方倉次郎はまだ10代であった中村左衛門家は柏原本陣中村左衛門家の分家であり、当時柏原一の地主である上に富裕な商人でもあった。その中村左衛門家のまだ10代三男坊と、近く旅籠奉公出ていた30過ぎの女性との間に私生児出来たわけなので、まさにスキャンダルであった周囲はこのスキャンダルどのように処理すればよいのか頭を悩ませた。その中で浮上してきたのが一茶存在であった64歳一茶独り身でありこのままでは絶家になってしまう。しかし一茶れっきとした自作農で、後継ぎがいれば家の存続は十分可能である。2度中風起こしている一茶体が不自由で、介護が必要である。そのうえ、倉吉私生児であるとはいえ父は柏原有数名家中村左衛門家の三男倉次郎であり、母のやをも越後二股富裕な農民宮下家の娘である。前述のように小林家柏原でも有力な家系であったが、倉吉一茶の家を継ぐに当たって家系的に問題が無い。このような思惑から一茶とやをの結婚話が進められることになり、文政9年1826年8月仲人役となったいとこの徳左衛門結納金2200文を、やをの実家越後二股宮下家に届けたその後まもなく一茶はやをと3度目の結婚をした。一茶64歳、やを32歳、そして連れ子倉吉2歳であった。しかし一茶3回目結婚生活もわずか1年3カ月しか続かなかった。 文政10年1827年)、65歳迎えた一茶は、再再婚を果たし連れ子であるとはいえ後継ぎ目途立った一茶にようやく平穏な晩年訪れるかに思えた。しかし不幸は最後まで一茶の身に襲いかかる文政10年6月1日1827年7月24日)、柏原大火発生した出火元は善五郎という人が住む借家であった。火は折から南風あおられ燃え広がり結局柏原宿の8割以上の世帯焼け出されるという大惨事となった一茶の家も隣の弟、仙六の家も全焼したが、不幸中の幸いにも一茶所有土蔵焼失免れたやむなく一茶家族土蔵仮住まいとする。土蔵は高いところに窓が一つ空いているだけの、昼も薄暗い住居であった一茶は不自由な体と言語障害抱え手先震えて書字も不自由になっていた。しかし火災後それまで変わらず俳諧師としての門人巡り続けていた。柏原大火後、ある門人は、一茶話している言葉聞き取りにくく、怒りっぽくなっていて困っている記録している。他の記録からも晩年一茶短気怒りっぽかった記されている。 火災焼け出された後の最晩年一茶の作では やけ土のほかりほかりやさはぐ(騒ぐ) 花の影寝まじ未来恐ろしき が良く知られている。焼け土の句は、火事焼け出された後の焼け土ぬくもりの中、飛び跳ねる姿を詠んだものであり、加藤楸邨はこの句の「ほかりほかり」という表現は、一茶得意の擬態語駆使した表現中でも特に完成度が高いのであるとした上で、この句は一茶現世における様々な苦闘の末にたどり着いた現状ありのまま受け止めるほのかな明るさを持つ世界であると評価している。 一方花の影の句は、詞書に「耕さずして喰ひ、織らずして着るていたらく今までばちの当たらぬ不思議なり」とあり、花の影では寝ないようにしよう、死後の世界恐ろしいからと、忍び寄る死の影を感じながら、農民の子として生まれながらも、耕すことなく生涯終え罪悪感詠んでいる。 しかし死の影をどこかに感じながらも、一茶精力的に門人宅を巡回し続け越後小千谷片貝にある観音寺奉納する俳額の撰を行い、約1万5千句の中から丁寧に選句を行うなど、衰え感じさせない活動ぶりを見せていた。また9月には徳左衛門預けていた金から2両1分2引き出して土蔵屋根垂木まで全て取り換える修理行った一茶としてはまだまだ死ぬつもりなどなかった。 11月8日1827年12月25日)、俳諧師としての巡回指導終え一茶久しぶり柏原土蔵戻った11月19日1828年1月5日)、気分悪くなって横になった一茶は、その日夕刻亡くなった享年65歳であった一茶の死は急死近く辞世伝わっていない。一茶遺体荼毘付され遺骨菩提寺明専寺裏手にある先祖代々墓地合葬された。そして一茶死去時、妻のやをは一茶の子身籠っていた。

※この「三度目の結婚と死」の解説は、「小林一茶」の解説の一部です。
「三度目の結婚と死」を含む「小林一茶」の記事については、「小林一茶」の概要を参照ください。

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